親子の関係性は変化していく 大事なこと、話し合えてる? PGF生命が「『おとなの親子』の生活調査2024」を実施

2024年11月15日(金)12時26分 OVO[オーヴォ]

昨年、別居している親に会いに行った頻度

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昨年、別居している親に会いに行った頻度




 “人生100年時代”。成人後の親子関係もより長く続き、家族の歴史の中で、親子の関係もさまざまに変化していくだろう。プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険(PGF生命保険、東京)はこのほど、70歳以上の実の親がいる40〜69歳の男女を対象に、「『おとなの親子』の生活調査2024」をインターネットリサーチで実施した(9月10日〜11日、有効サンプル2000、有効回答から性別・年代区分が均等になるように抽出)。高齢の親との関係を大切に考える一方で、お金や相続などについてはじっくり話し合えていない親子が多い様子が浮き彫りとなった。




■「おとなの親子」のコミュニケーション頻度は?




 まず、全体(2000人)に、親との居住状況を聞いたところ、「同居親子」は21.3%、「別居親子」は77.6%。別居親子(1551人)に、昨年、親に会いに行ったかどうかを聞いたところ、88.3%が会いに行っており、平均回数は29.6回だった。また、別居親子の67.9%が今年の年末年始に親に会う予定があると答え、顔を合わせる日数の平均は2.1日だった。




 昨年、「電話」「メールまたはLINE」でコミュニケーションを取った日数は、「電話」が平均35.5日(0日は17.4%)、「メールまたはLINE」は平均26.7日(0日は50.2%)だった。「メールまたはLINE」より「電話」の方が多い傾向が見られた。




昨年、「電話」「メールまたはLINE」で親にどれぐらいの頻度でコミュニケーションを取ったか



■「お金」や「相続」について話し合えてる?




 全体に、親の資産の内容(種類や資産額)を把握しているかを聞いたところ、約7割(69.7%)が「把握していない」と答えた。居住状況別では、同居親子で61.9%、別居親子で71.9%が把握していなかった。自身の収入や資産の内容(種類や資産額)については、全体の80.9%が親に「伝えていない」と回答。居住状況別では、同居親子で66.6%、別居親子で84.7%が伝えていなかった。




 マネー事情についてお互いに情報共有していないケースが多い中だが、「親から金銭面の支援を受けたことがある」人は、全体の約2人に1人(47.4%)。項目別の割合は、上位から「結婚費用」(25.5%)、「生活費(社会人以降)」(24.2%)、「不動産購入時の頭金」(16.0%)、「子どもの教育資金」(14.8%)など。項目ごとの平均額は「結婚費用」140万円、「生活費」133万円、「不動産購入時の頭金」517万円、「子どもの教育資金」187万円。




親から金銭面の支援




 逆に、親に金銭面の支援をしたことがある人は25.4%。項目別の割合は、上位から「生活費」(17.4%)、「旅行費」(9.7%)、「医療費」(7.2%)など。項目ごとの平均額は、「生活費」150.2万円、「旅行費」38.4万円、「医療費」45.5万円だった。




親への金銭面の支援



 「相続」については、全体の81.1%が、親からの生前贈与もしくは相続について、「親子間で協議したことはない」と答えた。年代別にみると、「協議したことがある」と回答した人の割合は、40代15.0%、50代19.3%、60代22.4%と、年代が上がるにつれて増えた。また、86%が相続対策を「まだしていない」、88.1%が親の遺言の内容を「知らない」と回答。「知っている」人は60代でも16.4%と2割に満たなかった。




■「介護」への不安や「長生きリスク」




 親の今後やサポートについて不安やリスクを感じることの1位は「健康状態・病気」(66.3%)が突出し、2位は「認知症」(49.1%)。以下、「生活費」(13.9%)、「相続」(13.7%)、「孤独死」(9.5%)だった。




 全体に、「親の介護について不安を感じること」を聞いたところ、「精神的負担」(34.8%)と「体力的負担」(34.5%)が高い割合を占めた。以下、「介護と仕事の両立」(25.6%)、「介護に関する情報や知識が足りない」(24.6%)、「介護費用が足りない」(21.8%)。「介護離職を経験した」人は全体の5.2%と1割に満たなかったが、経験していない人の半数超(51.5%)が介護離職への不安を感じていた。




親の介護で不安に感じること



 長生きをすることで、経済的に困窮するなどの、いわゆる「長生きリスク」については、87.3%が、「自分の親は準備をしていない」と答えた。親が長生きリスクへの準備をしている254人に内容を聞いたところ、1位は「貯蓄・資金の確保」(124人)。以下、「資産運用・投資」(23人)、3位「年金」「保険加入」(各12人)、5位「仕事の継続」「節約」(各9人)だった。




■変化していく親子の関係性




 全体に、「大人になってから“親との関係性が変わった”と感じたことがあるか」を聞いたところ、「感じたことがある」は14.4%、「感じたことはない」は85.7%。男女別では、男性8.3%、女性20.4%が「感じたことがある」と回答した。




 「感じたことがある」と答えた287人に、どのように変わったかを自由回答で聞いたところ、「自分たちが頼られる存在になった」「親のサポートを受ける側からサポートする側になった」「守られる立場から支え合う立場になった」「親の生き方を尊敬できるようになった」「大人同士の話し合いができるようになった」などだった。精神的距離感の変化や、相互扶助の関係への変化、親に対する感謝や尊敬の気持ちの高まりなど、“おとなの親子”への変化が見られる回答が寄せられた。








 「親から独り立ちしたと感じた年齢」については、「20歳〜24歳」(30.8%)、「25歳〜29歳」(19.8%)、「18歳〜19歳」(13.0%)の順だった。独り立ちをしたと感じた理由は、「20歳〜24歳」では「成人したから」「大学を卒業し就職したから」「一人暮らしを始めたから」「経済的に自立したから」など。一方、「独り立ちしていないと感じている」人は全体の14.6%。居住状況別では、同居親子の36.0%が「独り立ちしていない」と感じていた。理由は、「今でも同居しているから」「何かと頼ってしまうから」「援助してもらっているから」などだった。




 「これから親孝行としてしたいこと」を自由回答で聞いたところ、1位は「会いに行く・顔を見せる」(296人)。僅差の2位が「旅行をする」(281人)、3位「話をする・話を聞く」(95人)、4位「一緒に食事をする・ご馳走(ごちそう)する」(86人)、5位「介護をする」(85人)だった。




 自身が子どもだった頃から大人になり、高齢となった親と会うこと・一緒に過ごす時間を大切に考えている人が多いことが垣間見られた今回の調査。今はお互いに元気な親子関係であっても、いつ、不測の事態が訪れるか分からない。お金や相続、介護など、話題に出しにくいテーマについても、お互いが元気なころから少しずつ話し合っていけるといいのかもしれない。

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