どうすれば"オトナ友達"は長続きするのか

11月15日(水)9時15分 プレジデント社

(左)小松美羽さん(右)武村八重子さん

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独自の死生観を描いた銅版画「四十九日」で注目を集めた現代アーティストと、国際フェスティバルで「世界6人のソリスト」に選ばれたピアニスト。20代の頃から世界の第一線で活躍する気鋭の2人に、友人関係の育み方について聞きました——。


(左)小松美羽さん(右)武村八重子さん

■分野を超えた友人関係


Q まずは、お二人の出会いについて教えてください。

【小松】2010年だったと思います。私の個展と八重子さんのコンサートが隣の会場で開催されていて、八重子さんが本番前に見に来てくださったんです。


【武村】共通の知人から隣でやっているのを聞いていて、見てみたいなあって。リハーサルの後、本番まで、できるだけリラックスしたいから見に行ったのに、ものすごいパワー系の絵……というかオドロオドロしい絵だったから衝撃を受けて(笑)。出てきたのが美女だったからそのギャップにまた驚いて。


【小松】いやいやいや(笑)。でも、ものすごく作品に興味を持ってくださって、それが本当にうれしかったですね。


【武村】心の琴線に響くものがあって、興味深くて質問攻めにしちゃいましたね。「これは何をイメージしているのか」「この神獣はどこにすんでいるのか」って。


【小松】絵って、時間をかけて描いても興味がないと1秒も見てもらえない。だから、興味を持ってもらえただけでもうれしかったのに、そんなにグイグイ聞いてもらえることってあまりないので、本当にいい人だなあって。私もその日、八重子さんのピアノを聴きに行って、そこからの関係です。



Q 出会ってこれまでの7年の間は、どんな友人関係でしたか?

【武村】長野の共通の知り合いが開催するイベントなどで、会うのは年に1度くらいですね。2人ともものすごく忙しいから、お互い普段会う友人がたくさんいるわけではないですしね。



【小松】でも、会うとものすごく盛り上がるんですよ。フェイスブックなどを通じて動向は知っているので、それについて話したり、未来について語り合ったりします。


【武村】音楽は一瞬の永遠。その瞬間流れていくもので、オーディエンスの心に一生残るもの。でも、絵は描き直せるけれどもずっと残るものだから取り返しがつかない部分もあって、同じアートといっても、対極にいるのが私たち。それについては本当、心ゆくまで談議しますね。


Q 普段の連絡もSNSなどですか?

【武村】直接LINEなどでやりとりをすることはありません。特に電話で日頃話すとかもないですね。今日の取材もそうですが、必然があっていつの間にか会っているというか。


【小松】よく会っているから友人とか、会わないから友人ではないということではなくて、心がつながっているかどうかが大切ですよね。


【武村】そう。日頃関わっているかどうかは本当に関係がなくて、私にとって、会ったときに刺激を受けられる人というのがとても重要です。



Q 創作についての悩みを相談することは?

【武村】それはありません。アーティストにとって生みの苦しみと向き合うことは必須。それは誰とも分かち合えない孤独な作業だし、私と美羽ちゃんは表現方法がまったく違うので、そこはそれぞれの世界だと思うんです。ただ、互いの表現でコラボをしていくことはできる。



【小松】そう、先日初めてコラボをして、八重子さんが楽曲を作ってくださったんです。自然とコラボの話が出て「えー、やってもらえるんですか? うれしい〜」って。良いものができあがってくる予感しかしませんでした。


【武村】誰かのための楽曲を作るのって、その前の下調べが大変なんです。それこそ、おはようからおやすみまで考える。そうしないと、その人をイメージした曲はできあがらない。でも、美羽ちゃんの場合は、作品のことも、彼女のキャラクターのこともわかっていたので、書きやすかったですね。


【小松】できあがってきたときは本当に鳥肌ものでした。この曲を流しながら描いている自分が明確にイメージできたんです。おかげでライブペイントでは本当にいいものができました。あとは、生でコラボをしたい! お互い違う分野だから、一緒になったらどうなるのか、すごく興味があります。でも、ピアノがある場所でなかなかライブペイントってできない!


【武村】同じ場所で、離れてやる方法を考えよう(笑)。こうやって未来について語り合えるから、美羽ちゃんに会えるのが楽しいんです。



Q オトナ友達を長続きさせる秘訣って?

【武村】どんな場合でも相手に誠実でいようと心がけています。例えば、できないことをできるって言わない。それが最終的に自分も楽。無理をする関係は続かないのかなと思います。波動が合っているときは一緒にいられるし、合わない時期はなんとなくかみ合わない。そんなときは無理して会わなくてもいい。



【小松】それも含めて大人の友人は楽ですよね。学生時代の友人とは、毎日会ったり、ライバルだったりで、気を使う部分もあるけど、大人の友達は、自分のペースで自然に関われる。あとは、お互いの表現や趣味、仕事を尊敬できれば、関係は続くと思います。


Q 大人になってから同世代の友人を持ちたいという人は、何から始めればよいのでしょうか?

【武村】興味が湧く相手には、気を使わずに話しかけてみることかな。あとは、お互いに刺激を与え合える存在でいること。そのためには、自分の人生をまずは自分自身で充実させることが大切だと思います。


【小松】私は、人とのつながりって、神様のおぼし召しというか、必要な人とは絶対に出会うし、そういう流れに逆らわないことが大切だという気がします。人生、出会いがないなんてことはありません。せっかくの出会いをスルーしてしまわないことが大事なんじゃないかと思います。


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現代アーティスト

小松美羽さん


1984年生まれ。長野県出身。女子美術大学短期大学部を卒業後、独自の死生観を描いた銅版画「四十九日」で注目を集める。ホワイトストーンギャラリー(東京・銀座)にて作品展示(11月18日〜12月3日)




ピアニスト

武村八重子さん


1980年埼玉生まれ。ピアニスト、作曲家。国立音楽大学ピアノ科卒業。ウィーン国立音楽大学夏期ディプロマを取得。クラシックの枠を超えた新たな音楽づくりに挑戦し、多数の楽曲提供を行う。

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(ピアニスト 武村 八重子、現代アーティスト 小松 美羽 構成=MARU 撮影=干川 修)

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