日立によるデジタル環境債の発行に向けた協業について

2023年11月16日(木)20時16分 PR TIMES

 株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社JPX総研(以下、JPX総研)、野村證券株式会社(以下、野村證券)および株式会社BOOSTRY(以下、BOOSTRY)は、日立による、IoTやブロックチェーン基盤などのデジタル技術を用いた「グリーン・デジタル・トラック・ボンド(以下、デジタル環境債)」の発行に向けて、協業をします。なお、発行条件については決定次第お知らせします。
 デジタル環境債は、デジタル技術を活用して、グリーン投資に関連したデータの透明性の向上やデータ収集の効率化をめざす債券であり、日立とJPX総研が開発した、環境改善効果をタイムリーに参照できるグリーン・トラッキング・ハブに加え、BOOSTRYが提供するブロックチェーン基盤を活用した社債型セキュリティ・トークン(以下、デジタル債)のスキームを活用します。なお、デジタル環境債の発行は、株式会社日本取引所グループに続いて、国内では2例目となります。
 4社は、今回の日立での発行に続いて、今後も本スキームを活用してデジタル環境債の発行を促進し、多くの発行体や投資家が利用可能とすることで、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
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1.調達資金の使途
日立は、本デジタル環境債により調達された資金を、2030年度までの事業所(ファクトリー・オフィス)におけるカーボンニュートラルの実現に向けて、2019年3月に竣工し、2021年度にカーボンニュートラルを達成した中央研究所「協創棟」(省エネルギービル)に関する、建設費用及び改修費用のリファイナンスに充当する予定です。
詳細については、「株式会社日立製作所 グリーンボンド・フレームワーク」を参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/11/1116-1.pdf

2.本取り組みの特徴
・デジタル債
本デジタル債は、日立が発行会社となる公募STO(セキュリティ・トークン・オファリング)です。STOとは、発行会社が従来の株式や社債などに代わり、ブロックチェーンなどの電子的手段を用いて発行するトークンに株式や社債などを表示する「セキュリティ・トークン」により資金を調達するスキームです。

・デジタル環境債
グリーンボンドなどのESG債市場において、投資されるプロジェクトが生み出す環境・社会への効果を測定かつ比較可能な指標の形で示すことができれば非常に有用であると考えられています。
なお、本デジタル環境債の発行にあたり、日立は株式会社格付投資情報センター(R&I)よりグリーンボンド・フレームワークに対するセカンド・パーティ・オピニオンを取得しています。

3.デジタル債を発行するプラットフォームの概要
本デジタル債では、従来の証券保管振替機構による管理に代わり、BOOSTRYが主導するコンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク「ibet for Fin*1」(以下、ibet for Fin)を用いて発行・管理を行い、発行から期中管理、償還までの業務プロセスを電子的方法により完結させます。ibet for Finに係るシステム上で社債原簿の管理を行うとともに、従来型の社債では困難であった発行会社による社債権者の継続的な把握などを可能にしています。

4.グリーン・トラッキング・ハブの概要
日立は、本デジタル環境債によって調達した資金使途の透明性を高めるため、日立とJPX総研が開発したグリーン・トラッキング・ハブを活用して、資金充当した省エネルギー性能を有する建物のエネルギー消費量を自動的に計測し、ベンチマーク比でのCO2排出削減量、エネルギー削減量に換算、データ開示を行います。これにより、投資家がいつでも外部からモニタリングでき、年次のレポーティングだけではない高い透明性をめざします。また、BOOSTRYへのデータ連携を行い、ibet for Fin上にエネルギー削減量やCO2排出削減量を記録することで、データの透明性・適時性を高めることが可能となります。
グリーン・トラッキング・ハブではすでに対応済みである再生エネルギー施設からのデータ収集機能に加え、今回建物からのデータ収集に対応しました。今後対象となるグリーンアセットを順次拡大していく予定です。
なお、日立は、グリーン・トラッキング・ハブが有するグリーンプロジェクトの環境改善効果の透明性を高める仕組みを応用し、カーボン・クレジットの発行・認証の自動化*2や、事業会社のカーボン・オフセット支援などにも活用シーンを拡充していく計画です。
グリーン・トラッキング・ハブURLは以下の通りです。一般向け公表であり、投資家を含むどなたでも閲覧できます。なお、本デジタル環境債発行後に、日立に関する情報も閲覧可能になります。
https://jpx-trackbond.com/
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5.各社の役割分担
4社は、それぞれ以下の役割を担い協業するとともに、本取り組みから得られた学びや洗い出された課題を共有していくことで、社会全体のカーボンニュートラルへの貢献をめざします。
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*1詳細はBOOSTRYが公開するibet for Finの紹介サイト参照。https://www.ibet.jp/ibet-for-fin
*2 2023年10月30日付リリース「環境省が推進するJ-クレジットのデジタル化に向けて、本格的に実証を開始」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/10/1030a.html
*3サステナブルファイナンスの促進に向けて、日立が提供するプラットフォームの一部。IoTやブロックチェーンを活用して、投資先プロジェクトの設備の稼働データを安全に収集し、モニタリング/レポート作成までを自動化するもの。
https://www.hitachi.co.jp/rd/research/design/service/case_environment.html
*4デジタル環境債のスキームを組成し、デジタル技術を用いたインパクト・レポーティングや投資家への販売、必要書面などに関する助言などを通じ発行支援を行う者。

■日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。

■JPX総研について
 JPX総研は、株式会社日本取引所グループの、取引所・自主規制法人・清算機関に並ぶ新たな子会社として創設され、2022年4月1日付で事業を開始しました。JPX総研は、金融商品市場全体の機能強化および効率化に繋がるマーケット・サービスの創造を追求することを目的としています。JPX総研では、従来の伝統的な「取引所」の枠組みにとらわれず、新たな企業文化の醸成を図りながら、M&Aや高度人材活用なども通じた柔軟性・機動性に長けた事業展開を目指し、データやテクノロジーを活用したデジタル事業やネットワーク事業の強化を進め、事業の多角化やサービスの高度化を推進します。
 詳しくは株式会社日本取引所グループのウェブサイト(https://www.jpx.co.jp/corporate/ )をご覧ください。

■野村グループについて
 野村グループは、グローバルに拠点をもつ金融サービス・グループです。営業、インベストメント・マネジメント、ホールセールという3つの部門が約30の国と地域を越えて連携し、アジアと日本、そして世界をつないでいます。野村グループは、「社会課題の解決を通じた持続可能な成長を実現する」という経営ビジョンのもと、お客様をはじめとしたすべてのステークホルダーの声に応え、創造性豊かで付加価値の高いソリューションを提供しています。
https://www.nomura.com/jp/

■BOOSTRYについて
 BOOSTRYは「すべての権利を移転、利用できるようにして挑戦者と支援者を結びつける」というミッションに基づいて、さまざまな権利が流通するためのITサービスを提供しています。資本市場では各金融機関が自由に利用できる日本で唯一のコンソーシアム型のブロックチェーン基盤「ibet for Fin」の開発を主導しています。BOOSTRYを含めて特定の事業者が独占できない基盤でセキュリティトークンのエコシステムが形成されて、既存の資本市場が拡張することを目指しています。詳しくは、BOOSTRYウェブサイト(https://boostry.co.jp/ )をご覧ください。

■本件に関するお問い合わせ先
株式会社日立製作所 金融システム営業統括本部 [担当:松浦]
〒100-8220 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
お問い合わせフォーム:https://www.hitachi.co.jp/finance-inq/

[表: https://prtimes.jp/data/corp/67590/table/272_1_352c42e88848c9f8226e84d467cf2a91.jpg ]



<将来の見通しに関するリスク情報>
本資料における日立の今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述は、日立が現時点で合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがありえます。
その要因のうち、主なものは以下の通りです。

・主要市場における経済状況及び需要の急激な変動
・為替相場変動
・資金調達環境
・株式相場変動
・原材料・部品の不足及び価格の変動
・信用供与を行った取引先の財政状態
・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における政治・社会状況及び貿易規制等各種規制
・気候変動対策に関する規制強化等への対応
・情報システムへの依存及び機密情報の管理
・人財の確保
・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力
・COVID-19の流行による社会的・経済的影響の悪化
・地震・津波等の自然災害、気候変動、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱
・長期請負契約等における見積り、コストの変動及び契約の解除
・価格競争の激化
・製品等の需給の変動
・製品等の需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力
・コスト構造改革施策の実施
・社会イノベーション事業強化に係る戦略
・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生
・事業再構築のための施策の実施
・持分法適用会社への投資に係る損失
・当社、子会社又は持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続
・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等
・自社の知的財産の保護及び他社の知的財産の利用の確保
・退職給付に係る負債の算定における見積り

以 上

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