ノーベル賞学者の知見を得た農業スタートアップ、Trace Genomicsの躍進

11月16日(金)19時39分 Forbes JAPAN

マシンラーニングを活用し、農業向けの土壌解析を行うスタートアップ企業「Trace Genomics」が11月13日、シリーズA資金調達で1300万ドルを調達したとアナウンスした。今回のラウンドはStage 1 Venturesの主導で、同社の累計資金調達額は1900万ドル(約22億円)に達した。

効率的な農業を運営する上で、土壌の健康把握は非常に重要な課題だ。Trace Genomicsは土壌サンプルの分析により、農家が植えるべき作物や、どのような肥料が必要であるかを知らせている。

「Trace Genomicsは、従来存在しなかったインサイトを農家らに提供していく。彼らは今後の農業のマネージメント手法を劇的に変える企業だ」とStage 1 VenturesのJoseph Pianelliは述べた。

同社を設立したDiane WuとPoornima Parameswaranらは、スタンフォード大学の大学院で出会った。2人はノーベル賞受賞歴を持つ遺伝学者、Andrew Fire博士のラボで学んでいた。

Parameswaranの専門は分子生物学で、Wuの専門は計算生物学(computational biology)だった。彼らはゲノミクスやマシンラーニング技術を土壌の分析に応用可能であることに気づき、Trace Genomicsを立ち上げた。

Trace Genomicsはこれまで、レタスや果物、アーモンドなどの様々な作物の収穫量を上げ、疫病を減らす試みを行ってきた。彼らはWestern Growersなどの有名な農業関連機関とも取り組みを進めている。

新たな資金により同社は、トウモロコシや大豆などの領域に分析対象を広げていく。これらの作物において重要なのは、収穫を増やすことよりも、コストを下げることだ。

同社のCEOを務めるDiane Wuは、かつてフォーブスの「30アンダー30」に選出されていた。「大豆の農家が行う決定の70%に、当社のプラットフォームが影響を与えることが可能だ」と彼は話した

大豆農家たちの悩みのタネは、土壌の菌が原因で起こる作物の突然死だ。この病気は実際の症状が現れるまで、発生を検知するのが難しい。Trace Genomicsの技術を用いれば、病気をいち早く検知し、対策が打てるという。

また、コーンや大豆の栽培現場では近年、従来の化学肥料よりもバイオ肥料の使用が増えているが、Trace Genomicsのテクノロジーで適切なバイオ肥料の使用が可能になるという。

「農業分野へのサイエンスの導入を推進していきたい」とParameswaranは述べた。

Forbes JAPAN

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