ワールド、投資家の信頼取り戻した「積み重ね」 さらなる成長に必要なのは?

11月21日(木)7時0分 J-CASTニュース

ワールド本社ビル(663highlandさん撮影、Wikimedia Commonsより)

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アパレル大手、ワールドの株価が2019年11月11日、2018年9月の再上場時の公開価格(2900円)を超えた。

6日に発表した2020年3月期連結決算(国際会計基準)の業績予想の上方修正や配当増額が好感され、証券会社の目標株価の引き上げもあって5連騰を演じた。苦境に立たされがちな業界にあっての業績改善が素直に評価されている。



在庫管理や経費コントロールで改善



まずは6日の発表内容を確認しておこう。2020年3月期連結決算について純利益は従来予想から23億円増額し、前期比33.1%増の122億円を見込む。コア営業利益は5億円増額し、10.6%増の180億円、売上高にあたる売上収益は9億円増やして0.4%増の2509億円と予想した。増収増益のレベルが上がる上方修正だ。


ブランド事業において、ITを活用した在庫管理によって値下げを抑制することで粗利が改善するうえ、きめ細かな経費コントールでコスト削減が進むことが奏功。純利益においては婦人靴製造の「神戸レザークロス」を6月に買収したことで会計上の一時的な利益が増えることも貢献する。


ちなみにコア営業利益とは日本の会計基準の営業利益に近く、一過性の現象を取り入れず本業の稼ぐ力を示すもので、同じ国際会計基準でも会社によって算出方法が違う。ワールドは売上収益から売上原価と「販売費及び一般管理費」を除いたものを採用している。


業績改善によって中間配当を従来予想より3円増額し28円に決定した。期末配当予想は44円で据え置く。これによって年間配当金は72円見込みと、前期(50円)を22円上回ることになる。



再上場当初は「苦戦」続いたが



同時に発表した2019年9月連結中間決算は、売上収益が前年同期比0.4%増の1176億円、コア営業利益が13.8%増の70億円、純利益が80.8%増の59億円と好調だった。


翌7日の株価は一時、前日終値比10.5%(270円)高の2847円まで上昇、終値は9.5%(245円)高の2822円だった。当日安値が前日高値を101円も上回る「窓を開ける」節目の展開にもなった。5日、6日も株価は上昇しており、8日と週明け11日も値上がりし、5日続伸を記録。野村証券やみずほ証券が業績上方修正などを評価して目標株価を引き上げたことも連騰を後押しした。11日には一時、2920円をつけ、終値は2910円でいずれも公開価格(2900円)を上回った。その後はやや落としているが、それでも19日時点で、2800円台半ばで安定している。


ワールドは2005年にMBO(経営陣による買収)によっていったん上場廃止となり、2018年9月28日に東証1部に再上場した。ところが初値は2755円と公開価格の2900円を下回り、この日の終値は2680円にさらに下げた。その後も公開価格を超えるどころか、年末にかけて値を下げていった。年明け後は業界内では構造改革が進んでいるとして見直し買いが入り、上昇基調で2900円に近づいていた。再上場当初はその業態が不安視されたが、実績を積み重ねることで投資家の信頼を得ていったと言える。


実際、オンワードホールディングス(HD)が2019年10月、地方百貨店の不調などに伴い、全体の約2割にあたる約600店の閉鎖を計画していると発表したが、ワールドはこれに先駆けて2016年3月期に全体の15%程度の約500店を閉鎖。着実に百貨店からショッピングセンター(SC)にシフトし、さらに在庫管理の徹底で利益をあげるという段階にいたっている。


ただ、ようやく公開価格近傍に届いたところで、とても「勝ち組」と言えるレベルではない。成長を見込めるインターネットを通じた販路をいかに開拓できるかを投資家が注視している。

J-CASTニュース

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