<イベントレポート>【一般社団法人日本自動車工業会主催】2020年自動運転及び先進運転支援技術実証を見据えた自動運転に関する幅広い知識・見解を得られるメディア向け自動運転セミナー「導入編」を開催

11月27日(水)19時45分 PR TIMES

落合陽一氏、清水和夫氏、WHILL杉江理氏を特別ゲストに迎え、自動運転の未来を“生活・経済・社会”の3視点から予測・議論〜

一般社団法人日本自動車工業会(略称:自工会)は、2020年7月に自動運転及び先進運転支援技術実証を公開するにあたり、その取材機会をさらに充実したものにしていただくために、 10月30日(水)東京ビッグサイトにて第一回メディア向け自動運転セミナー導入編を開催いたしました。

当日は、自工会による基調講演をはじめ、ITS Japan天野肇氏による産官学の幅広い視点からの講演、また、他産業界の視点から特別ゲストを迎えたパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、NewsPicks CCO佐々木紀彦氏をモデレーターに迎え、メディアアーティストの落合陽一氏、モータージャーナリストの清水和夫氏、パーソナルモビリティ開発のWHILL株式会社代表取締役兼CEO杉江理氏を特別ゲストに、自動運転社会の到来について、社会・経済・生活の3つの視点から幅広い議論が行われました。
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基調講演 「自工会が描く中長期モビリティビジョンと自動運転実証の取り組み」

■2020年自動運転及び先進運転支援技術実証の取り組みについて/沼田泰氏(日本自動車工業会2020年検討会主査)

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2020年自動運転及び先進運転支援技術実証の取り組みについて、日本自動車工業会2020年検討会主査の沼田泰氏が代表として登壇。自工会が自動運転に取り組む最大の目的は、交通事故のない社会をつくっていくこと、そしてだれもが移動できる社会像を自動運転技術の支援によって提示していくことであるとし、産官学と連携し、インフラを含めた道路交通社会全体のレベルアップへ取り組みたいと語った。また、2020年自動運転及び先進運転支援技術実証では、羽田地区・羽田からお台場または汐留地区を結ぶ高速道路、そして臨海部お台場有明地区の3か所で実施予定であり、特に臨海部お台場有明地区では、最も進んだレベル4の自動運転をインフラの境地を活用して見せていきたいと語った。

■自工会が描く中長期モビリティビジョン/三崎匡美氏(日本自動車工業会ITS企画部会 副部会長)

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自工会が描く中長期モビリティビジョンについて、日本自動車工業会ITS企画部会 副部会長である三崎匡美氏が登壇した。
「モビリティをより豊かにすることで、“事故ゼロ・環境負荷ゼロ・移動の無駄のゼロ”を目指していく。そしてすべての人・ものに自由な移動をもたらせていく。そして最後に、人々の情緒に訴えるような活動を創造し、ときめきを最大化していく。」と話し、日本社会の価値・ライフスタイルの変化は多様化している中で、それぞれのニーズに合った社会をつくることが必要であると語った。また、2030年をマイルストーンに、「感動」に繋がる2つの取り組みに挑戦していきたいと宣言。1つ目は、次世代の自動車技術、電動化コネクティッドの進化を通じて人間の能力をテクノロジーで突破していくこと。2つ目は、モビリティサービスをより充実させることによる自動車という製品の価値の向上。この2つの大きなチャレンジでモビリティビジョンを実現するために、業界内外の協調的な取り組みを拡大していきたいと語った。

第一部 講演 「1億総活躍社会を見据えた、自動運転の役割」 /天野 肇氏(ITS Japan専務理事)


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情報通信技術や電子制御技術を使って交通の課題を解決するITS Japanの天野 肇専務理事が、自動車の誕生から自動運転社会の到来までを、技術革新と社会変革の観点から講演を行った。また、“社会的要請が技術の選択を決める”という点に着目し、エネルギー、情報通信、そして自動運転の3つのテーマからそれぞれの課題を深堀。自動運転技術は研究から製品開発競争へ移行し、個人の使用に限らない物流・公共交通などの自動運転技術への応用にも広がっている現状を語った。そして、シニア、地方に住む人など多様な人々がそれぞれ持っているスキルを十分に発揮できるような“一億総活躍社会”を実現するための手段として自動運転が必要であることを語った。


第二部 パネルディスカッション 「自動運転で広がる生活・経済・社会の可能性・予測」

テーマ: 1.社会課題から考える必要なユースケース
2.生活者ニーズから考える必要なビジネスユースケース
3.ユースケースの実現に向けた課題と普及戦略
モデレーター: 佐々木紀彦氏(NewsPicks CCO)
ゲスト:落合陽一氏(メディアアーティスト)/清水和夫氏(モータージャーナリスト)/杉江理氏(WHILL株式会社代表取締役兼CEO)
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■ディスカッションテーマ1.社会課題から考える必要なユースケース
佐々木氏)例えばマクロ視点でみると、都市の変化、人口減少の話など様々な社会課題がありますが、2030年までにどういった点を特に重視して考えていくべきだと思いますか?
落合氏)2020年にオリパラ、2025年に万博、その後の2030年というところで考えると2つの大きなイベントとレガシーをどうやって展開していくのかが重要になってくると思います。また、産官学を巻き込み、2030年までに何をやるかというマイルストーンを置いて実行していくことに着目しています。例えば、福岡市のケースやベイエリアのケースによって処方箋が違うなと思っています。タクシーの1メーターを自動運転に置き換えることは想像がつくし、そこの自動運転が車ではなくてパーソナルモビリティなのかもしれない。この先10年はこのようなユースケースが出てくる時代ではないかと思っています。
杉江氏)個人的には時間変動制によるダイレクトプライシングみたいなものをすぐやってほしいって思うんです。理由は満員電車がとても嫌いなので乗りたくないと。それが実現すれば、10時や11時の出勤を推奨する会社も出てくると思いますし、交通費が安くなると思います。
清水氏)サプライヤーが自動車メーカーに技術や部品を納めるという従来型の垂直統合ではなく、サプライヤーが色々なテクノロジーを自動車メーカーに納めるだけではなく、もっとそれを横展開して水平統合していく動きが広がりつつあります。さらに、今回の東京モーターショーでもそうですが、車をつくって売るという見本市は終わり、みんなの気持ちがサービスに向かい始めていると思います。2030年の自動運転に関しては、やはり、オーナーカーではなく、サービスカーとして地方やいろんなところに移動の自由を与えるようなモビリティが進化していると思います。スピードは遅くていいとか、地域限定でいいとか、そういう条件をつければそんなに難しくない。一方、オーナーカーの高速道路の自動運転では時速100キロくらいのレベル3が実現するかどうか。あと10年でシステムがどこまで進化し、そのくらの信頼性が実現できるのか。自動運転のほうが安全であると証明する必要があるでしょうね。自動運転は手段であり、その目的や価値を提供しないといけません。あえて言えば「自動運転2.0」のような、もっと言えば「CASE2.0」のような考え方が必要なのかなと思います。

■ディスカッションテーマ2.生活者ニーズから考える必要なビジネスユースケース
佐々木氏)ありがとうございます。ここからテーマ2に入り、今お話をして頂いた内容をもとに、生活者視点でどんなビジネスが生まれるのか?といった話に移りたいと思います。先ほど杉江さんからもダイナミックプライシングの話がありましたが、この自動運転をベースとしてどんな生活者にとって役立つサービスが生まれてくるべきと思いますか?
杉江氏)まず直近で直面しているのは高齢者の方だと思います。というのも、免許返納している方が毎年30~40%増加していて、車が運転できなくなることで動けなくなる人がいるので。じゃあその人たちはどうやって買い物に行ったり、お孫さんと遊園地に行ったりできるのかというのは直近の課題になると思うんですね。それこそ、自動車の自動運転が良いのかもしくは500メートル先へ行くためであれば自動車に変わるものが必要なのかっていうのが最初の課題であり議論すべき点だと思います。
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佐々木氏)なるほど。杉江さんはパーソナルモビリティをビジネスとされていて、需要の高まりなどを感じますか?
杉江氏)すごく感じますね。自動運転が叫ばれていますが、自動運転の文脈は“自動車”の文脈なんですね。だけど、パーソナルモビリティの方が、サービスローンチが早いんです。例えば、ディズニーランドやショッピングセンター、シニアコミュニティーや空港内などの1キロ圏内での移動は、公道ではなく私有地であるため規制をひとつ突破できるんです。保険とかでカバーすることになりますよね。そう考えると、安全だし、パーソナルモビリティから自動運転が開始され、サービスローンチされると思います。そしてこれは、自動車でレベル3を普及させるよりも早いと思います。なので、スマホで予約すると車が来て自動運転で連れて行ってくれるみたいなものは、歩道や室内から始まるんじゃないかと思っています。
清水氏)私は、これからの自動運転システムには“共感できるかどうか”が重要だと思います。自動でお掃除するルンバがありますよね。うちの女房はルンバと家で話をしているんですね。今日はうまくいったねとかスリッパ落とさなかったね、とか。それで、なんで話すの?と聞いたら、かわいい、ペットみたいだと。でも全自動洗濯機とは話してないんですよ。それもなんでと聞いたら、動かないからと。ペットも動物もロボットも含めて、自立で動くというものに人間はすごく共感できるんじゃないかなと。そして、人間って自分と共感できるものに対しては、すごく想いがあるんだなと。そうすると、これからは人間が共感できないものはだめだろうっていうのが最近気づいたことなんですね。さらに先日、女性ジャーナリストと一緒にとある運転支援技術の試乗会に行った時に、彼女は面白いことを言ったんですね。「これはもう恋愛と一緒」だと。そのシステムがどれだけ私のことを理解してくれてるのか、どれだけ正直に“できる、できない”を言ってくれるのか。そうすれば私はあなたを信頼できる。だから恋愛と一緒というのはすごく言い得て妙だなと思って。男は最初から理屈で考えているから、カメラで白線見て走ってるに違いないとかですね、そういうところから入っちゃうんですけど、女性は非常に直観的に共感できるかできないか。だからこれからこういう高度なシステムを作っていくときに、やっぱり人が共感できないものはだめなんだろうなという気はすごくしていますね。

■ディスカッションテーマ3.ユースケースの実現に向けた課題と普及戦略

佐々木氏)ありがとうございます。それでは最後のテーマ3です。今お話した内容も含めてユースケースの実現に向けた課題と普及戦略のところを最後に話したいと思いますが、清水さんいかがでしょうか。
清水氏)今言われているのは社会的受容性だと思います。まだ見ぬ自動運転の価値を、世の中にどうやって普及させていくのか、世の中がどういうふうに受け入れるのかということを考えていく必要があります。社会受容性を高めるには、自動運転という手段を使ってどういう価値を提供できるのかをもっと真剣に、行政よりはむしろ自動車チームで考えていかないといけないと思うんですね。また、人々がお金を出して買ってくれる価値は何かっていうのは、ただ自動で走ってるだけではだめで、時間という視点も大事ではないかと思います。アウディがA8という高級車を2年前に出したときに、バルセロナでの発表会内で、「1日25時間」と言っていたんですね。つまり自動運転にすることによってより有効な時間が1時間貰えると。アメリカのカリフォルニア校のある先生は、「自分は毎日通勤で渋滞にはまってるから私の寿命は人より3年短い」ということも言っていました。ですからオーナーカーの自動運転は、おそらく時間を買う、そこにユーザーはお金を払うだろうなと思います。
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佐々木氏)技術的課題もいろいろあると思うんですが、社会的需要性のほうがむしろ大きいってことですね。
清水氏)そうですね、ハードルは3つあって、最初に僕は技術課題、社会的需要性、そして最後は法律だと思っていましたが、法律のほうが今かなり明確になってきたので、今は最後の課題が社会的需要性だと思います。私達は本当に自動運転を受け入れるのだろうか、そこが関心事ですね。
杉江氏)パーソナルモビリティの文脈でお話しますが、同様に課題は、市民権を得ることだと思うんですね。座って乗るパーソナルモビリティは、シニアカーか電動車椅子の2つがあると思います。この2つが、みなさんがイメージしたときに、ポジティブなのかというと、あんまりポジティブじゃないと思うんです。しかし、もうちょっと見方を変えて言うと、「椅子にバッテリーを積んで移動できる、かつ、室内も入れる便利な乗り物」なんですね。また電動車椅子って昔からあって規制がつくられているので、非常に便利な移動体なんですよね。このイメージを変えるために、自動運転は有効です。歩行困難な方は1000万人いると言われながらも、走っているデバイスの市場は年間2万5千台くらいなんです。これはやっぱりイメージを変えて市民権を得る、自動運転も含めて便利なイメージに変えていくことで普及率が高まっていく。これが座って移動するパーソナルモビリティに対しての課題であると思います。
佐々木氏)杉江さんも清水さんも技術面や規制などではなく、社会受容性が大事であるというお話ですね。貴重なお話ありがとうございました。ここでパネルディスカッションを終了させて頂きます。本日は3つのテーマから自動運転について様々な意見を頂きました。落合さん、清水さん、杉江さんありがとうございました。

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