「自動車一本足打法」で日本沈没、分水嶺を迎えた日本経済の行方

11月30日(火)6時0分 ダイヤモンドオンライン

自動車に大きく依存した経済運営は難しくなり始めている。特に、EVシフトは決定的だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

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11月から国内の自動車生産台数が回復し始めた。にもかかわらず、日本株の上値は重い。対照的に、米国の株価は最高値を更新し続けている。カネ余りの影響に加えて、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)等のIT先端企業が経済運営の効率性を上げている。わが国経済は、「自動車一本足打法」を続けるか否かの分水嶺を迎えた。このまま自動車依存が続けば、わが国の地盤沈下は避けられず、国民の生活水準をも引き下げなければならない恐れが出てくる。それほど脱炭素やデジタル化への遅れは深刻だ。(法政大学大学院教授 真壁昭夫)


HVは向かうべき「旗印」だった
EVではすり合わせ技術の重要性が低下


「自動車一本足打法」と揶揄されるほどに、わが国経済はハイブリッド車(HV)を中心とする自動車産業への依存度が高い。その一方で、脱炭素を背景に、世界的な電気自動車(EV)シフトが鮮明である。その変化に、わが国経済全体の対応が遅れ、今後の成長が懸念されている。


 一つの例として、工作機械関連銘柄の株価が不安定だ。過去、自動車の生産が増える局面で、工作機械メーカーの業績への期待が高まる傾向にあった。端的に、工作機械メーカーにとってHVは向かうべき「旗印」だった。精緻な「すり合わせ技術」に磨きをかける自動車メーカーの要望に応え、工作機械メーカーはより微細な製造技術を実現した。同じことがわが国産業全体に当てはまる。


 しかし、EV生産ではすり合わせ技術の重要性が低下する。わが国経済の大黒柱である自動車産業の競争力が、そがれる恐れが高まっている。


 そのリスクに対応して中長期の視点で経済の実力を高めるために、政府は再生可能エネルギーの利用を増やし、脱炭素やITなどの先端分野における企業の研究開発をより積極的に支援すべきだ。新しい産業を育成して自動車依存が高い産業構造を転換するためには、そうした国の支援は欠かせない。



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