日本一賢い天皇と 日本一賢い部下の 最強コンビが救った 日本の窮地

12月1日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

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世界1200都市を訪れ、1万冊超を読破した“現代の知の巨人”、稀代の読書家として知られる出口治明APU(立命館アジア太平洋大学)学長。歴史への造詣が深いことから、京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では世界史の講義を受け持った。

その出口学長が、3年をかけて書き上げた大著が、なんと大手書店のベストセラーとなり、話題となっている。BC1000年前後に生まれた世界最古の宗教家・ゾロアスター、BC624年頃に生まれた世界最古の哲学者・タレスから現代のレヴィ=ストロースまで、哲学者・宗教家の肖像100点以上を用いて、世界史を背骨に、日本人が最も苦手とする「哲学と宗教」の全史を初めて体系的に解説した本だ。なぜ、今、哲学だけではなく、宗教を同時に学ぶ必要があるのか?

脳研究者で東京大学教授の池谷裕二氏が絶賛、小説家の宮部みゆき氏が推薦、某有名書店員が激賞する『哲学と宗教全史』が、発売後たちまち第6刷を突破。「日経新聞」や「朝日新聞」にも大きく掲載。“HONZ”『致知』『週刊朝日』でも書評が掲載された。

過日、立命館アジア太平洋大学(APU)創立20周年を記念して、東京駅直結の立命館東京キャンパス(東京駅直結・サピアタワー)に約100名が集結。「歴史とは何か?」と題した出口氏講演会の7回目をお送りしよう。



大きな転機となった「白村江の戦い」



 前回、随、唐という世界帝国ができたときに、日本の「傭兵国家戦略」は破綻した、という話をしました。


 その象徴が、白村江(はくそんこう)の戦い(663)です。


 朝鮮半島の白村江で行われた、日本・百済連合軍vs唐・新羅連合軍との戦いです。

 これに敗れて日本はパニックに陥った。


 当時、権力を握っていた中大兄皇子、後の天智(てんぢ)天皇(626‐672)は、現代でいえばマッカーサーのような占領軍がくると恐れ、まず福岡に水城などをつくり、瀬戸内海の海沿いに山城をたくさんつくって来航に備えた。かなりビビッたわけです。


 ところが、幸運にも唐と新羅が仲違いし始めた。


 日本は白村江の戦いで唐・新羅の連合軍に負けたわけですが、今度は勝者同士でケンカを始めたので、日本は時間稼ぎができたわけです。


 このときに日本の体制を立て直そうとがんばったのが、持統(じとう)天皇(在位690‐697)と藤原不比等(ふじわらのふひと)という日本一賢い天皇と日本一賢い部下の最強コンビです。


 時間稼ぎしている間に、もう一回、唐に負けないような体制をつくりましょうと。

 これは、明治時代に、外国人にバカにされないよう鹿鳴館(ろくめいかん、1883)をつくって、毎日ダンスをしていたのと同じです。


 その一連の政策は、まず国の名前をつける、日本という国をつくることから始まりましました。


 それまで「大王」といわれていた君主は、あまりありがたみがないので、「天皇」という称号を新たにつくった。


 それから、をつくる。藤原京、平城京です。

 歴史をつくる。日本書(紀)ですね。

 律令制をつくる。

 それから、お金もつくる。和同開珎です。


 これらはすべて中国に対抗するための鹿鳴館政策です。


 でも、見栄をはるというのは、決して愚かな考えではなく、クールに考えたら、少ないお金をどう効率的に使うかという知恵でもあるのです。


 当時は中国が先進国で、日本は中国に比べたらかなりの貧乏国でした。


 当時の日本の一人あたりGDPは、中国の一人あたりGDPの2分の1以下だといわれています。


 過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。





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