キヤノンの浮沈のカギを握るメディカル事業の次の一手は?

12月3日(火)18時10分 財経新聞

 キヤノンは11月1日、『キヤノングループにおけるメディカル事業強化に向けた事業再編について』という見出しのニュースリリースを配信した。要約すると、「成長産業であるメディカル事業のさらなる強化に向け・・・2020年1月1日付けでキヤノンメディカルシステムズ(キヤノンメディカル)がキヤノンマーケティングジャパンの子会社キヤノンライフケアソリューションズの全株式を取得し・・・メディカル事業をキヤノンメディカルに1本化する」というもの。

【こちらも】キヤノンは新たな成長段階に移行できるのか

 私は17年9月15日付の財経新聞・企業産業欄に「キヤノンは新たな成長段階に移行できるのか」という記事を投稿した。内容は御手洗富士夫CEOが数年来「複写機・プリンター・カメラに寄って立つ経営の時代は終わりつつある」「何を新たな稼ぎ柱するべきか考え続けている」とし、16年12月に「生き残りを賭けていた」東芝から6655億円という巨額を投じ東芝メディカルシステムズ(現、キヤノンメディカル)を買収した。メディカル事業は新キヤノンの顔になるのか、というものである。

 だがいまなお、キヤノンは苦境から脱出しきれないでいる。前12月期こそ3.1%の減収ながら「6.6%の営業増益、4.5%の最終増益」。今期は「1.3%減収、5.2%営業減益、5.0%最終減益」と“行ってこい”計画で立ち上った。

 だが中間期開示、そして第3四半期開示と同時に相次いで計画を下方修正。「8.3%の減収、45.2%の営業減益、44.6%の最終減益」へ。かつ第3四半期実績の修正後に対する達成率は「73%、65%、66%」と、着地で一層の下振れが懸念される様相。

 苦境ぶりは第3四半期の現状に、容易に見て取ることができる。セクター別にみるとこんな具合だ。ちなみに四季報の業績欄の見出しは【再び下振れ】。

 (I)オフィス向け複合機: カラー機は伸長も、モノクロ機の不振で前年同期比(以下、同)微減。
 (II)レーザープリンター: 新製品順調も、中国等の景気減速の影響やモノクロ機不振で減少。
 (III)カメラ市場: ミラーレスカメラ拡販努力も、エントリー市場(初購入者市場)縮小で低迷継続。
 (IV)インクジェットプリンター: 日本を除く各地域、とりわけ新興国市場で需要減少。
 (V)医療機器: 国内の伸長に加え、海外でも欧州など先進国が緩やかに成長や新興国の一部で好調から増収。

 つまり、厳しい状況下でも「頼り」は医療用機器分野というが現況。ゆえの「メディカル事業分野の一層の強化策」という流れだ。

 キヤノンメディカルの主軸商品は画像診断装置や体外診断装置(CT・MRI・超音波装置・X線装置)、そしてITソリューションの開発・製造。市場としては世界150カ国以上に及んでいる。

 業界のアナリストは「メディカル事業が今後の収益動向のカギとなるのは明白。好財務体質(中間期時点の内部留保は有利子負債の8倍強)を活かし、新たに海外企業のM&Aに向かう可能性も高い」としている。

財経新聞

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