ANAの整備士が実践する「腰痛防止体操」大図解

12月7日(土)9時15分 プレジデント社

イチ、ニノ、サン! と軽快な掛け声で行われる体操。日課としてラジオ体操を取り入れている企業もあれば、オリジナル体操を実施している企業もある。企業における体操事情について、健康サポート研究会代表の渡部鐐二氏に話を聞いた。

■社内でラジオ体操を採用する企業は多い


日本人にとっておなじみの「ラジオ体操」。ラジオ体操を取り入れている企業が多数あります。2011年度に財団法人簡易保険加入者協会(現:一般財団法人)が神奈川県立保健福祉大学健康サポート研究会に委託して行った「全国建設業・運輸業関係企業におけるラジオ体操の普及状況調査」によれば、社内全体または一部の部署やイベント時で実施していると回答した企業は実に56.9%に上ります。



目的は健康維持と増進が主ですが、最近ではストレス解消として取り入れている企業も増えています。ラジオ体操を行う時間帯についての調査では、始業前が最も多い結果になりました。始業前が全員集合しやすいというのが主な理由ですが、事務など終日ほぼ同じ姿勢を続ける職場の方は、できればお昼や、おやつ休憩のときにもやっていただくと、血行が良くなりますし、頭がすっきりして最後までスムーズに仕事ができると思います。



体操ができた当初は、「ラジオ体操 第1」しかありませんでした。それだけでは負荷が足りないという人のために、少し負荷を強めた第2、第3が加わりました。事務などデスクワークの職場では第1だけでもじゅうぶんウォーミングアップになります。体をよく使う職種の方は第2までやっておいたほうが、より腰痛や膝痛、ケガの防止になると思います。実際に運送や土木、建築業などでは第2も取り入れているようです。


■オリジナル体操を考案されている企業も増えています


ラジオ体操をベースに、職種に合ったオリジナル体操を考案されている企業も増えています。たとえばコカ・コーラ ボトラーズジャパン。ジュースの缶や瓶は重く腰に負担がかかるため、「腰痛予防体操」が作られました。他には、タクシー会社にもあるようです。座りっぱなしということもありますが、ドライバーさんは常に後方座席を振り返るため、左にばかり腰をひねります。


片方ばかりに体を動かすクセがつくと、筋肉バランスが崩れ、姿勢が悪くなり、ひいては腰痛や膝痛の原因になってしまいます。左右同じ動きがある体操で、バランスを整えていらっしゃるのでしょう。このように極端に左右のバランスが違う動きが多い方は、弱っているほうを多めに動かすとバランスが整いやすくなります。


ラジオ体操の歴史を振り返ると、1925年までさかのぼります。アメリカの生命保険会社で行われていた「ラジオ放送による体操」をもとに、当時の逓信省簡易保険局で実施が提唱され、28年に昭和天皇ご即位の記念として制定されました。現在のラジオ体操は、大阪府学務部体育課が協力して制作されたといわれ、生理学、解剖学を基礎とした医療体操であるスウェーデン体操の影響を受けていると考えられます。


さらに、リズム感を重視しながら柔軟性、巧緻性、筋力の補強を目標とするデンマーク体操の要素も取り入れられていると考えられます。老若男女問わず、いつでもどこでも誰でもできる内容になっていますので、正確に動きを真似できなくてもじゅうぶん体を動かす目的を果たせる体操です。


これからますます増える高齢者の医療費削減や認知症予防にもラジオ体操は有効で、99年9月には、国連の国際高齢者年にちなんだ高齢者向け「みんなの体操」が制定されました。町をあげて積極的に体操習慣を促進する自治体も出てきています。公園に約100人が集まり、毎朝「ラジオ体操」をしている所もあります。


健康維持やそれに伴う医療費削減にももちろん役立っていますが、ご近所づきあいを全くしないまま定年を迎えた人の“公園デビュー”の場にもなっており、老後のコミュニティづくりにも一役買っているようです。ただし、「ラジオ体操」はあくまでも体を動かすことを目的とした体操であり、痛くなった腰や膝を治せるものではありません。痛みがある場合は無理をせず、まずは全身を健康な状態に整えてから体操を行ってください。


次ページから実際に行われている企業体操について紹介する。



■▼航空機の整備士が実践する「腰痛防止体操」




■▼セールスドライバーの足腰を守る「ヤマト体操」




■▼国を守る自衛官の「自衛隊体操」がスゴイ







(プレジデント編集部 構成=力武亜矢 撮影=南方 篤 写真提供=ヤマト運輸)

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