無課金でも「頭のいい子」に育つ…医師、弁護士、会計士になった教え子が幼少期に遊んでいた"ゲームの名前"

2024年12月7日(土)17時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/paylessimages

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「頭のいい子」は幼少期にどんな遊びをしているのか。中学・高校受験塾を運営する中本順也さんは「『言葉で遊べる強み』を持っている子は、資格試験や就職活動などでも能力を発揮しやすい。なかでも、大人数でワイワイ楽しむことができて、たくさん言葉が飛び交う『アナログゲーム』はおすすめだ」という——。

※本稿は、中本順也『おうちでできる子どもの国語力の伸ばし方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。


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■ゲームで遊びながら「思考力」を身につける


画面で遊ぶゲームの中にも言葉の力が必要なものはたくさんありますが、ここで紹介するのはアナログのゲームです。


アナログゲームのよいところは、大人数でワイワイやることができて、たくさん言葉が飛び交うところ。堅苦しい「勉強」と捉えず、楽しく遊んでいるうちに、国語力をアップさせてしまいましょう。


まずひとつ目は、しりとりです。


しりとりは準備も何も要らず、今すぐ始めることができます。


使える言葉を増やすという意味では、しりとり遊びは効果ありです。


また、しりとりは幼稚園や保育園の送り迎えのときなどにもできるので、未就学児にもおすすめです。


ドライブ中に会話が減ってきたときなどにやるのもいいですね。


古典的で王道ですが、ここでは「応用しりとり」も含めてご紹介します。


しりとりは、言葉をたくさん知っていることに加え、条件に合う言葉を思い浮かべる力が必要です。「“あ”で始まる言葉は……」と考えることで、ひとつの条件から複数の候補を思いつくことにつながります。


「拡散的思考力」と呼ばれるこの力は、しりとりで鍛えることが可能です。


■保護者が「意識すべきポイント」


言葉を知らなければ、しりとりはできません。


最初は普通のしりとりから始めてかまいませんが、何も考えずにスタートすると「りんご→ゴリラ→ラッパ」から始まり、いつもお決まりの言葉パターンになってしまいます。


そこで、保護者が入るときは、次のことを意識してみてください。


・パターンから抜け出す(保護者のターンのときにいつもと違う言葉を使う)
・ひとつの文字を狙い撃ちする
・子どもが知らなそうな言葉を小出しにする


などです。


「ひとつの文字を狙い撃ちする」は、例えば「アイス」「いす」「すす」といった具合に同じ言葉で終わる単語で返す、ということです。


次第に苦しくなってくるので、子どもも言葉を考えて探すようになります。


「す」や「し」「か」などは言葉の数も多いので、長続きします。逆に「らりるれろ」で始まる言葉は少ないので、難易度を上げるためには「ら行」を狙うのもいいですね。


国名などのなじみがない言葉を使うと、「それなぁに?」と聞かれます。何度も使っているうちに子ども真似するようになって、語彙が増えることも期待できます。


■高難度の「応用しりとり」は盛り上がる


しりとり応用編としては、縛り(限定ルール)を作るという方法があります。


「五文字縛り」や「国名縛り」などでやっていくと一気に難しくなります。


ほかには、しりとりならぬ「なかとり」というものもあります。真ん中の文字をとって、次の人がその文字から始める言葉を考える、というルールです。


真ん中をとるので必然的に奇数の言葉(3・5・7など)を言わなくてはならず、難易度は高めです。


最後に「ん」がついても構いませんが、真ん中が「ん」になってはいけません。例えば、つくえ→クイズ→インフルエンザ→るすばんでんわ(負け)といった具合です。


なかとり、結構盛り上がります。


「しりとりなんて……」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、以前私が模擬試験の引率をしている際に、小6中学受験クラスの生徒たちが電車内でやっていたしりとりが高度かつ高速で、感心したのを覚えています。


写真=iStock.com/Jonathan Raditya Valerian
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Jonathan Raditya Valerian

■「言葉で遊べる強み」は試験や就活にも役立つ


やっていたのは「しりたししりとり」です。


これは短期決戦になるのですが、スタートを一文字にして、そこから一文字ずつ足していくしりとりです。


例えば、①輪(わ)→②ワニ→③荷物→④つくだ煮……と続いていきます。


ちなみに、このときの生徒たちは、その後医者・弁護士・会計士・外資系コンサルタントの道へと進んでいます。


「言葉で遊べる強み」を持っていた子は、資格試験や就職活動などでも能力を発揮しやすいのかな、と10年越しで思わされました。


中学入試問題では、頭文字に続く語彙を答えたり、熟語しりとりがよく出題されます。難易度が高い問題ですが、語彙力と漢字力に加え、拡散的思考力を試すとてもよい問題です。


日頃からしりとりによって拡散的思考力を鍛えておけば、こういった問題への対応力もついていきます。


■国語力を上げる「2つのボードゲーム」


ボードゲームとは、テーブル上で遊ぶアナログゲームのことを指します。すごろくや人生ゲームなどが有名ですが、海外のゲームも含めて、大人から子どもまで楽しめるさまざまな内容のものがあります。



中本順也『おうちでできる子どもの国語力の伸ばし方』(かんき出版)

ボードゲームを学習の一環に取り入れている樂志館(合同会社ディープグラウンド)の末廣泰翔先生と、国語とボードゲームの関わりについて話をしたことがあります。


末廣先生は、「ボードゲームによって、説明を整理しながら聞く力、ルールを読む力、仕組みを理解して分析し、勝つためのストトーリーを思考していく力が身につきます。これって、すべて国語において大切な力ですよね」と話されていました。


また、国語力を高める具体的なゲームもご紹介いただきました。


1.ドリームオン!(DREAM ON!)

絵から想像力を働かせて、全員で協力してお話を作り、その後記憶によってそれを再現するゲーム。ストーリーや文脈を組み立てていく力、気持ちや展開を考える力が身につきます。


2.ウォッチャ(WOCHA)

絵に対してどの言葉を充てるかによって、しりとりを成立させていくゲーム。例えば、マトリョーシカの絵を見て「人形」「姉妹」「大は小をかねる」など、言葉を連想して繋いでいきます。絵という具体的なものを抽象的な言葉で置き換えていく、非常に国語的なゲームです。


出所=『おうちでできる子どもの国語力の伸ばし方』(かんき出版)

我が家には「ローリーズストーリーキューブス」というゲームがあります。


絵が描いてあるサイコロを転がして、その絵から連想されるストーリーを作り上げたり、交互に物語をつないでいったりする遊びです。これもなかなか盛り上がります。


■「カタカナ語」を使わずに説明すると…


子どもたちの頭の中にあるストーリーを言葉にしていくゲーム。勝敗の決め方は難しいですが、言葉の力を高めていくのにうってつけです。


ほかには、「ボブジテン」というカードゲームも楽しみながら言葉の感覚を身につけられます。


「チョコチップクッキー」などの指定された言葉を、カタカナ語を使用せずに説明していくというゲームです。この場合、「茶色くて甘い小さな粒が入った、せんべいのような形の丸くて甘い焼き菓子」などでしょうか。


このゲームの素晴らしいところは、相手に伝わっていないと思ったら、言い換えに次ぐ言い換えを考えなければいけないところです。ほかの物にたとえる力も身につき、コミュニケーション能力が大きく向上します。


出所=『おうちでできる子どもの国語力の伸ばし方』(かんき出版)

いくつかゲームをご紹介しましたが、「やってみたい」と感じるものはあったでしょうか?


これらのゲームはいずれも、連想したことに言葉を当てはめて、言葉をうまく使いこなしていかなくてはいけないものです。ゲームを楽しみつつ、ゲームに勝つための思考が言葉の力を鍛えてくれるものとなっています。


国語力アップのためのゲーム、ぜひ試してみてください。


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中本 順也(なかもと・じゅんや)
すばる進学セミナー代表、かまくら国語塾主宰
1981年生まれ。3児の父。慶應義塾大学文学部国文学科を卒業後、メーカーでマーケティングや営業に従事。その後、神奈川県鎌倉市にある「すばる進学セミナー」で子どもたちの中学受験・高校受験の進学指導や国語学習をサポートしながら、2020年には小学生のための小説創作教室「かまくら国語塾」設立。著書に、小説『漣の果てに。』(Amazon publishing)や共著『国語で「論理的思考」を育てる 書く・読むドリル 小学5・6年』(学芸みらい社)がある。
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(すばる進学セミナー代表、かまくら国語塾主宰 中本 順也)

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