米フォード、中国アリババと新車のネット販売でタッグ

12月8日(金)6時0分 JBpress

中国上海で開催の上海国際モーターショーで、報道陣に公開されたフォードの新型「マスタング」(2017年4月19日撮影、資料写真)。(c)AFP/Johannes EISELE〔AFPBB News〕

 米自動車大手のフォードモーターと、中国電子商取引大手のアリババ・グループ(阿里巴巴集団)が、中国における新車のネット販売などで、近く提携する見通しだと、英ロイター通信が伝えている。


「自動車の自動販売機」を展開?

 フォードの会長や、最高経営責任者(CEO)、アリババの幹部など両社の代表が、12月7日にも浙江省の杭州で会い、趣意書に署名する予定だと、事情に詳しい関係者は話している。

 具体的な目的は、アリババが展開するネットショッピングモール「Tモール(天猫)」で、フォード車を試験販売すること。これに加え、「自動車の自動販売機」とも呼べる、新コンセプトの店舗を試験営業する見通しだという。

 ネットで購入された自動車は、フォードと契約する販売店が顧客のもとに届け、その後、整備・修理などのアフターサービスも提供する。

 一方、新コンセプトの店舗は、巨大な自動販売機にも似た駐車場ビルに自動車を収容しておき、顧客がスマートフォンで好みのモデルを選ぶと、それを地上階まで運ぶ。

 顧客は、気に入ったモデルを試乗することができるほか、その場で購入手続きもできるという。支払いには、アリババの決済サービス事業「アリペイ(支付宝)」による、自動車ローンも利用できるようになる見通しだ。


Tモールのビッグデータを活用

 フォードにとって、アリババとの提携は、中国市場における戦略転換の一環。過去数カ月にわたり、同社の中国販売は落ち込んでいる。小規模な都市では、ここ最近、初心者向けモデルの人気が高まっているが、こうして急速に変化する需要に、フォードは追いついていないという。

 フォードは中国で自動車のネット販売に乗り出すとともに、Tモールが持つビッグデータを活用することで、現状の打開を図ると、事情に詳しい関係者は話している。


中国IT大手、世界時価総額ランキングでトップ5に

 中国では近年、ネット関連企業の成長が著しい。今年11月には、同国のインターネットサービス大手、テンセントホールディングス(騰訊控股)の時価総額が、米フェイスブックのそれを抜き、同社は世界の時価総額ランキングで、米アップル、米アルファベット(グーグル)、米マイクロソフト、米アマゾン・ドットコムに次ぐ、第5位に浮上した。

 米国のIT大手は、その巨大なパワーで既存ビジネスを飲み込み、今も成長を続けているが、中国のIT大手は、それを上回る凄まじい勢いで伸びている。競争激しい自動車市場でフォードは、中国大手と手を組み、急成長が期待される同国市場に注力していくようだ。

 ドイツの調査会社、スタティスタのレポートによると、中国における、消費者向けネットビジネス市場(eコマース、オンライン旅行サービス、デジタルコンテンツなど)の売上規模は、今年、米国のそれと肩を並べ、2018年には米国を上回る見通し。スタティスタが予測する2018年における中国の売上高は、7650億ドル(約86兆円)。これに対し、米国は6980億ドル(約79兆円)になると、スタティスタは予測している。

 なお、これらのビジネスを手がける中国IT大手には、前述したアリババやテンセントのほかに、検索大手のバイドゥ(百度)、スマートフォンなどの通信機器を手がけるファーウェイ(華為技術)などがある。

筆者:小久保 重信

JBpress

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