相鉄・JR直通線、乗ってわかった「プラスの影響」 ラッシュ時も意外と快適、さらに...

12月10日(火)7時0分 J-CASTニュース

朝8時台の羽沢横浜国大。車内もホームも首都圏のラッシュとは思えない

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2019年11月30日に相鉄・JR直通線が開業し、神奈川県の大手私鉄の相鉄(相模鉄道)の沿線と東京を直結する新たな鉄道ルートが開通した。従来横浜と神奈川県内の海老名市・大和市方面を往復するだけだった相鉄の列車が、乗り換えなしでJRの渋谷・新宿へ直通している。

開業から1週間あまりが経過し、新線開業のフィーバーも落ち着いた今はどのような様子になっているか、横浜から東京へ実際に直通線に乗車して実態を取材した。




本数僅少も、混雑はストレスフリー



横浜市西部・旭区に位置する、通勤通学ラッシュのピークの相鉄二俣川駅から取材を開始した。ラッシュ真っ盛りの相鉄線だが、JR埼京線に直通する8時10分発赤羽行き特急はしかし、従来の相鉄線のターミナル・横浜方面の列車に比べると空いている。JR直通列車の本数も10数分間隔と少ない。


この特急は二俣川で先に到着している通勤特急横浜行きと接続を行う。赤羽行きが到着すると、横浜行きへ少なくない乗客が乗り換え、その数は赤羽行きに乗り込む乗客より明らかに少ない。JRへの直通開始後も横浜への需要が圧倒的に多いことを示唆している。


相鉄横浜方面とJR直通線の分岐駅の西谷でも、二俣川と同じ現象が起こる。各駅停車横浜行きと赤羽行きの間で乗客の入れ替わりがあったが、横浜行きの方が依然高い混雑率だった。記者の見たところでは、横浜方面列車が「立ち客の身体が触れ合う」150〜180%程度の乗車に対し、直通線の列車は座席が埋まり、若干の立ち客が出る程度、100%前後の混雑率を見せている。朝8時台に東京に向かう路線としては、快適な部類に入るのは確かだ。




ラッシュでも「秘境駅」のワケは...



赤羽行き特急は西谷を発車すると約3分後、新たに開業した羽沢横浜国大に8時19分に到着する。開業当日には多くの人でにぎわった同駅だが、朝8時台というラッシュのピークにもかかわらず乗降客はまばらで、とてもラッシュ時とは思えないくらい静かである。開業前に公表された時刻表を見ると横浜市内としては異例の本数の少なさだったが、それで需要が不足していることはない。


駅舎の目の前には環状2号線を多くの車が走り、住宅もそれなりに点在しているがこのような利用状況になったのは、まさしく同駅が「都心直通」のために開業したことと、西谷との距離の近さが原因だろう。


11月30日の開業まで、この周辺から東京方面への交通機関は皆無で、東京へ通勤・通学する人口もかなり少なかったと考えられる。また横浜方面へ向かう人であれば、西谷・上星川などの相鉄本線の駅の方が本数で圧倒的に便利である。ゆえに、都心直通のベッドタウンとしての開発はまさしくゼロからのスタート、という状況だ。


一方で、12月の寒さでは「待合室」の不在がこたえた。赤羽行き(8時19分発)の次の新宿行き(8時37分発)を待ったが、駅は掘割でホームはじかに外気にさらされる。1時間に列車が2本しかない時間帯もある駅で外気にさらされるのは酷と言わざるを得ない。




JRユーザーには「お得列車」か



直通線開業で、相鉄からの列車を受け入れるJR線側では通勤ラッシュに「乗り得」な列車が現れるようになった。前述のように100%前後の混雑率なので、直通線とJRが合流する武蔵小杉から新宿方面へは、既存の湘南新宿ラインの列車とは明らかに混雑率に差がある。直通の新宿行きは武蔵小杉に到着すると立ち客は増えたが、混雑率は反対側の窓から景色が見える程度で立ち客が触れ合うこともない。対して、湘南新宿ラインや横須賀線の上り列車は武蔵小杉発車時点で目測で「身体が触れ合い、相当圧迫感がある」200%程度とみられる。これでも横浜駅で相鉄からJRに乗り換えていた層が直通線に転移した後であり、湘南新宿ラインと横須賀線のラッシュの厳しさを実感させられる。


以後西大井・大崎・恵比寿と停車するたびに乗客は減り、渋谷到着時点で既に車内はガラガラ。直通線の需要は相鉄沿線から川崎・東京南部に散っていることを暗示している様子である。


相鉄・JR直通線は本数こそ少ないものの、相鉄沿線から東京南部への旅客と、横浜〜新宿間の湘南新宿ラインの旅客には混雑緩和という着実な恩恵をもたらしている。輸送量だけで見ると相鉄本線・湘南新宿ラインという従来のメインルートからは外れているが、その分「穴場」として快適な使い方ができている。大々的にアピールされていた相鉄沿線のみならず、東京で鉄道を使う人にもプラスの影響が表れつつあった。


ただ、直通線・埼京線・湘南新宿ライン・横須賀線が関係する過密ダイヤゆえに列車が遅延しやすいのがネックで、取材日も上下線で数分の遅れが発生していた。今後、JR東日本の運行管理能力が問われるのもまた確かである。



(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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