冬のボーナスの使い方で一目瞭然…「お金を増やせる人」と「失うだけの人」の決定的な違い

2024年12月10日(火)6時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Panuwat Dangsungnoen

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ボーナスを何に使うか、楽しみにしている人は多いだろう。社員教育コンサルタントの朝倉千恵子さんは「普段なら手が届かない高額なものを買ってしまう人もいるかもしれないが、こうした衝動買いでは一時的な満足感しか得られない。一方、賢い人は支払った金額以上のリターンを受け取ることができる」という——。
写真=iStock.com/Panuwat Dangsungnoen
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■「気づけばなくなっていた」使い方は危険


39万5647円。これは2023年の冬のボーナスの平均金額(※)です。近年、この平均支給額は増加傾向にあり、2024年は40万円を超えるのではないかという予測も出ています。冬のボーナスは会社員にとって年末の大きな楽しみの1つですね。


※厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等


さて、あなたは今回のボーナスをどのように使いますか? 12月はお店も企業も本気です。激しい年末商戦の中、街のキラキラとした雰囲気に浮かれているうちに、気づけば予算を大幅にオーバーした買い物をしてしまったことが私にも一度や二度……いや、何度もあります。


大きなお金を手にすると、つい気が大きくなって衝動買いをしてしまうこともあります。あるいは、普段よりもちょっといいレストランに行って楽しむこともあるでしょう。ボーナスをどのように使おうが、何を買おうがあなたの自由です。ただ、一つだけ覚えておいてほしいのが「気づけばなくなっていた」というような使い方をしてはいけない、ということです。


■衝動買いでは、あなたの人生は満たされない


「買い物」は、その行為自体がストレス発散の手段になります。自分のためのものではなかったとしてもたくさん買い物をした日はなんだか満たされた気持ちになりますよね。イライラしているときに、Amazonで特に欲しくもないものを夜中に買ってしまった人も多いのではないでしょうか。


特にボーナスを受け取ったばかりのこの時期は気持ちも大きくなっていて、普段であれば躊躇するような高い買い物もよく考えずに決断してしまうこともあります。


しかし、こうした衝動買いやストレス発散のための買い物で得られるのは、一時的な満足感だけ。その効果は長続きしません。むしろ、時間が経ってから「なんであんなものを買ったんだろう?」と後悔することのほうが多いかもしれません。


■外的報酬の満足感は長続きしない


なぜ、幸せ感が続かないのか? その理由を理解するカギは「外的報酬」と「内的報酬」の違いにあります。


外的報酬とは、モノやお金などの物質的なものや、他者からの評価といった外から与えられる報酬です。満足感を得られ、モチベーションが上がるものの、その効果は一時的で時間の経過とともに薄れていきます。


一方の内的報酬とは、達成感や自分自身が成長しているという実感など、自分の内側から湧き出てくる満足感を指します。外からの評価に左右されず、長期間にわたって自信や幸福感をもたらしてくれます。


衝動買いはまさに前者の「外的報酬」にあたる、というわけです。


写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maruco

■生きたお金の使い方とは「投資」


「できる人」と「そうではない人」をあえて分けるとすれば、その決定的な違いの1つが「お金の使い方」にあると私は確信しています。


1万円札の原価は約22円。どれだけ1万円札を有難がったところで、「もの」としてのお札にはさほど価値はありません。お金は使ってはじめて、その真価を発揮します。お金はうまく使えば人生に豊かさをもたらしてくれます。一方で、使い方を間違えれば、不幸の源にもなってしまうものです。


書籍でもSNSでも、「お金の稼ぎ方」や「楽してお金を手に入れる方法」といった情報はたくさん発信しているのに、実はもっと大切なお金の使い方について教えている人は、とても少ないのです。なぜならば、情報を受け取る大半の人が、お金さえあればうまくいくと考え、お金を得る方法ばかりを求めているからです。


結果的に、生きたお金の使い方ができる賢い人とそうでない人では、差がどんどん開いていきます。


生きたお金の使い方とは、わかりやすく言えば「投資」です。賢い人は、支出の中の「投資」の割合が高いのです。良い投資をすれば支払った金額以上のリターンを受け取ることができるため、どんどん豊かになっていきます。


反対に、お金の使い方に無頓着な人は、消費(生活するために必要な出費)や、浪費(衝動買いやギャンブルなどの無駄づかい)が多くなります。


■家を買えるほど高額を使っても後悔しない


「投資ということは、最近流行りの積立NISAとか?」と思われた方もいると思いますが、株取引や投資信託といった一般的なイメージの「(金融)投資」だけでなく、スキルアップのための自己投資や、部下にご馳走をするなど、投じたお金以上の価値を(将来的に)得られる可能性があるお金の使い方であれば、すべて「投資」と言えます。


中でも、自分自身に対する投資は得られるリターンも大きいということを、私は経験則から確信しています。私自身もこれまでさまざまな学びに、それこそ家が買えるほど投資をしてきましたが、「元は取れている」と断言できます。学びやスキルアップのために自己投資を惜しまない人は、数年後に稼げる金額の桁が変わります。


「できる人」は冬のボーナスを散財ではなく、自分の未来のために自己投資するのです。


■ジムや旅行は自分自身へのプレゼント


自己投資という言葉を聞くと、「難しそう」「自分には関係ない」と感じる方もいるかもしれません。でも、自己投資は決して特別なことではありません。それは、自分の未来をより素晴らしいものにするために、自分自身へ贈るプレゼントのようなものです。そう考えると、少しワクワクしてきませんか?


例えば、自己投資には次のようなものがあります。


●スキルアップや資格取得のためにセミナーに参加する

最も仕事の成果に直結しやすいのがスキルアップのための勉強です。知識やスキルは目に見えない財産となります。


●自己啓発書や専門書を買って読む

知識は武器になります。好きな著者の本だけでなく、これまでは手を伸ばしたことがない分野の本にチャレンジしてみるのも人生の視野を広げることに繋がります。


●健康やスタイル維持のためにジムに通う

身体が健康であることは、すべての成功の土台となります。身体を動かしたり、栄養バランスのある食事をとることも大切な自己投資の一つです。


●新しい経験を得るために旅行に行く

新しい経験や出会いは、自分の考え方や視野を大きく広げてくれ、未来の選択肢を広げてくれます。


■ブランドバッグも目的次第で自己投資に


中でも最も価値が高いと私が考えているのが「学び」への投資です。学びによって得られる知識やスキルは、使えば使うほど自分の中に蓄積されていき、年齢を重ねるごとに衰えるどころか、価値が増していく財産のようなものです。


たとえば、新しい知識を得ることで視野が広がり、経験を通じてそれが磨かれると、若い頃には思いもよらなかった結果が生まれることもあります。


また、全く同じ買い物をしてもそれが「浪費」になることもあれば、「自己投資」になることもあるということは、とても大事なポイントです。重要なのは、その買い物がどのような意識や目的に基づいて行われたかという点です。それによって、モノは同じでも、価値が全く異なることになります。


例えば、高価なブランドバッグを買ったとしましょう。それがストレス発散のための買い物であれば浪費に終わってしまうかもしれません。しかし「仕事で良い印象を与えるため」や「自信を持って大事な場面に臨むため」といった明確な目的を持って購入したバッグであれば、立派な自己投資になります。


写真=iStock.com/AndreaAstes
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AndreaAstes

■ボーナスを使う時に自問すべき3つの質問


こうした目的意識を持った買い物を積み重ねていくことで、自分自身がアップグレードされていく感覚が味わえるようになります。


背伸びをして買った高級バッグも、そのバッグを実際に持つことで「私、こんな素敵なバッグを持って仕事を頑張ってる!」という自信が湧いてきて、自然と堂々とした態度や行動がとれるようになります。買い物に対してポジティブな意味づけを重ねることで、セルフイメージが変わり、日々の行動まで変わってくるのです。


今回のボーナスで買おうかどうしようか迷っているものがあるなら、ご自身に次の3つの質問を投げかけてみてください。


①「このお金を使った時、1年後の自分はどう変わっている?」
②「この支出は、目標に向かう手助けになっている?」
③「今の私が、これを買う理由はなに?」

この3つの質問を使えば、衝動買いを防ぐだけでなく、自分に自信を与える選択ができるようになります。同じお金を使うなら、未来の自分が感謝するような買い物をしてみませんか?」


■お金だけではなく、時間も投資する


ここまで冬のボーナスという「お金」をどう使うかを考えてきましたが、もう1つ私たちには使い方を考えなければいけない大切な資源があります。それは「時間」です。時間もお金と同様に、どのように使うか次第で、その価値が大きく変わります。


お金は稼ぐことで増やすことができますが、時間は誰にとっても1日24時間だけ。そう考えると、時間はお金以上に使い方に気を配らなければいけないものかもしれません。


まずは、自分自身の時間の使い方を見直してみることから始めてみましょう。仕事の時間以外にも、寝る時間や食事の時間、通勤時間など、必要な時間がありますが、それ以外の「自由に使える時間」をどう使っているでしょうか?


なんとなくSNSを見たり、気づけばテレビを流し見していたりする時間が多いと感じる人は、時間の浪費になっているかもしれません。その一部でも、未来の自分のために投資してみませんか?


■未来の自分は今の自分の積み重ね


その上で、今の自分は未来のためにどれだけの時間を費やせているのかを振り返ってみてください。たとえば、「この1年間でどれだけ新しいことを学ぶ時間を持っただろう?」「自分の目標に向けた行動にどれくらいの時間を費やせただろう?」と考えてみると、意外とその時間が少なかったと驚くこともあるかもしれません。


今の自分は、過去の自分の積み重ねでできています。そして、未来の自分は今、そしてこれからの自分の積み重ねの先にあります。今の時間の使い方次第で、未来の自分の姿はどんどん変わっていきます。


この年末年始、ぜひ一度、自分自身の時間の使い方をじっくり考え、未来をより豊かにするための一歩を踏み出してみてください。


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朝倉 千恵子(あさくら・ちえこ)
新規開拓社長/「トップセールスレディ育成塾」主宰
1962年大阪生まれ。小学校教師、税理士事務所、証券ファイナンス会社などの勤務を経て、人材育成の企業に営業職として入社。営業未経験ながら、礼儀礼節を徹底した営業スタイルを確立し、3年で売上NO1、トップセールス賞を受賞。その後、自身の営業ノウハウを広く伝えるべく独立。2004年6月、株式会社新規開拓設立、同代表取締役に就任。女性の真の自立支援、社会的地位の向上を目指した、「トップセールスレディ育成塾」を主宰。開講から20年経ち、卒業生は延べ3800名を超える。これまでに著作は41冊(累計約48万部)刊行され、近著に『運を整える。』(内外出版社)がある。
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(新規開拓社長/「トップセールスレディ育成塾」主宰 朝倉 千恵子)

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