この世にないものを生み出す 「夢の研究所」をつくりたい!

12月15日(土)6時0分 ダイヤモンドオンライン

鉄工所なのに、「量産ものはやらない」「ルーティン作業はやらない」「職人はつくらない」!

なのに、ここ10年、売上、社員数、取引社数、すべて右肩上がり。

そんな会社をご存じだろうか?

その名は、「HILLTOP株式会社」。京都府宇治市に本社がある。

今、この会社に、全国から入社希望者が殺到しているという。

その謎を解きに、記者は現地に飛んだ。

京都駅から近鉄・大久保駅で下車。タクシーで本社まで約5分。車を降り、本社を見上げた瞬間、度肝を抜かれた。

「ぴ、ピンク?こんな社屋、見たことない!」

とても鉄工所に思えない。

以前は、油まみれの“見るも無残な”鉄工所だったが、今や、宇宙・ロボット、医療・バイオの部品まで手がける「24時間無人加工の夢工場」へ変身。取引先はディズニー、NASAから一部上場のスーパーゼネコンまで今年度末に3000社超。社員食堂・浴室・筋トレルームがあり、「利益率20%を超えるIT鉄工所」とテレビで紹介され、年間2000人超が本社見学に訪れるという。

そして、最も注目されているのは、山本昌作代表取締役副社長の生産性追求と監視・管理型の指導を徹底排除した「人材育成」。「ものづくりの前に人づくり」「利益より人の成長を追いかける」「社員のモチベーションが自動的に上がる5%理論」を実践。入社半年の社員でも、ディズニーやNASAのプログラムが組めるしくみや、新しいこと・面白いことにチャレンジできる風土で、やる気あふれる社員が続出。

しかも、この経営者、鉄工所の火事で瀕死の大やけどを負い、1ヵ月間意識を喪失。3度の臨死体験。売上の8割の大量生産を捨て、味噌も買えない極貧生活をしたというから、まさに、個人も会社もどん底からのV字回復だ。

この20年、数々のカリスマ経営者を取材し続けてきた記者も、こんな面白い会社は見たことがない。

今回、7月19日に、初の著書『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』を刊行したばかりの山本昌作氏を直撃。人が採れない時代に、なぜ、京都の鉄工所が世界最先端のVIP企業から重宝され、日本中、いや世界中から入社希望者と見学者が殺到しているのか?

社員がイキイキ働きながら、がっちり儲かっている秘密を、HILLTOPの山本昌作副社長に語っていただこう。

(構成:寺田庸二)


小学6年生の頃の夢


 京都の伏見に「伏見工芸」という小さな染色工場がありました。

 山本精工がそうだったように、創業当初はとても小さな町工場で、社長はいつも、油にまみれながら働いていました。


 私が久しぶりに「伏見工芸」を訪れたときのことです。


 驚いたことに、小さな工場は、4階建の立派な本社ビルに建て替わっていました。

 最上階にある社長室には、上質な服を着て、身なりの整った社長がいらっしゃいました。


 私が一番驚いたのは、その社長が、社員から「先生」と呼ばれていたことです。


 社長は、自分のスキルを高めるために、愚直に、誠実に、熱心に勉強を続け、その結果、「先生」と呼ばれるほどの知見と、実績と、尊敬を手にしていたのです。


 大学教員が「先生」と呼ばれるのも、論文や研究といった「知的労働」に携わっているからです。

 仮に社長が、「お金儲け」を優先し、単純作業やルーティン作業に時間を割いていたら、「先生」とは呼ばれなかったでしょう。


 当時はまだ、山本精工は「自動車部品の下請工場」でした。

 社長との面会を終えた後、私は燻(くすぶ)り続けました。


「自分も、ああいう生き方がしたい。

 このままルーティンの仕事だけをしていたら、自分は何も残せずに終わってしまうだろう。


 シャツからパンツまで油だらけになる仕事は、もうイヤだ」


 その後、売上の8割を占めていた自動車部品の下請をやめ、単品生産にシフトした私が目指したのは、「白衣を着て働く工場」でした。


 油まみれの「職人」が働く工場ではなく、白衣を着た「先生」が働く。

 単純作業ではなく、「知的作業」を楽しめる。

 そんな工場をつくるのが、私の夢でした。





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