消費税増税の影響は想定以上か 自動車販売台数が回復しても長期伸び率は減少?

12月16日(月)12時49分 財経新聞

 日本国内の自動車の販売実績は2019年10月、11月と2カ月連続2ケタの減少となった。台風被害や新車効果など、その時々の社会情勢あるいはメーカーごとの事情はあるのだが、消費税増税直前の駆け込み需要を勘案しても、それを上回る下げ幅で落ち込みがひどいようだ。「消費税を撤回すべきだ!」との声もあがっている。

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 9月の総販売台数が前年同月比12.9%増と駆け込み需要が顕在化していたのだが、10月の新車販売、総台数は同24.9%減の31万4784台となり、下げ幅は多くの専門家の予測を上回った。メーカー別に見てもっとも落ち込み幅が小さかったマツダでさえ、同10.5%減と2ケタ減となった。マツダはマツダ3、CX-30と新車を抱えていたにもかかわらず、大幅な減収となっている。

 11月になっても総台数は同12.7%減の38万5859台と、10月に引き続き2カ月続けてマイナスを記録している。「カローラ」、「ライズ」など新モデル効果があるトヨタは同7.8%減と比較的落ち込みが少なかったものの、他の国産乗用車ブランドでは2ケタ減となったものが多数だ。レクサスが同20.6%増、コンパクトSUV「ロッキー」でダイハツが2.2倍と健闘したが、他のブランドは軒並みマイナスとなった。

 経済専門家、日本政府などが想定していたよりも大きな落ち込みとなったことは、消費税増税政策そのものの誤りとみる専門家もいる。消費税は商品に課税するもので、貿易摩擦で関税を上げるのと同様に消費を冷え込ませてしまうのは当然だ。落ち込みは回復するであろうが、それ以降の平均した伸び率が下がることは知られている。この先は「0.2%」の伸びと試算している専門家もいる。

 消費税は、国民に「広く浅く」税金を徴収するもので、「累進課税の要素は後退」してしまっている。「消費税」制定前には「物品税」といったシステムがあった。これは「贅沢品には課税する」と言った趣旨であり、「高額所得者から徴収する」とする「累進課税」の考え方がある。つまり、収入が多ければ「高額納税」となり、低所得者からは「低額徴収」とするシステムだ。

 政府がこうした「累進課税」の考え方を廃止する方向にしているのは、「高額所得者が投資意欲を無くさないように」配慮する考え方だ。しかしこれでは、「格差」を拡大させてしまい、市場全体の経済活動を阻害してしまう。すると、「金持ちもろとも」経済そのものが成り立たなくなるのだ。

 そこで「消費税」を廃止し、再度「物品税」にすることで、持続できる消費市場にするという考え方もあるようだ。マレーシアで行われた税制改正はこの方向性で、高度な消費活動を復活させている。

 元来、資本主義経済は基本的に格差を拡大しなければ維持できないシステムであり、グローバル化が進んでいくことで、「新資本主義」と呼ばれる方向でないと維持できない。しかし、アフリカが開発されていけばいずれは新興国がなくなり、世界経済は飽和状態となってしまう。これから半世紀の内に「資本主義」に代わる「新経済システム」を考え出さないと、世界は困窮と混乱になるものと見える。つまり、世界的戦争もあり得る状態となることだ。

 「地球温暖化が先か?」、「資本主義の崩壊が先か?」と言ったところである。さて、人類の知恵はどれほどのものであろうか。

財経新聞

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