アップル、頼みの綱のインドで今も苦戦

12月20日(木)6時0分 JBpress

米アップルのロゴ。フランスのベルトゥで(2016年12月28日撮影)。(c)AFP/LOIC VENANCE〔AFPBB News〕

 スマートフォンの販売が世界的に頭打ちになる中、13億人の人口を抱えるインドは、普及率が24%と低い反面、成長率が最も高い市場である。そうした魅力的な市場を狙って、多くのメーカーが、販売に力を入れているが、アップルは依然、同国で苦戦している。


インド向け出荷台数4割減、シェアは1%

 香港のカウンターポイント・テクノロジー・マーケットリサーチによると、今年(2018年)6月時点のアップルのインドにおけるシェアはわずか1%。メーカー別販売台数ランキングでは11位だった。

 アップルは昨年、インドで約300万台の「iPhone」を販売した。しかし、今年は6月末までの半年間で、100万台に満たなかった。今年のアップルのインドにおけるiPhoneの年間販売台数は、200万台を下回り、2015年の水準に逆戻りすると指摘されている。

(参考・関連記事)「アップル、インド戦略の失敗で計画見直し」

 シンガポールに本部を置く市場調査会社カナリスのレポートを引用している米ウォールストリート・ジャーナルの記事も同様に、アップルのインド市場における不振を伝えている。

 記事によると、今年のiPhoneのインド向け出荷台数は、昨年から40%減少した。アップルは先の決算発表で、9月末までの2018会計年度におけるインドの売上高が18億ドルになったことを明らかにした。しかし、この金額は、かつて同社の幹部らが目指していた半分にも満たないと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。


原因はアップルのビジネスモデルにあり?

 その要因は、大きく分けて2つあると、同紙は指摘している。

 1つは、アップルのビジネスモデルにあるという。同社は、さまざまな市場に向けた多様なモデルをつくるのではなく、できるだけ多く消費者が望むような高額な端末を少品種つくり、それを世界で販売するというメーカー。

 これに対し、ライバル企業は、現地の消費者の要望に合わせた多様な製品を、さまざまな価格帯で販売している。

 もう1つは、iPhoneの価格がインドでは高く、多くの人々にとって手が出せる商品ではないということ。

 米国の市場調査会社eマーケターによると、インドで販売されるスマートフォンの95%が500ドル以下。また、約75%が250ドル以下という。

 これに対し、今も同国で販売しているiPhoneの2016年モデル「iPhone 7」「iPhone SE」は、その平均的な価格が、それぞれ550ドルと250ドル。アップルが今年、市場投入した最新モデルの「XS」と「XR」は、最も価格が低い機種であっても富裕層以外は、買うことができないという。

 こうした中、シャオミ(小米科技)、オッポ(広東欧珀移動通信)、ビーボ(維沃移動通信)といった中国メーカーが続々インド市場に参入し、200ドル以下の端末でシェアを伸ばしている。


語らなくなったクックCEO

 アップルは昨年末、社内で高く評価されていたベテラン幹部のミシェル・クーロム氏をインド事業の責任者に任命した。その後、同氏指揮の下、地場小売業者に対する販売支援や、ブランド戦略の刷新、一部小売業者との関係見直しといった施策を講じてきた。

 しかし、アップルは来年1月に、同氏の後任として、フィンランド・ノキアの元幹部、アシシュ・チョウダリ氏を迎える予定だ。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はかつて、インド市場の可能性について語ることが多かったが、最近は同国に関する言及が、めっきり減った。同氏は今、ほぼ3カ月に一度の頻度で中国を訪れているが、インドへは2016年以来訪れていないという。

筆者:小久保 重信

JBpress

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