Apple新イヤフォン「AirPods Pro」 魅力的すぎるけど「これができない!」思わぬ欠点とは

12月27日(金)17時0分 文春オンライン

 今秋、突如として発表されたAppleの完全ワイヤレスイヤフォン 「AirPods Pro」 。従来のAirPodsとは異なるカナル型(密閉型)を採用し、強力なノイズキャンセリングを搭載したこの製品は、実売3万円強と決して安くない価格にも関わらず、今もなお入荷まで1ヶ月待ちという人気が続いています。


 オープン型(開放型)のAirPodsがいまいち合わず、長らく他社のカナル型を使っていた筆者も、12月に入ってこの「AirPods Pro」をようやく入手できました。今回は従来のAirPodsや、ほかのカナル型製品との違いを中心に、本製品のよいところ、そうでないところをチェックしていきます。



「AirPods Pro」。従来モデルと異なりカナル型を採用していることが特徴です。右はiPhone 11 Pro Max


耳から脱落しにくい形に改良! 装着時の圧迫感も少なめに


 本製品の外観は従来と同じく、ボディから細長い棒が伸びる、俗に「うどん」などと称される形状を踏襲していますが、そのスティック部は、従来よりかなり短くなっています。このスティック部は再生や一時停止、前の曲や次の曲へ移動するための操作インターフェイスになっており、両サイドからつまんで操作します。



 さて、本製品が従来のAirPodsと最も異なるのは、耳の穴にすっぽりとはまる、カナル型の構造を採用していることです。従来のAirPodsは、耳に引っ掛けるだけのオープン型と呼ばれる構造で、圧迫感こそないものの、耳の形状によっては簡単に落下してしまう欠点がありました。




 これは耳の形状にも依存しているようで、筆者の場合は左耳は問題なく、右耳だけは頻繁に落下するなど、左右で大きな違いがありました。この落下しやすい耳の形状の持ち主は決して少なくないようで、そのせいかAirPodsの評価は、筆者が知る限り完全に二分されていた印象があります。



 しかし本製品は、カナル型の採用で耳にぴったりフィットする構造になっており、立ったり座ったりはもちろん、多少走ったり、またそのままベッドに横になっても、脱落することはありません。他社のカナル型と同等と言ってしまえばそれまでなのですが、従来のAirPodsとはまったく違った装用感です。



 ちなみに他社のカナル型完全ワイヤレスイヤフォンは、一時停止やスキップなどの操作を行う際、内側に向かって押し込むように操作することが多く、耳の奥にイヤーピースが入り込んでいく格好になり、圧迫感を感じることもしばしばでした。しかし本製品は、耳の外に飛び出たスティック部をつまんで操作するため、そうした問題もありません。





自在にオン・オフできる「ノイズキャンセリング機能」が秀逸


 そして、カナル型ゆえの高いフィット感によって実現しているのが、強力なノイズキャンセリング機能です。


 イヤフォンを使う場合、騒々しい場所や集中したい環境では高い遮音性能が望ましい一方、電話の着信や来客を待っている場合や、他の人から話し掛けられる可能性がある場合は、外部の音を完全にシャットアウトするのは考えものです。また街中で使う場合には、外部の音が聞こえないと、大きな事故につながる危険もあります。


 しかし本製品は、本体のスティック部を長押しすることで、ノイズキャンセリングの効果を自在に切り替えられます。室内では外部のノイズを打ち消して静寂をもたらしてくれる一方、解除することで装着したまま外部の音を取り入れることも可能になります。つまり、常時装着したままの状態で、あらゆるシーンに対応できるというわけです。装着したままレジでの買い物も問題なく行えます。




 また、Bluetoothデバイスにありがちな面倒なペアリング作業を必要とせず、iPhoneに近づけて充電器兼用ケースを開けるだけで認識され、利用可能になるという、AirPods譲りの使いやすさはそのまま継承しています。



 さらに耳から外すだけでセンサーによってそれを検知して再生を停止する機能や、ケースに収納すると自動的にオフになる機能など、iPhoneとの組み合わせではさすが純正品と思わせるだけのシームレスさを備えます。IPX4等級の耐水性能、ワイヤレス充電への対応など、細かいところにも抜かりはありません。




意外と困る「本体で音量調整ができない」問題


 このように多くの部分はベタ褒めなのですが、他社の完全ワイヤレスイヤホンには当たり前のように備わっていながら本製品にない、人によってはかなり致命的な機能もあります。それは本製品単体で音量の調整ができないことです。


 多くの完全ワイヤレスイヤフォンでは、音楽の再生や一時停止、次の曲や前の曲へのスキップ、音量調整といった一通りの操作を、本体側面を押すことで行えます。しかし本製品はこれら主要な操作のうち、音量を調整する機能だけがなく、スマホを使う必要があります。スマホをバックパックに入れたまま音楽を聴く人にとっては、かなり困りものです。


 音声アシスタントのSiriを呼び出して「音量を下げて」と指示する方法はあるのですが、電車の中などでの利用にふさわしくないのは明らかです。Apple Watchを使う方法もあるようですが、所有していなくては話になりません。長押しに割り当てられる機能の一つとして用意できなかったのだろうか、と考えさせられます。



 ちなみに本製品はiPhoneに限らず、Androidとの組み合わせでも、再生・一時停止やスキップなどの操作、ノイズキャンセリングのオンオフ、ケースに戻すと自動的にオフになるなどの機能がそのまま利用できます。しかしここでもやはり音量調整は行なえず、敢えてAndroidで使う場合も、そこが大きなネックになります。他社製品ではまず間違いなく対応しているだけになおさらです。



 耳へのフィット感の高さや強力なノイズキャンセリング機能、さらに従来に比べて音質も明らかに向上するなど、魅力十分のこのAirPods Pro、これから春先にかけて予算があれば真っ先に購入を検討したい製品なのですが、この「本体側では音量を調整できない」という特徴が自分の利用スタイルに合うかだけは、よく考えて結論を出したほうがよさそうです。




(山口 真弘)

文春オンライン

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