RPA単体では味わえない全体最適型DXが生む価値

12月27日(金)6時0分 JBpress

Kofax Japan株式会社 代表取締役社長 荒川勝也氏

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 米国発のIA(インテリジェント オートメーション)プラットフォーマーとして、これまで世界で2万5000社にソリューションを実行してきたKofax社が、いよいよ日本への注力を加速。すでに三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行など、厳しい選択眼を持つエクセレントカンパニーに支持され、ソリューション導入の実績を築いているが、ここへきてさまざまな業種の企業の注目も集めだした。そこで新たにKofax Japanの社長に就任した荒川勝也氏に、日本のDXの課題と、今後のビジョンについて話を聞いた


デジタル技術活用がデスクトップ改革でくすぶる現状

——デジタル技術を業務変革につなげていくDXではさまざまなテクノロジーやツールに注目が集まっていますが、日本の現状についてどうお考えですか?

荒川勝也氏(以下、荒川) DXにはさまざまな側面がありますけれども、Kofaxが着目しているのは“これからの時代に相応しいマネジメントの在り方を実現する上でのデジタル活用”です。企業経営陣に迫られているのはチェンジマネジメント、つまり経営そのものを変革することであり、多様なビジネスプロセスの各局面において最適なテクノロジーを正しく活用していくことだと私たちは考えます。

——米国をはじめ、多くの国で導入実績を上げているKofax社のIAプラットフォームですが、日本ではまだまだ「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を試験的に導入」という段階の企業も少なくありませんね。

荒川 例えばRPAは、デジタル技術を駆使することで繰り返しの多い定型的作業を容易に自動化する優れたツールですが、これだけを単発的に特定部署が採り入れるだけでは、その企業全体のビジネスプロセスを最適化することにはつながりません。

 これからの経営はヒトとロボットとソフトウエア、さらには得意領域やカルチャーの異なるパートナー企業のヒトやテクノロジーなどが協働していく営みをマネジメントし、複雑多様なプロセスを臨機応変かつ効率的に自動化しながら成果に結びつけていかなければいけません。そのためには企業が持つ知的リソースをオートメーション化していく包括的なプラットフォームが不可欠です。

——KofaxのIAプラットフォームには複合的な機能が共存しているようですが、RPA以外にどのような技術が用いられているのでしょう?

荒川 KofaxではRPA単体によるソリューションも提供しているのですが、例えば単体で利用する場合の効果は、「作業が自動化され、スピードアップする」程度に限られます。エンタープライズクラスの大企業でトランスフォーメーションやイノベーションと呼べるような大きな成果につながらないのは、技術に問題があるからではなく、採り入れ方やそもそもの目的に問題があるからだと私は捉えています。

 IAプラットフォームにはRPAはもちろん、例えばプロセス・オーケストレーションという機能があります。分かりやすく言えば、ヒト、プロセス、データが関わる複数のワークフローをオーケストレーションしていく役割を果たします。

 また、コグニティブ・キャプチャという機能は、企業が持つあらゆるチャネルおよびフォーマットのドキュメントと非構造化データを含むすべてのデータを読み込むことが可能です。つまり、企業が保有するインテリジェンスのほぼ全てを解析可能にするわけです。

 こうした複数の機能を同一プラットフォーム上でシームレスに連携することで、経営で求められるあらゆる要望に対応できる構造になっています。


問われるのはマネジメント層の強い決意とDXに対する正しい理解

——これまで日本でもERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)やEAI(エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)あるいはSOA(サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ)といった技術やソリューションを導入する潮流は起こりましたが、その根本にあるBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)の発想は根付かなかったと言われています。どうお考えですか?

荒川 私自身、これまで外資系コンサルティングファームやグローバルIT企業に従事していましたので、日本企業の経営スタイルが欧米のそれとは異なることは実感してきました。

 もちろん日本企業ならではのマネジメントの良さも熟知しているつもりですが、すでにビジネスの領域ではグローバルであることが当たり前になろうとしています。「日本企業にはグローバル流儀のBPMは根付かないものなのだ」と言っている場合ではないはずです。

 また私が知る限り、多くの日本企業ではボトムアップの姿勢でマネジメントソリューションやITシステムの導入内容が決まっていきますけれども、そうなると包括的な経営戦略に基づいたダイナミックな変化はどうしても起こりにくくなります。部分的に新しい技術を小規模に採り入れてみるだけであったり、特定の部門だけが独自のツールを導入していったり、という繰り返しが日本企業のITシステムをパッチワーク状態にした原因の1つとも言えます。

 ですから、DXという時代の波を有効に活用して経営そのものを刷新しようというのであれば、「どのソリューションを選択するか」という以前の問題として、強烈なリーダーシップに基づくトップダウンによるマネジメントプロセス変革が必要だと考えています。

——世界のトップティア銀行10行の内8行までがKofaxのソリューションを導入していますし、日本でもKofaxのIAプラットフォームを導入した企業の多くが三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行をはじめとする金融機関ということですが、特別な理由はあるのでしょうか?

荒川 日本における現状の実績が大手金融機関に集中している理由の1つには、Kofaxがグローバルにおいてシティバンクをはじめトップ金融機関で実績を築いており、この領域でのノウハウや知見を蓄積していた点があります。

 しかし、もう1つの理由は、日本の大手金融機関が他の産業よりもいち早く、危機意識を持ちながらグローバルスタンダードなマネジメントのDXを強く希望されていたからではないかと私は捉えています。グローバルレベルでのマネジメントの全体最適を考えた結果として当社のプラットフォームを選択していただいたのだと考えています。


金融機関以外のトップたちも深めはじめているDXへの理解

——今後は日本においても製造業や流通業など、金融以外の産業にもIAプラットフォームを提案していくわけですね?

荒川 はい、すでに多様な業種の大企業や成長企業から導入についてお問い合わせをいただいています。私としてはそうした動きの中においても、先ほど申し上げたような共通点を感じているところです。つまり、トップ経営陣やマネジメント層の問題意識や危機感が強く、DXに対する理解度が非常に高いという点です。

「デジタルのことはよく分からない。現場に任せる」では勝負できない時代が来ていること、そしてグローバル戦略を進める上で共通のマネジメント基盤を持つことの重要性をリーダーの方々がきちんと分かっている。私たちとしてはグローバルでの実績と同じように、日本でもこうしたエクセレントカンパニーと呼ぶにふさわしいお客さまへの導入を通じて、IAプラットフォームを活用することの優位性を発信していきたいと思っています。

筆者:JBpress

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