天皇陛下元日の食事 小串鰤焼き、浅々大根、割伊勢海老など

1月1日(水)7時0分 NEWSポストセブン

 天皇が正月をどのように過ごされているか、一般国民はほとんど知らない。正月にはどのような物を召し上がっているのか紹介しよう。


 元日の9時30分に「晴の御膳」という行事がある。「晴の御膳」は一説にはおせちのルーツともいわれるが、一般的なおせち料理とはまったく異なる。


 この儀式のために用意される膳はメニューが決まっていて、勝栗や干しナツメなどの木の実や果物、塩や酢などの調味料、鮎白干しなどからなる。ただし、天皇は皿に箸を立てるだけで、実際に召し上がることはない。かつては食すこともあったようだが、すでに後醍醐天皇の時代には「天皇が箸をならした」との記録があり、形式的な儀式となっている。


 では、実際に両陛下が元日の朝に召し上がるのは何かというと、「御祝先付の御膳」と呼ばれる料理だ。


 宮内庁元大膳課職員によると、膳の内容は毎年同じだという。本膳で、小串鰤焼き、浅々大根、そして菱葩(ひしはなびら)というお餅。二の膳で、割伊勢海老、福目煮勝栗、そして、キジの胸肉を焼いて熱燗を注いだ雉酒である。


「特徴的なのは菱葩で、直径が15センチほどの薄い円形の餅の上に小豆色の菱餅をあぶって重ね、その上に砂糖煮のゴボウと甘練りした白味噌をのせて餅を二つ折りにしたものです。これを美濃紙で包んで膳に載せています」(元職員)


 ご夕食には日本の伝統的な慶事の食膳「御祝御膳」を召し上がる。そのほかは我々が食べている正月料理に近いものになるという。


「正月にご家族がお揃いになられたときは、おせち料理に近い和食メニューを召し上がっておられます。黒豆、数の子、ごまめ、伊達巻、紅白かまぼこ、紅白なます、八つ頭の旨煮、昆布巻き、栗きんとんなど。三が日の間、夜は白味噌仕立ての丸餅が入ったお雑煮も召し上がられます」(同前)


 白味噌仕立てで丸餅というのは、関西風の雑煮である。明治維新で天皇が京都から東京に移って150年近く経つが、天皇家の雑煮はいまも関西風なのだ。



 元日の「祝賀の儀」に参加した参内者には、お酒と料理が振る舞われる。こちらはどんなメニューかというと、過去4回、祝賀の儀に出席した経験がある岸本周平衆院議員はこう語る。


「祝賀の儀を終えた私たちは、控えの間である豊明殿に通されます。そこのテーブルの上に、折詰のおせち料理と杯がおいてあります。


 しかし、そこで料理を食べる人はいません。お酒も一杯だけ。杯と折詰を白い布に包んで、お土産として持って帰るのです。折には鯛、数の子、栗きんとん、かまぼこ、ごまめ、黒豆などが詰められ、素朴な日本の伝統料理という風情。菱葩も入っていて、甘いお菓子のようでおいしかったですよ」


 その場で食べないのは、いわゆる「睨(にら)み鯛」という風習で、箸をつけると恥をかくことになる。


 意外と知られていないが、天皇家では毎年、年末に餅つき大会が行なわれている。これは現在の両陛下が、民間で行なわれている正月の風習や遊びをお子さま方に体験させたいと考え、取り入れられた行事である。


 宮内庁の職員と一緒に餅をつき、木の枝を数十本用意して餅花を作り、御所の部屋だけでなく、職員の宿舎にも飾り付けられる。


※週刊ポスト2014年1月1・10日号

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