10年後に出会う一打のために...多井隆晴が研究を続ける理由「麻雀の神様が100点だとしたら僕は5点」と思うから

1月2日(木)9時15分 AbemaTIMES

 研究者からアスリートまで、トップクラスで活躍する者に共通するのが、飽くなき探究心だ。急激には成長しないけれど、いずれ自分の血肉となる。明日の自分が今日の自分を越えるために努力を続けられるかどうかが、成功者とそうでない者を大きく分ける。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」のトップ選手、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)は「自分のことを否定して生きてきた」ことで強くなった。

 プロ麻雀界を知るファンからすれば、多井の名前を知らない者はいないほど。獲得したタイトル数は大小、数が知れない。7チーム、21選手で始まったMリーグにおいても、初年度に個人スコア1位に輝いたことで、「最速最強」の異名に偽りなしと、さらに示した。ところが自分の麻雀についての自己採点を聞くと70点、80点というようなものではなく、まるで別視点からの答えが出てきた。

 多井 僕は弱いと思っているんで。麻雀の神様が100点としたら、僕は5点ぐらい。人類全員がそんなもんじゃないですかね。5.1とか4.8とか、そのあたりで競っていて、その中で僕は最強クラスかもしれないですけど、まあ5点ですからね(笑)

 人と比べるどころか、見えない神と自分を比べた。その上で、麻雀をする人類を5点前後とした。実際、麻雀という競技は実力ではいかんともしがたい要素も多い。どれだけ研究を重ねたところで、「確率」という壁に阻まれ、長期リーグで勝率50%にも届かない。30%でも超優秀だ。プロにとって、平均順位が0.1上がるか下がるかが一大事。そんなわずかな差のために、多井は研究をやめない。プロだけでなくアマチュアの麻雀まで研究対象とし、自分にない思考・選択があれば取り入れる。「こいつ弱いなっていうものでも、もしかしたらこっちの方が正しいんじゃないかと、肯定して見るようにしています。それを受け入れるところから始まりましたね、僕のプロ人生は」と、麻雀に対しては恐ろしいほどに低姿勢だ。

 いくら研究しようとも、結果にリンクしないことの方が多いのが麻雀。でも、そんな努力が報われる一瞬がある。「10年前に勉強したものがちょっと活きたかなってくらいですけどね」。何十年と続けた努力・研究と同じ状況に、出くわすことが極稀にある。「たまにあるんですよ、あの時勉強していてよかったというのが。他の人が知らないことを僕はいっぱい知っていて、それでも研究したものが10年後に出てくればいい方ですよ」と、他人事のように笑った。覚えたものがすべて出てくるのであれば、まだやる気が保てるかもしれない。しかし多井がやっている研究は、10年後に報われればいい方で、生きているうちに遭遇しない場面の方が大多数。そういう類いのものだ。「それを毎日出来るかって話なんですけどね」。ただ、この積み重ねによって確実に強くなっている。その確信が明日の努力につながっている。

 今年で48歳。4度目の年男だ。「日々衰えているのは、わかるんですよ。これ覚えてないな、とか」と、必ず直面する老いとも戦っている。抜け落ちる知識は、さらなる研究で埋め直す。そうして「最速最強」を保ち続けている。今年はどんな手牌が自分の元にやってくるか。あの時学んだものが活かされるのか。報われた瞬間が訪れた時、多井はどういう表情を見せるだろう。

▶映像:多井隆晴、苦手の女性相手も克服!「顔を見ない」作戦が成功

▶中継:新春オールスター麻雀大会2020 1/2(木)19:00〜

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