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布袋寅泰、35周年のラストライブとなる日本武道館公演が大盛況

OKMusic1月2日(月)14時0分
画像:12月30日@日本武道館 (OKMusic)
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布袋寅泰が12月30日、35周年アニバーサリー・イヤーを締めくくるスペシャル・ライブ『【BEAT 8】Climax Emotions 〜35 Songs from 1981-2016〜』を日本武道館でおこなった。

感想を一言で述べるならば“奇跡の夜だった”。自身がメンバーだったバンド BOØWYやCOMPLEX時代を含む、現在までに発表した全楽曲の中から永遠のマスターピースである35曲を厳選し、自身のヒストリーを3時間半にわたって猛スピードで駆け抜けた驚異のライブ。通常のコンサートでいうところのラスト3曲の盛り上がりが、オープニング1曲目から7曲目まで続き、さらに18曲目から本編ラスト30曲目まで続くといえば、その凄さが伝わるだろうか? しかも、布袋の場合、疾走感ある骨太なビートチューンばかりが続くのだ。フルマラソン以上? とんでもない運動量だろう。まるでトライアスロンのような鉄人っぷりを発揮したステージだった。

なぜ、そこまで自分を追い込み、オーディエンスの期待を上回るロックンロールを追い求めるのか? その答えは本文後半、ライブ最後のMCまでとっておこう。

2016年には、パリ〜アムステルダム〜ベルリンを巡ったヨーロッパ・ツアー、初のロサンゼルス公演、3年ぶりのニューヨーク公演を成功させ、盟友であるイタリアのシンガー・ズッケロの英ロイヤル・アルバート・ホール公演でギタリストとして憧れの地に立つなど、海外の音楽ファンにもその名をアピールしてきた布袋。2017年、さらなるネクストな目標へ突き進むためのターニング・ポイントとなるが本公演だった。今晩で40回目という日本武道館では、開演前から熱いオーディエンスからの“布袋コール”が鳴り止まない。まさにClimax Emotions = “最高潮の感情”が、はやくも爆発寸前だ。

オープニングSE“ベートーヴェン交響曲第9番『歓喜の歌』ギター・ヴァージョン”とともにメンバーが登場。そのまま「SUPERSONIC GENERATION」(1998年)のハンマービートが鳴り響く。超音速のビートに乗って時空を越えていくデジタライズされた未来派ロックンロールの登場だ。続いて、会場がどよめきを隠せないイントロダクション「B. Blue」(1986年)が聴こえてきた。様々な記憶が蘇り、鳥肌がたつ瞬間だ。2016年春、BOØWY時代の盟友 氷室京介の最後のライブが東京ドームでおこなわれた。「B. Blue」がラストナンバーだったのだ。“乾いた風にかき消されて”という歌詞が、群馬時代を描いたヒストリカルな最新ビート・チューン「8 BEATのシルエット」(2016年)ともシンクロする。

ブリティッシュ・ロックの香り漂うロックンロール「RADIO! RADIO! RADIO!」(1991年)で会場はひとつに。さらにBOØWYセルフカバー「Bad Feeling」(1985年)から、COMPLEXセルフカバー「BE MY BABY」(1989年)へと続き、まったく勢いが止まらない。このままでは、35曲をやりきれるのかと心配になってくるほどに、最初からクライマックスな瞬間の連続だ。

イントロに耳を疑った、BOØWY傑作アルバム『JUST A HERO』(1986年)収録のダンサブルなロックチューン「Dancing In the pleasure land」(1986年)のセレクトに驚かされた。通路を挟んで隣にいた男子が“この1曲が聴けるだけで1万5千円払ってもいいゼ!”と熱量高めに叫んでいたのが微笑ましくも忘れられない。

35年分の感謝を布袋がMCで語る。「ハロー・トウキョウ!会いたかったぜ。ようこそ宇宙一のロックンロール・ショーへ!今日は35周年アニバーサリー・ファイナルですね。今年は【BEAT1】から2,3,4,5,6,7,8(※8つの異なるプロジェクト展開。その一つ一つに布袋の原点が込められていた)。様々な形態で、世界中いろんな人々と触れ合って自分の35周年を、身体で指先で確認する大切な年でした。いよいよファイナルのステージまできました。今日はきっと日本全国から日本武道館に集まってくれたと思います。ありがとう。言葉にならない思いを、音楽でみんなに伝えたい。そんな気持ちでステージに立っています。今日は宇宙一のジェットコースターをお互い楽しみましょう!」。

ダンサブルな「さよならアンディウォーホル」(1992年)。ライブならではの昂揚感で激しく煽りまくる「CAPTAIN ROCK」(1996年)など、究極のベスト選曲が続いていく。セットリストを見るだけで興奮が止まらない夢のような時間だ。「“35周年なんで35曲やるぞ!”と、誰に言われたわけでもなく自分で言ってしまったんですけど(苦笑)、途中でちょっと後悔もしました(苦笑)。なんといっても名古屋でしょ、神戸でしょ、今日で3日目ですから、3日間で105曲でしょ。まぁ40周年で40曲とか言わないようにします(苦笑)。」とユーモアを織り交ぜ、会場を和ませてくれる。

珠玉のバラード「You」(1991年)では、布袋のライブ史上初めてオーディエンスを座らせて披露。さらに、演劇的な深みあるパフォーマンスに魅了された深遠なるポップソング「ANGEL WALTZ」(1991年)が鳥肌モノだった。注目は、スイスのスタジオで偶然隣り合わせとなったデヴィッド・ボウイに“It's a nice song."と賞賛された「薔薇と雨」(1994年)のプレイだ。20年前の1996年、布袋は武道館でデヴィッド・ボウイと共演している。35年にわたって変化を恐れず多岐に渡ったクリエイティヴをおこなえたのはデヴィッド・ボウイの影響だろう。そんな彼も2016年、帰らぬ星となった。

物憂げなメロディーを奏でるギター・インスト「ハウリング」(2003年)。そして、MCで、はじめての武道館公演を回想しはじめた。「あの頃、僕らはまだまだ若くて。“ステージの上から飲み物やピックを投げてはいけない”と舞台監督に注意されてたんですけど、何をしくじったのか、俺は本番の時に興奮しちゃって、舞台から脱いだ靴を客席に投げてました(苦笑)。(武道館の方の配慮のおかげで)出入り禁止にはなりませんでしたが(苦笑)、その後も、ありがたく何度も何度もステージに立たせてもらってます。武道館は俺たちにとって夢のステージだし、いつも帰ってきても大きいし(客席との距離が)すごく近い。やっぱり俺にとってとても大切な場所だと思っています。40回と言わず50回、60回。どこまでいけるかわからないけども。ここに帰ってきたいなと思っているよ。」と話しながら、29年前のクリスマスの思い出やヒムロック話を織り交ぜ「Cloudy Heart」(1985年)をプレイ。イントロのギターアルペジオが、強烈なせつなさを誘う。

セットリスト半分(17曲目/35曲)が経過。折り返し地点へ到達と思いきや、早くもラストスパートへギアが入った。18曲目「UP SIDE DOWN」(1993年)からの本編ラスト30曲目へと一気に畳み掛けていく人気ロックンロール・チューンの超絶コンボがヤバい。

ツインギター対決が凄まじいハードロッキンな「Good Savage」(1990年)。途中デジタルハードコア的な展開に驚かされる“もう一度だけ鏡を見ろ お前は決して仕組まれた未来 ただ待つ為に生まれたんじゃない。迷った時はそのビートエモーション 心に誓い風上に立て”のフレーズが心に突き刺さる「Prisoner」(1991年)。最高潮な盛り上がりを見せた布袋アンセム「バンビーナ」(1999年)。歴史的大ヒットシングル「POISON」(1995年)&「スリル」(1995年)という並び。さらに超絶ギター・カッティングなソロパートに注目な「MERRY-GO-ROUND」(1991年)を挟んで、「Marionette」(1987年)&「恋をとめないで」(1989年)&「Dreamin'」(1985年)という夢の選曲が続いていく。

すべて120%マキシマムにエモーショナルなロックチューンばかり。常人ならプレイしきれない、ぜったいにセレクトしないであろう最強のプレイリストだと思う。それをやり遂げていく敏腕ぞろいの布袋バンドの凄み。そんな止まらない思いの強さが、本編ラスト・ナンバー「FLY INTO YOUR DREAM」(1991年)によって神々しくも浄化されていく。

アンコールにプレイされた、今年リリースした新曲「8 BEATのシルエット」(2016年)は、ギタリスト布袋寅泰の生き様が、ストーリーとして刻まれたナンバーだ。“風の街 夢を見つけた少年は"の歌い出しには14歳の頃の気持ちと、故郷高崎の風景が込められている。ライブ人気も高い人気チューンとして、この1年で確実に成長が感じられたナンバーだ。

「2016年はアムステルダム、パリ、ベルリンの小さなライブハウスから始まって、日本全国のライブハウスもまわって、ニューヨークもロサンゼルスでもやりました。東北のライブハウスもまわりました。フェスティバルで北海道にも行った。故郷の高崎で初めてのフリーライブもやった。なんと盛りだくさんで幸せな一年だったことでしょう。」と振り返る。

本文冒頭での疑問への答えを、布袋はこう回答する。「今年、今日のステージを入れて57回ステージに立ちました。岩手の釜石の100人ぐらいのライブハウスへも行きました。ヨーロッパでの活動もスタートしましたけど、35年前の(バンド時代の)スタートと一緒なんです。まだ200人のライブハウスがいっぱいにならず。しかし、必ず目の前のオーディエンスが次も来てくれるような、少しずつ一歩一歩前に進むことの苦しさと喜びを思いっきり体で味わうことができました。今年一年を通じて、自分自身に何をかしたかったといえば、ちょっと大げさな言い方かもしれないけど、“自分越え"。自分を越えることがテーマでした。年を重ねればこうやってステージを重ねることも大変になってきます。でもこうやってひとりひとりと向き合えることの喜び。そのためには、昨日の俺よりも1mmでも高く前に進みたいんです。いつも言ってますけど、“最新の布袋は最高の布袋"と思って欲しい。そんなアーティストになりたい。」そう宣言する。

さらに楽曲と重ね合わせて語り続ける。「またロンドンに帰ります。4月からは小さなヨーロッパのライブハウス・ツアーが決まりました。旅をしてきます。35周年の35曲、ラストはどの曲で締めくくろうかと思ったけど、やっぱりこの曲しかありません。歌詞の中に“きっといつの日か自分を越えられると"と、いま自分が言った言葉が込められています。俺は自分を越えたくて音楽をやってるんだな。自分を越えたくてギターと向き合っているんだな。この気持ちは40年経っても50年経っても忘れずに、この痛さをみんなにスウィートな音楽として感じてもらえるようなアーティストでいたいと思います。」

ダブル・アンコール、ラスト35曲目は布袋曰く“俺たちのテーマソング”「LONELY★WILD」(1992年)でしめくくられた。“きっといつの日か 愛の嵐に溺れ 戦った数年間を振り返れると信じて 生き抜いてやれ 昨日と明日の間 お前はLONELY WILD”のフレーズが心に溶けていく。

集大成ではない、通過点のアニバーサリーを体現した35年のヒストリーを35曲で駆け抜けたスペシャルな3時間半。猛スピードに回転しまくる4次元ジェットコースターのような宇宙一のロックンロール・ショーだった。この1年間、布袋は原点を見つめ直し螺旋階段上に“前へ"走り続けてきた。嘘のきかない、ブレのない自分自身との真剣勝負。それは、その先に何があるかを知りたいという好奇心に他ならない。さらなる未来へのチャレンジへと大きな期待を感じさせるスペシャルなステージだった。物語はここからまたはじまっていく。〜 to be continued.

Text by ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

【セットリスト】
1. SUPERSONIC GENERATION
2. B.Blue
3. RADIO! RADIO!RADIO!
4. Bad Feeling
5. BE MY BABY
6. Circus
7. Dancing In the pleasure land
8. さよならアンディウォーホル
9. CAPTAIN ROCK
10. 命は燃やし尽くすためのもの
11. Stereocaster
12. You
13. ANGEL WALTZ
14. 薔薇と雨
15. ハウリング
16. Cloudy Heart
17. MILK BAR PM 11:00
18. UP SIDE DOWN
19. Good Savage
20. BEAT EMOTION
21. Prisoner
22. さらば青春の光
23. バンビーナ
24. POSION
25. スリル
26. MERRY-GO-ROUND
27. Marionette
28. 恋を止めないで
29. Dreamin'
30. FLY INTO YOUR DREAM
-アンコール1-
31. 8 BEAT のシルエット
32. RUSSIAN ROULETTE
33. Glorious days
-アンコール2-
34. Nobody is perfect
35. LONELY★WILD
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