プロマンガ化を目指してたはずが、妹と一緒にBLドージン作家に!? 中条亮『ドージン活動はじめました!?』

1月2日(土)20時0分 おたぽる

『ドージン活動はじめました!?』 (中条亮/アスキーメディアワークス)

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「コミックマーケット」を例に出すまでもなく、世の中にはたくさんのサークルが思い思いの作品を作り、販売している。内容もさまざまで、18禁エロ系から完全創作、そしてBL—。中条亮の『ドージン活動はじめました!?』(アスキーメディアワークス)は、なぜか兄妹でBL同人誌を作り上げていくという話だ。

 プロマンガ家志望で専門学校に通う櫻井遥斗は、同級生の秋山が出版社への持ち込みでプロデビューを果たしたことに影響を受け、4カ月かけて作品を完成させて、初めての持ち込みを果たす。だが、応対した編集者は遥斗に「同人活動してみたら?」と言いだすのだ。ドージン? 趣味のレベルだろ? 状態の遥斗に、腐女子で同人大好きな妹のミハルは「みんな描きたいものがあふれてきてたまらないの!」「描いて描いて表現して発散しないと爆発しそうになるの!」と、遥斗に足りないものはマンガを描くことへの熱量だと指摘。そしてミハルの「2人で同人活動をやろう」という提案に、勢いで丸め込まれてしまった遥斗は、趣味でもないBL同人誌を書くことに!

 1カ月後のオンリーイベントに向け、印刷会社やpixivでの宣伝などてきぱきと準備を進めるミハル、そしてミハルの友人の手助けもあり、なんとか脱稿(原稿を書き終えること)し、イベント参加を迎え……と、同人誌作りの過程を経て、遥斗は“楽しみにしている誰かに読んでもらう”ことの嬉しさに気がついていく。

 本作はすでに2巻まで発売されており、そこでミハルの大好きな大手サークルの作家が、専門学校の同級生の秋山だったことが判明。ミハルと遥斗がコミケに落選したことを伝えると、秋山から「合同誌出さない?」と提案される。突然の話に一度は悩む二人だが、こんな機会は二度とない! と背中を押され、合同誌の製作に取り掛かる。が、告知をしたその日にミハルのTwitterに悪意のあるツイートが……。

 入稿までの流れや宣伝方法、イベント当日のサークル準備などがリアルに描かれているほか、1巻の巻末には、サークル参加時の持ち物や注意事項まで記載されていて、これから同人活動をしてみたい! という人のHow To本としてもおすすめ。また、同人活動を一度でもやったことがある人にとっては、入稿前の地獄の日々など「あるある!」がちりばめられており、うなずけるコト必至。そして、どんな人でも、ミハルの同人への熱い思いに共感できるのではないだろうか。知り合いの同人作家も、「どんなに仕事が苦しくても、新刊落とさないために頑張れるのは、自分の伝えたいことを待っていてくれる人がいるから」と言っていた。やはり好きなことへの愛は、強い。

 実際に著者である中条亮も同人活動を行っており、2巻の巻末では「同人活動始めました!」というファンからのメッセージに、仲間が増えたぞ! と大歓喜。「絶対にこの人同人が、マンガが大好きだ!」と愛が伝わってくる作品だ。

(文:森野たぬき)

おたぽる

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