岸田健作 ホームレス生活経験すると些細なことでも幸せ感じる

1月2日(月)7時0分 NEWSポストセブン

ホームレス生活について語る岸田健作

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屋根のない公園で、食事はゴミ箱にある残飯、体を洗うのは公衆トイレ、お金がなくなると通行人に声をかけて恵んでもらうことも——彼の告白したホームレス生活は、思いのほか過酷なものだった。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の“いいとも青年隊”などで活躍しながら約7年前、自らホームレスになる道を選んだ岸田健作(33)。第2回インタビューでは、そんな辛い生活から、どのように立ちあがり、芸能界に復帰を果たしたのかを聞いた。


——ホームレス生活をやめるきっかけは?


岸田:ホームレスをやっていた代々木公園で“カホン”っていう民族の箱型の打楽器を叩いている人と、それに合わせて踊っているダンサーを見たことです。ぼくがもともと芸能界にはいったきっかけが、ダンスだったんです。ダンサーとしてのぼくが声をかけられていいとも青年隊という形でデビューしたので、自分に何かひとつ芸があるとしたらダンスでした。


生演奏でダンスをしている光景が新鮮で、見た瞬間に「バンドでダンスをやりたい。これだ!」と思った。バンドにはギターとベースとドラムとボーカルが必要だから仲間を探さなきゃ。インターネットの掲示板に募集サイトがあるだろうと思って。まずはこの生活をあがって、漫画喫茶に行くためのお金を仕入れなくてはいけない。人を見つけた時に、コンタクトとるための携帯電話が必要だ、よし、アルバイトしようって思ったんです。


——そこからはどんな風に動いたんですか?


岸田:道ゆく人に「アルバイトってどうやるんですか?」って聞きましたね。そこしか情報源がないんで。さすがにその質問に関してはまともに答えてくれる人がいなくて。「本当にごめんなさい、自分はアルバイトをしたことがない人間で」なんて話から聞いてくれる人もいて「バイト情報誌っていうのがあるから」って教えてくれた。「お金がないんですよ」っていうと「駅とかにアルバイト求人誌のフリーペーパーもあるから」って。


——また芸能界に戻ろうとは?


岸田:芸能界っていうよりは、バンドを組んでやっていこうって思いました。そう思ってからは、ホームレス生活から完全に抜け出しました。


——ホームレス生活あけて、最初のディナーは?


岸田:何を食ったかは覚えてないんですけど、人からもらったものではなく、自分で買った“新品”のものを食えた幸せはよく覚えてます。ホームレス辞めてからは、仕分けのバイトを始めました。日給が8千円だったんですけど、そのお金でコンビニのおにぎりとか缶ジュースとかを、とにかく自分が働いたお金で買えたあの感覚が忘れられない。多分、こんな話しても経験してないと分かんないと思いますけど(笑い)


——その後はどのように活動を?


岸田:バイトして、掲示板でメンバーも見つけて、メンバーの家に居候したりしてました。そうやって活動していくなかで芸能の仕事を振ってもらったりして、ドラマとか映画とかバラエティーとかにちょこちょこ出てはいたんですけど、本格的に本腰入れて芸能界で活動し始めたのは昨年からですね。バンドは当時のメンバーが何度も入れ替わったりと色々あったんですけど、昨年の1月に「Kensaku Kishida en V」というバンド名でCDをリリースしました。


——ホームレス生活を体験して感じたことは?


岸田:ぼくがホームレスをあがっていちばん最初に「幸せだな〜」って思ったのは、天井のある所でベッドで寝られることで、いまでもそれはいちばんの幸せだと思うんです。何をもって幸せなのか、キツイと思うかは人それぞれだとわかりました。ホームレスを経験したことでささいなことでも幸せに感じるし、感謝することがすごく増えますよね。ひとりで明日死んじゃうかもしれないかった自分がいま、仕事をさせていただいている。やっぱり、自分ひとりの力じゃできないことをいま色んな部分で感じるようになった。


——それ以外に学んだこと、分かったことというと?

岸田:全部ひっくるめて、これだけはっていうのはあるんです。“落ちてるものは、食べちゃいけない(笑い)”。もう二度とあんなつらい目に遭いたくないんで、食べ物はなるべく新しいものを食べる。死んじゃいますよ、あのお腹の痛さは。


——ホームレス告白後、周りの反応は?


岸田:誰にもいってなかったから、みんな驚いてましたね。あとは…、いま住んでる家とかに、親族とか、家族とか知り合いとかから、お米や味噌汁が送られてくるようになりました(笑い)。もう何年も前の話なのに、いまそういう状況だと思われている感じがありますね。でも、ぼくにとっては人生で最大ってくらい財産になる経験だったんで、もう本当にこの2か月があってよかったなと思うんです。でも、人にはオススメできない経験ですね(笑い)。


【岸田健作(きしだ・けんさく)】

1978年11月8日、東京都出身。1997年から3年間、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のいいとも青年隊として活動。その後も同番組の月曜レギュラーのほかテレビドラマやバラエティー番組に出演。現在はビジュアル系ロックバンド『Kensaku Kishida en V』のボーカルを担当。1月、2月にはライブも行う予定。2011年11月に公開された初主演映画『COOL BLUE』をはじめ、俳優やタレントとしても活動中。


撮影■矢口和也

NEWSポストセブン

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