バーベキュー計画するような新・野心家オヤジにモテ期到来か

1月2日(木)7時0分 NEWSポストセブン

「自分の世界観を持っているおじさんはモテる」と品田英雄氏

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 好景気に沸き日本が希望に満ちていた1980年代を懐古し、「バブルよ再び」というムードに包まれたのが昨年。大ヒットしたテレビドラマ「あまちゃん」では80年代のヒット曲が使われ、「半沢直樹」ではバブルの最盛期に入行した銀行マンのギラギラした上昇志向が描かれた。


「あの当時に働き盛りだった人たちがおじさん世代になって、再び脚光を浴びている」と話すのは、トレンドウォッチャーで知られる『日経エンタテインメント!』編集委員の品田英雄氏。同氏が語る“おじさんの魅力”をじっくり聞こう。


 * * *

 アベノミクスによる好況感も味方して、時代は80年代の元気が良かった部分、しかも、インパクトのあるトレンドが復活しています。ファッションでいえばプロデューサー巻きやタイトスカートが再び流行したのもバブル期と被りますしね。


 特に、2013年は40、50代の中高年男性から興味と共感を呼ぶコンテンツが軒並みヒットしました。


「あまちゃん」や「半沢直樹」といったテレビドラマのほか、音楽ではサザンオールスターズの復活、ポール・マッカートニーの来日もすべて、古き良き時代を知る中高年男性の支持が大きなうねりとなりました。


 そうした現象に伴い、一昔前だったら男性的だったものを女性が評価するようになりました。


 宮崎駿監督の「風立ちぬ」や百田尚樹さん原作の「永遠の0」など、いずれも戦争を題材にした映画のヒットもそうです。作者の固定ファン以外の女性たちも多く共感したのは、男性目線を女性が違和感なく評価している証なのかもしれません。


 経験豊富で自分の世界観を持っている大人の男性——。こんなおじさんたちの株は確実に上がりつつあります。2007年ごろにブームになった「ちょい不良(ワル)おやじ」以来の“モテ期”到来です。


 とはいえ、いまのおじさんたちにチャラチャラと浮ついた感じはありません。なぜなら、バブル期の失敗や教訓が生きているうえに3・11もあったため、過去の経験値を持ちつつ前に進み出している印象を受けます。


 女性にモテるおじさんの条件は、ブランドモノのスーツに身を包み、高級車に乗って、オシャレなレストランに行くという外見のカッコ良さから、趣味や遊びにこだわり、内面に確固たる自分を持っていることが前提となりました。バーベキューを計画するおじさんに女性たちがどんどん参加している光景などを見ると、恋の予感すら感じさせますしね(笑い)



 これまで唯一、おじさんに足りなかった相手に対する興味やサービス精神といったコミュニケーションスキルも、最近は飛躍的に向上してきたように思います。


 例えば、50代に入って会社の第一線から外れて時間ができた男性たちが、学生時代のクラスメイトと同窓会を開いたり、旅行に行ったりという話をよく聞きます。故郷を懐かしみ、温かい気持ちになりたいのが大きな理由ですが、再会した友人たちとの絆を深めながら新たな世界や価値観を築きたい。一方ではそんな願望も持っているのです。


 いま、町中の公共スペースを使って、安く楽しめる小さなイベントが数多く開催されています。おじさんたちがそうしたリアルなコミュニケーションの場をつくることによって、世代を超えて「立ち会う」ことの価値がどんどん高まっている。この現象は、ネット普及によるバーチャルな世界とは一線を画しています。


 昨年、林真理子さんが書いた『野心のすすめ』がヒットしました。いまや男女の垣根がなくなり、いろんなコミュニティーを通じて夢や野心を抱くことがポジティブに捉えられる風潮ができています。そう考えると、今年は“新・野心家おやじ”がキーワードになるかもしれませんね(笑い)


【品田英雄/しなだ・ひでお】

1957年生まれ。学習院大学卒業後、ラジオ局(現・ラジオ日本)を経て日経BPに入社。1997年『日経エンタテインメント!』を創刊して編集長に就任。その後、同誌発行人を経て編集委員に。2012年10月より日経BPヒット総合研究所上席研究員を兼任する。


■撮影/山崎力夫

NEWSポストセブン

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