自称“寅さん博士”の立川志らく「No.1マドンナは竹下景子」

1月2日(木)7時0分 NEWSポストセブン

テレビで大活躍中の志らくは「寅さん博士」(C)小川峻毅

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 もともと洋画好きだったのが、師匠の故・立川談志さんや、兄弟弟子でもある高田文夫氏の影響で『男はつらいよ』シリーズを見始めたという落語家の立川志らく。それをきっかけにすっかり寅さんにハマり、今では寅さんのことを聞けば何でも答えられると言われるほどの“寅さん博士”に。志らくがシリーズに出演した歴代のマドンナのなかでナンバーワンだと言うのが、第32作『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(1983年、監督/山田洋次)のマドンナ・寺の娘である朋子役の竹下景子だ。その魅力は何なのか、志らくが語った。志らくは最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』にも出演している。


 * * *

 私にとってもう一人の師匠である高田文夫先生の勧めで、40歳を過ぎてから「男はつらいよ」をきちんと見始めたらハマり、「寅さん博士」を自称するほど詳しくなりました。落語に通じる笑いと人情があり、渥美清という役者が素晴らしかったんです。ですから、自分が今度の第50作に出演し、渥美清と一緒のスクリーンに映っているなんて、抑えられないくらいの喜びですよ。


 歴代のマドンナには魅力的な方がたくさんいます。浅丘ルリ子が演じたリリー(旅回りの歌手、第11作、第15作に出演)は、ある意味別格。寅さんとは極の同じ磁石のような関係で、近づきすぎると弾き合ってしまう。


 最も綺麗で妖艶だったのが、第22作『噂の寅次郎』の大原麗子。男ならイチコロにされてしまう台詞があります。


 でもNo.1は第32作『口笛を吹く寅次郎』の竹下景子。「お嫁さんにしたい女優No.1」と言われていた頃で、竹下景子演じる住職の娘・朋子が、寅さんの話を聞いてコロコロ笑う姿が実に可愛らしく、奥ゆかしさもある。他の女優さんではあの味はなかなか出せません。


 寅さんと朋子は愛し合っているのがわかります。だから、ぜひ一緒にさせてあげたかった。でも、一緒になるためには寅さんが仏門に入らなければならない。それは不可能だと、寅さんも観客もわかっている。だから切ないんです。


 柴又駅での別れの場面が凄いんです。自分の思いを伝えようとした朋子が寅さんの袖を引き、訴えるように見つめる。急に男女の親密な時間が流れ、それを察知したさくらがすっと離れる。


 朋子が「父がね、突然『お前、今度結婚するんやったら、どげな人がええか』いうて聞いたの。それでね……それで……私」。すると、寅さんが「寅ちゃんみたいな人がいいって言っちゃったんでしょ」とおどけて笑いにしてしまう。それで朋子は「かなわぬ恋」と悟る。あんな切ないラブシーンはなく、シリーズの中でも屈指の名場面です。あれを演じきった渥美清と竹下景子は凄いです。


【口笛を吹く寅次郎・あらすじ】さくらの夫・博の父の墓参のために立ち寄った岡山で、寅次郎は住職の代わりに法事を務めたのが縁で寺に居つき、美しき出戻りの娘・朋子に一目惚れ。住職も寅次郎を跡継ぎにと考え、朋子も柴又で寅次郎への恋心をほのめかす。だが、寅次郎ははぐらかしてしまう。


●たてかわ・しらく/落語家。1963年生まれ。DVDに『立川志らくの「男はつらいよ」全49作 面白掛け合い見どころガイド』(講談社)。


※週刊ポスト2020年1月3・10日号

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