朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる:【インタビュー】アサキミ初インタビュー! “ことば”を司り他グループと一線を画すノベルアイドルとは?
1月2日(木)20時0分 Second Innovation
「朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる」。これは小説の一節でもなければ、歌詞でもない。これから活動を開始するアイドルグループ名である。アサキミ(朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいるの略称)は琳棠(りんどう)れな、冰(こおり)、大江陽菜(ひな)、真城(ましろ)奈央子、星染朔(ほしぞめさく)、華乃(かの)ちひろの6人組で、1/13にデビューする。コンセプトは”よまれよむアイドル”。その言葉通り、アイドル活動と並行して文芸誌を発行し、メンバーの寄稿やインタビュー企画などが予定されている。またグループ名と同名の小説も連載中の”ノベルアイドル”として既存のアイドルとは異なった活動を展開していく。今回はデビュー前の彼女たちへ取材を敢行。謎多きこのグループがどのようなものなのか訊いてみた。笑顔多き彼女たちは気さくに質問に応じてくれていたが、その中に垣間見える個性の強さに面白みを感じた。楽曲は”ノベルアイドル”ならではの、深みある文学的なナンバーに仕上がっている。このインタビュー記事からアサキミについて知ってもらい、色々な解釈をしてもらいたい。それぞれの解釈を生み出す”ノベルアイドル”は今後面白い展開でアイドルシーンを盛り上げてくれるに違いない。知れば知るほど面白いアサキミはチェックしておくべきだろう。
取材・文:石山喜将(@rayiris_yi)
【朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる メンバー】
初取材! アサキミのメンバーはどのような個性がある?
ーー初インタビューです。皆さんのことを知るために、自己紹介、特技や趣味など教えていただけますか? 更にご自身の性格を簡単に教えていただけると読者の方に伝わりやすいと思います。
大江陽菜(以下、大江):大江陽菜(ひな)です。歌うことは得意な方だと思います。音楽はどれか一つのジャンルという訳でなく、幅広く聴きます。
ーー好きな音楽はなんでしょうか?
大江:例えばテクノのような音楽が好きですね。
ーーそうなんですね。アサキミさんのイメージと少し離れている気がしますが・・・(笑)。
大江:そうですね。あとファッションも好きですね。
ーーなるほど。どのようなファッションがお好きですか?
大江:古着っぽいのか好きですね。
ーーなるほど。ご自身の性格を教えていただけますか?
大江:性格・・・。超テキトーです。もちろん良い意味のテキトーですよ(笑)。
ーー緩い性格、ということですね。
大江:そうです! 緩いですね。
ーーそうなんですね。皆さん出会って間もないとは思いますが、他のメンバーから見た大江さんの性格を教えていただけますか?
真城奈央子(以下、真城):最初に出会った時の印象としては結構強そうだと思いました。リングとかしてたり、ピアス空いてたりとちょっと強めだと思いましたが、でもちゃんと考えているところもあり、考え方も素敵な人でした。人の気持ちも分かるし、すごく深い人間だと思っています。
大江:おぉ〜(拍手)。
星染朔(以下、星染):星染朔(ほしぞめさく)です。イカを焼いて動くのを見ていることが好きです。スルメを焼いて動くのをよく見ています。私、イカ好きで通っているんです。イカが好きです。
ーーイカが好きなんですね。そんな星染さんの性格をご自身で説明していただくとなんですか?
星染:ビビりですね。
ーーそうなんですか。ビビりのエピソードは何かありますか?
星染:暗い所だと寝ることができないんです。この間、合宿があったのですが、電気が点いてないと寝れないという理由で冰と一緒に寝てもらいました。
ーー甘えたがりですか?
星染:それもあるかもしれないです。
ーーそうなんですね。星染さんの印象を他のメンバーの方も教えていただけますか?
華乃ちひろ(以下、華乃):喋っているとすごくふわふわしていて、「何を考えているんだろう?」と思うこともありますが、喋ってみると意外と深いことを言うんです。だから意外なギャップがありますね。
星染:ふふふ(照笑)。
ーー照れていますね(笑)。
星染:恥ずかしくなっちゃいます(笑)。
ーーなるほど、そのような意外な面を今後押していきたいですね。
華乃:華乃(かの)ちひろです。私はお洋服が大好きで、アクセサリーも好きです。
ーー洋服の話は大江さんからも出ていましたが、系統は違いますか?
華乃:私は何でも着ます。どういうのでも着ますよ。
ーー何か今ハマっているファッションはありますか?
華乃:レザー系やベルトなどにハマっています。小物にもハマっています。
ーーファッション自体は髪色に合った派手な感じなんですか?
華乃:そうですね。髪色は青色という微妙な色だけど・・・。
ーーそんなことないですよ(笑)。
華乃:髪色とうまく合わせないと失敗しちゃうので結構難しい部分があるんですけど、逆にそうやって選ぶこと自体はすごく楽しいですね。
冰:(華乃は)大人でも子供でもない、不思議な性格ですね。
星染:意思が固いかもしれないですね。
琳棠れな(以下、琳棠):頑固なところがあります。
星染:いい意味でも悪い意味でも頑固かもね。
真城:自分を持っている感じはある。
ーーブレないということですか?
一同:そうですね。
華乃:私は拘りがすごく強いんです。それはファッションにも繋がることなのですが、すっごい拘りが強い。ただそれも常に変わるんですけど(笑)。拘りが変わっちゃうから難しいんですよ。だから常に言っていることが違う。うまく関われないというか。
ーーうまく関われないんですね(笑)。
華乃:そうですね。
ーーただ自分を持っているのは良いところですよね。個性にすごく繋がると思います。独自の世界観を出していくことはすごく面白いんじゃないかなと思いますね。
冰:冰(こおり)です。二水の氷で「冰」です。私は歌うことが好きで、陽菜ちゃんと一緒で音楽好きです。
ーー「冰」という名前は独特だと思いました。なぜこの名前にしたんですか?
冰:「冰」という漢字には別の読み方があって「冰(ひ)」と読むのですが、『氷』なのに『火』なのは熱い物質を氷で固めるような意味合いがあって、すごく良い漢字だと思ったんです。その意味合いがあることと、単純に呼びやすいと思ったんです。私は短い名前の方が好きなんですね。
ーーそうなんですね。あとは一発で分かりやすいというのもありますよね。
冰:そうですね。
ーー冰さんはどのような性格ですか?
冰:性格は・・・迷子?
真城:性格迷子(笑)。
冰:このグループに来てから気が付きました(笑)。
ーーそれまで気付かなかったんですか(笑)。
冰:それまで気付きませんでしたね。1人でどこかに行くことはすごく好きなんですけど、目的地が決まっているとこんなに迷子になるんだなと思いました。
ーー(笑)。なるほど。目的地が決まるとダメなんですね(笑)。
冰:方向は分かっていても場所が分からないからすぐに迷子になっちゃうんですよね。
星染:冰ちゃんの性格は、優しいです。すごく優しい・・・ね?
冰:(照)。
ーー何か優しいエピソードはありますか?
星染:私が歩くのが遅くて信号で引っかかって置いて行かれた時、物凄い勢いで迎えに来てくれたことなどありますね。いつも気にしてくれるんです。「大丈夫?」と言ってくれますね。
氷:(不思議そうな顔をする)。
ーーおぉ〜。なんで不思議そうな顔しているんですか(笑)。自分ではそんなに自覚がないんですか?
冰:そうですね。自覚はないな。
星染:あとは方向音痴です(笑)。
ーーメンバーも認める方向音痴なんですね(笑)。
真城:うん、よく迷っている。「どこだか分かりません」とよく連絡が入ります(笑)。
ーー面白いですね。ただ一連のお話をお聞きすると、冰さんは仲間意識が強いのかもしれないですね。
冰:確かに、無意識のうちにあるのかもしれないです。
大江:冰ちゃんが発言するとなんだか場が和むんですよね。柔らかくなる。
星染:「可愛いね」となるよね。
大江:そう。何を言っても「可愛い!」となるんですよね(笑)。
ーー末っ子キャラ的な感じなんですかね?
一同:あぁ〜。
真城:末っ子キャラかなぁ〜。ペットみたいだけど末っ子キャラの方が聞こえが良さそう(笑)。ペットだと主従関係があるもんね(笑)。
星染:ただわちゃわちゃってしたくなるような可愛さではあるよね(笑)。
真城:真城(ましろ)奈央子です。特技はこの中で言うと勉強が得意ですね。一応、東大生です。
ーーすごいですね。ご自身の性格を教えていただけますか?
真城:性格は生真面目な部分があります。あとは完璧主義で、それが逆に自分を苦しめることもあります。何かやろうと思うとそれにすごく集中してしまい、他のことが見えなくなってしまうタイプですね。
大江:本当にしっかりしているよね。
琳棠:お姉ちゃんのような感じですね。
星染:でもたまにオタク入っているよね。超オタクなんです。グループで一番のアイドルオタクなんです。
真城:小学生の頃からずっとアイドルは見ていますね。
ーーちなみにどこのグループさんがお好きなんですか?
真城:入りはももいろクローバーZさんです。見ていてこんなに元気にしてくれる存在がいるんだと思い、すごいなと思って好きになりました。あとは48グループさんを見たりしますね。今はハロプロさんにハマっています。juice=juiceさんがすごく好きなんです。この前、代々木のライブに行かせて頂いたんですけど、アイドルの枠を超えていると思いました。あっ、オタク特有の早口になっちゃった(笑)。でも本当にアイドルという枠なのにアーティスト性もあって、引き込まれますし、他のアイドルと一線を画していると思います。最近、毎日動画を見て、私も頑張ろうと気持ちを高めています。
大江:しっかりしている一方で、このようになんでも柔軟に色々なことを話してくれるところも良さですね。
ーー知識が豊富なんですね。
真城:鼻の穴膨らんじゃった(笑)。
一同:(笑)。
琳棠:琳棠(りんどう)れなです。好きなことはいっぱいあります。好きなことが沢山あって、一つにはなかなか絞れないのですが、手先を使うことが好きですね。工作や塗り絵など何か作ることが好きなんです。物作りが好きなんですよね。
ーー今まで作った物には何がありますか?
琳棠:う〜ん・・・。
星染:この間、指輪作ってたよね。
琳棠:あ、指輪作りましたね。ビーズを自分でテグスに通して、お花を付けました。名前の由来にお花があるのですが、それと同じような色のお花の指輪を作りましたね。あとはお菓子作りなど好きです。
ーー本当に作ることが好きなんですね。
琳棠:作ることが好きです。
華乃:れなちゃんはメンバーの中でもすごく女子力が高いんです。今言っていた手先の器用さもそうですし、お料理もできるし、気遣いもできるし・・・。すごく女子力が高いですね。
星染:あとはちゃんとお姉ちゃんしているよね。
琳棠:イェーイ(拍手)。
大江:れなちゃんは一番グループのことを考えていますね。
真城:彼女はこのグループのリーダーです。リーダーに適任だと思っています。私たちはそれぞれの個性が強いんですよね。その中で一人一人をちゃんと見て、グループとしてどうすれば良いかをしっかりと考えてくれていると思っています。すごく信頼できますね。れなちゃんがリーダーで良かったと思います。
ーーメンバーが認めるリーダーということですね。
一同:はい。
「朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる」について、展開していく活動内容について
ーー次の質問ですが、グループ名「朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる」についてです。聞いた時どのような印象を持たれましたか?
星染:このグループが募集された時には既にグループ名は決まっていましたが、私はこのグループ名に惹かれました。
冰:私もそうです。
星染:惹かれる名前だよね。
ーー星染さんにとってどこが惹かれたポイントですか?
星染:”朝ぼらけ”という言葉や”紅色”という言葉など良いなと思います。何より全体的に詩的な表現があって、私、本とか好きなので、その点で興味を引きました。
ーーなるほど。このグループ名の意味や由来を教えていただけますか?
星染:ちょっと聞いたことあるけどあまり分かっていないんです。運営の方からは「このような意味だから」と全部教えてもらう訳じゃなく、メンバー間で考えて欲しいということを言われました。しっかりと意味が決まっていることも良いと思いますが、アサキミに関してはあえて決めず、みんなで考えようというスタンスです。
ーーなるほど。意味は自分たちそれぞれの解釈に委ねる、なんですね。
冰:そうですね。名前に世界観があるからこそ多分、色んな人が「名前の意味はなんだろう」と考えますし、見ただけで気になると思います。私もオーディションを受けた時、「どんなグループなんだろう?」と気になって入りたくなったので、いいグループ名だと思いますね。
ーーなるほど。真城さんはアイドル好きじゃないですか。この名前のグループってなかなかないじゃないですか。『アサキミ』というと言いやすいですが、アイドル好きとして、この名前で入った理由はありますか?
真城:確かに。こんなに長いグループ名聞いたことないですね。ただアイドルと言えば名前が似通っちゃうこともよくあるじゃないですか。それに名前というのは最初に名乗るものだからすごくインパクトが付く物だと思うんです。だからちゃんと個性を出せることは重要なのことなのかなと思っています。ゆるふわな名前だとありふれているからこそ、これくらい長い名前というグループはほぼ無いですし、そのような意味では逆にキャッチーだと思います。
ーーそうですね。確かに逆にキャッチーですね。
真城:さっき冰ちゃんも言っていましたが、人の興味を引く、心に留まることは重要で、他のアイドルには無いという意味では、うちの良い所だと考えています。
ーーなるほど。グループ名の意味合いと付随したお話なのですが、グループ名と同じタイトルの名前の小説が出ています。どのような内容でしょうか?
星染:「朝焼けを観る会」の会員として私たちが登場します。ストーリーはフィクションですが登場人物の仕草など、現実の私たちとゆるく繋がっています。例えば私だったらミーティングの時などはオレンジジュースしか飲まないんです。そのオレンジジュースがこの小説では出てくるなど、他のメンバーにもそれぞれの普段の生活の特徴が出てくるので、すごく面白いと思います。
ーー小説は皆さんで書いているんですか?
星染:内緒です(笑)。
ーー内緒ですね(笑)。
アサキミの活動において大きな特徴の一つになる、文芸誌について
ーー今後は更に文芸誌を作っていきますがどのような文芸誌にしていこうという構想はありますか?
星染:文芸誌自体の企画や編集しているのは運営ですが、私たちの関わり方としては、毎号必ず原稿を書いています。今回の創刊号でも1,000〜2,000字ほどのエッセイのような物を書いて掲載しています。あとは色んな人へインタビューしたり、歌人の方に「歌会」と呼ばれる、短歌についてレクチャーを受けたり、ディスカッションしたりする講義みたいなものを受けて、その様子が載ったりなど様々な企画があります。
ーーなるほど。それでは創刊号がどのような内容なのか、簡単に教えていただけますか?
大江:一人一人にテーマがあって、そのテーマに基づいた内容を自分たちが思うままに書いています。一人一人に合ったテーマです。分かりやすいのは・・・。
真城:私の「アイドルについて」ですかね。決してアイドル論とかを論じている訳ではないですが、自分の今までの人生とアイドルを重ね合わせて書きました。
ーー確かに真城さんの「アイドルについて」は分かりやすいですね。他の皆さんはどのようなテーマですか?
冰:私は「歌」をテーマに書きましたが、歌についてだけでなく、それ以外の様々なことも含めて書きました。メンバーそれぞれ、個性の浮かび上がるような文章になっています。
琳棠:今回、私は「バスケットボールについて」を書きました。
ーーバスケをやっていたのですか?
琳棠:昔、バスケをやっていて、小学校、中学校の頃は日本一を目指していたくらい、本気でバスケをやっていました。だからそのことについて書きました。
華乃:私は「ファッション」です。自分の拘りの強さも含めて書きました。
大江:ちなみにですが、(華乃は)唯一、頂いたテーマとは違うテーマで書いたみたいです(笑)。
ーーそうなんですね(笑)。
華乃:写真を撮られることが好きなので、「写真について」というテーマを頂いたのですが、結局、写真の原点はファッションにあるんですよね。服が好きというところから全て始まっているのでファッションについて書きましたね。ちょっと反抗しましたね。
ーー反抗しました(笑)。でも素晴らしい拘りですよね。書く側はそのような拘りって重要な時もありますからね。第二号ではどのようなテーマを書きたいと考えていますか?
大江:私、InstagramなどのSNSで文字を書くことが好きなんです。私は元々、詩が好きなので詩を書きたいと考えています。テーマはなんでも書けると思いますし、その中で詩を書きたいですね。今回も詩を書こうと思ったのですが、今回のテーマでは難しかったので、詩は書けなかったんです。だから次のテーマが与えられたら詩を書こうと考えています。
星染:テーマに希望はないんですが、企画としてやりたいことがあります。私、放送部に入っていて、ずっとインタビューしていたんですよ。だから私がインタビューする側になり、メンバーのことを深掘りしたいです。
ーー面白い企画ですね。セルフインタビューですよね。メンバー独自の視点はありますから面白い内容になりそうですね。
星染:そうですね。
冰:あとはみんな写真を撮ることが好きなので写真を撮って見せ合ったり、ライブイベントの時に飾ったりとかしたいですね。メンバーが撮った写真を出す場所があれば良いと思います。今は原稿でのお題がありますが、写真でもお題を付けて撮影することは面白いと思います。メンバーそれぞれが見ている風景などが出ますからね。やってみたいです。
ーーそれは面白そうですね。ちなみに先ほどお話に出ていた「歌会」は”講義のようなもの”とお話されていました。
真城:私たちが学ぶ場ですね。歌人の方と部屋で、事前に私たちが作った歌を読んでディスカッションするんです。意見を言い合いながら現代短歌とはどういうものなのかを教えていただきました。ファンがその様子を実際に見ることができるイベントではなく、その様子を文芸誌にまとめられ、掲載されるという形ですね。
ーーすごく勉強になると思いますし、コンセプトに沿っていますよね。面白くなっていきそうという印象です。
琳棠:そうですね。それぞれ個性が出ています。
星染:みんな上手でしたよ。早く見せたい(笑)。
ーーその先で、短歌を作るのが上手くなっていく、そんな成長過程を見ていくこともきっと面白いですよね。
一同:そうですね。
(スタッフ):なぜ文芸誌で原稿を書いてもらっているかというと、それぞれのメンバーがただアイドル活動を経験して辞めていくだけになって欲しくないですし、彼女たちもそれを望んでいないと思っています。たまたまですが全員がアイドル経験がないということもあり、伸び白があると思っています。それに加えてそれぞれの拘り、やりたいことがあるとなった時に、それを様々な制限があるSNSなどで簡素に発信するだけでなく、まとまった量をしっかりと時間をかけ発信する場所をちゃんと作ってあげたいという気持ちがあります。テーマもこちらからあまり押し付ける気はなく、「こういうのどう? 変えたかったら変えても良いよ」とメンバーの興味を尊重し自立性を持たせています。その先で関心のあることについて知見を広げ、個々のキャラクターを更に鮮明にしてもらえたら嬉しいです。
デビュー曲の3曲は曲調は違えど、どれも意味が深い楽曲「一人一人捉える意味が変わってくるから面白い」
ーーデビュー曲として3曲が完成しました。「十三月の朝」 「真っ白な施設」 「落下、ような」ですね。どの曲も歌詞が良く、情景が独特な楽曲だと思いました。これらの楽曲を解説していただけますか?
真城:「十三月の朝」はグループとしての最初の曲です。私たちのグループ名「朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる」に基づき、<朝焼け>という言葉が出てくるなど、グループのコンセプトに近い部分があると思います。歌詞の詩的な情景描写は、文学的な要素を孕んでいて、他のグループ、アイドルさんとは一線を画せるポイントだと考えています。個人的には「十三月の朝」において、冰ちゃんがたくさん歌っているのですが、冰ちゃんの歌声が曲調に合っていると思っています。冰ちゃんが歌うことで楽曲にすごく深みが増すんです。しっくり来ますね。
ーーそれは良いですね。そもそも「十三月」はどのような意味がありますか?
真城:そのようなところも最初この楽曲を頂いた時にメンバー間でどう思うかを話し合いました。
琳棠:結構話し合ったよね。
星染:私たちでも意味がよく分かってないんですよ。どのように解釈すれば良いのかすら分からないけど、一つ一つを取り出して考えていくとすごく深い意味を持っているんです。正解は分からないんですが、全員が思い思いに考えています。
琳棠:だから皆さんにもぜひ一緒に考えていただきたいです。
大江:歌詞に深みがあるから一人一人捉える意味が変わってくる。それが面白みだと思います。
ーー歌詞に深みがあって、一人一人違う解釈ができる。皆さんで考えて欲しいということも含め、”ノベルアイドル”ということなんですね。
一同:そうですね。
真城:(拍手)。
ーー作詞は誰が担当しているのですか?
琳棠:メンバーの誰かもしれない、運営の方かもしれないし、全く外部の方かもしれない。その匿名性も含めて楽しんでもらいたいですね。
ーーなるほど、そういうことですね。次の曲は「真っ白な施設」です。これは「十三月の朝」に比べて意味が限定されるような歌詞かもしれないですね。この曲もどのような曲なのか教えていただけますか?
星染:ライブで披露したら一番盛り上がる曲だと思います。
真城:曲調は定番のアイドルソングぽいと思います。コールを入れやすいと思っています。振りもアイドルらしさが多いけど、歌詞は曲調とギャップがある。それもまた魅力の一つですね。この曲調なら他のアイドルさんだったら違う歌詞を付けるだろうと思いますね。だからこそアサキミならでは独特な世界観、曲になっていて、それは私たちの個性です。そこも楽しんでもらいたいです。
ーーそうですね。世界観、ギャップは本当に楽しめる楽曲だと思います。最後の1曲「落下、ような」についても解説いただけますか?
星染:この曲にはポエマトリーリーディングが入っています。
大江:曲中に入ります。この曲は情景描写がすごく多い曲だと考えています。
琳棠:それでいて綺麗な曲ですね。
星染:この曲だけ三拍子だよね。
琳棠:基本は三拍子だね。違うところもあるけどね。
ーーなるほど。この曲も歌詞には深みがありますね。
冰:そうですね。この3曲は全部曲調が被ってないんです。
真城:全然違いますね。
ーーそれでいてどれも歌詞に深みがある。これから一貫として深みは付けていくのですか?
真城:そうですね。そこから幅を広げていきます。
ーーなるほど。アイドルさんと言えば一発でわかる歌詞の楽曲も多いと思うんです。
大江:ありますね。それもすごく良いことですが、アサキミに関してはその一発で分かるというのが無いことが良さでもありますね。
ーーそのように深みがあり色々な解釈ができる楽曲、そして曲調も三拍子など含むいろんなサウンドを作り上げていく。それはアサキミさんの良さですよね。それでは皆さんは今後どのような楽曲を歌っていきたいですか?
大江:アイドル好きの人たちが好きな音楽というよりも音楽好きの方にも聴いてもらえるような幅広い年齢層の心に刺さる音楽をやりたいです。アイドルという枠組みがあることで狭くなっちゃう部分はあると思うんですね。そこを外せていけたら良いと考えています。
星染:芸術として評価してもらえるようになりたいですね。
ーーそうですね。今はアイドルグループ自体多角化されていますが、アサキミさんは独特だと思うので、新しい風を吹かせて欲しいなと思います。『アイドルはこうだ』という枠組みに囚われずに、固定観念を取り外して音楽好きにリーチしたい。ただアイドルというフィールドの上での活動になるので、もちろんアイドル好きにも好きになってもらいたいというのが皆さんの総意ですね。
一同:そうですね。
メンバー、観客と相互的な関係になりたいですし、今後に繋がるデビューライブにしたいと考えています
ーー1/13にデビューライブが開催されます。デビューライブをどのようにしたいか、どこを注目して欲しいかなどの見所、意気込みを教えていただけますか?
冰:今はSNSでしか活動していないので早くライブを行って、SNSでは出せない自分たちを出したいと考えています。
ーーそうですよね。早く動いて踊っている姿を見せたいですよね。見所があれば教えていただきたいです。
大江:メンバーみんな歌が上手いので歌をしっかり聴いて欲しいと思います。
真城:それぞれの声もみんな違ってみんな良いので、それによって出せる表現はあるなと練習しながら思っているので、まずはその表現の部分をデビューライブまで日々磨いていきたいです。
大江:次に繋がるライブにしたいと思います。一方的ではなく、次も来たいと思ってもらえかつ私たちも気持ちの入ったパフォーマンスを存分に出せる、相互的な関係になりたいと思いますね。
ーーそこはぜひ注目していただきたいところですね。
今後の目標「個性の強い要素が全て集まり『朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる』というグループになることが理想」& 読者へメッセージ
ーーアサキミさんの今後の目標やグループでやりたいことを教えていただけますか?
星染:Zeppでのライブはいつかやりたいです。
大江:色んな人に来てもらえるようなライブを作ることができるグループになりたいと考えています。希望としてはグループ全体で考えるよりも、うちはそれぞれの個性が強いからこそ一人一人のやりたいことへの意思を尊重して活動し、それらの要素が全て集まって「朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる」というグループになることが理想だと思います。
ーーそうですね。Zeppでのライブはアイドルさんの中での一つのハードルですからね。そこを目指すというのは必然だと思います。そして個性を大切にし、それが集まった時、アサキミさんが完成するのは面白いと思います。ぜひ色んな人に知ってもらいたいですね。個性ということで個人としての目標などそれぞれありますか?
琳棠:私個人としてというよりもみんな個性が強いから、そこを後押ししていけるようになれる存在になりたいですし、先ほどお話した通り、個性の強いみんな集め、グループとして更に上に行きたいという思いがあります。みんなで大きいステージに立ちたいし、色んな人に見てもらいたいと考えています。
ーーさすがリーダーですね。グループの為を思っていますね。
真城:個人のことを言わせていただくと、私はこの中ではダンスが得意な方なのでダンスで様々なことを表現できるようになりたいですし、その表現の幅をもっと広げたいです。折角楽曲がとても良いので、自分なりの解釈を持って、ダンスに反映させて表現できるようになりたいですね。
冰:このグループは”ことば”を大切にするアイドルだからこそもっと言葉を知り、うまく使えるようになりたいです。言葉を使うことは自分を伝える手段だと思うので、その先で曲などを作り上げていきたいですね。
ーー言葉を司るアイドルとして”ことば”をツールとして使いたいのですね。
華乃:今、自分の中の何を売りにしていけば良いのかまだ分からないんです。自分の特徴、強みなどまだあまり分からないからまずそこを知りたいです。今後の活動の中で見つけたいですね。
ーー自分の強みを模索していき、そこから何ができるのか判断したいということですね。
華乃:そうですね。
星染:私の第一印象って大人しいと思われがちなのですが、実はグループの中で一番おしゃべりなんです。だから私は早く皆さんとおしゃべりをしたいですし、皆さんとの距離を縮めたいです。話すことは今後していきたいですね。声を使って何かできれば良いなとずっと思っています。
ーーなるほど。早くファンの人と話したい。話している姿を見せたいのですね。
星染:見せたいですし、こんな喋るんだと思って欲しいです。
ーーギャップも楽しんでもらいたいんですね。
大江:私個人としてやりたいこといっぱいあって、でも全部話してしまうとつまらなくなると思うので乞うご期待なんですけど(笑)。今後、全員の”居場所”を作りたいです。日常生活の中でクソしょうもないことから逃げることができるような場所をみんなに作ってあげたいと考えています。
ーーアサキミの現場だけは日常を忘れられるようにしたいのですね。先ほどの大江さんのお話を聞くと新しいジャンルを作りたいのかなと思いました。
大江:それもあります。アイドル文化の価値を上げたいんですよ。頑張っている子達いっぱいいるじゃないですか。それを表に出すことで評価を上げたいと考えています。そこを引っ張っていけるのが私たちでありたいなと思います。
ーーそれは本当に頑張っていただきたいです。最後にこの記事を読んでいる方に向けてメッセージを頂けますか?
琳棠:ライブに足を運んでいただくことで知るこのメンバーの個性は必ずあります。この取材でずっとお話させて頂いていますがみんな個性が強くて、すごく魅力的なメンバーが集まったので、実際にライブに来ていただいて、実際にその目で見て、感じて欲しいです。その先で曲やグループのことなど色々と考えて解釈してもらいたいです。よろしくお願いします。
新アイドルグループ“朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる”(読み:アサボラケノアカイロハイマダキミノウチニコワレズニイル)が活動開始、同時にデビューライブの開催を発表した。コンセプトは「よまれよむアイドル」。メンバーは大江陽菜、華乃ちひろ、冰、星染朔、真城奈央子、琳棠れなの6名。
デビューライブは、2020年1月13日(月・祝)に渋谷aubeにて昼夜2部制で開催。
またオフィシャルサイトでは、「プロモーションノベル」なる、グループ名と同名の連載小説“朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる”の第1話が公開された。作者は現役の作家か、はたまたメンバーの誰かなのか、それは明らかになっていない。グループの今後の活動はもちろん、小説の展開にも注目だ。
Art Direction:MoKaO
ロゴデザイン:さのさくら
撮影:越中裕太、相原茉姫、鈴木遥介
■朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいるOfficial Site:
http://asakimi.com/
■Twitter:
Official Twitter:@asakimiofficial
【MV】十三月の朝 / 朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる
▽YouTubeアプリをお持ちの方は以下URLへアクセス
https://www.youtube.com/watch?v=L9GEFtM3frM