アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.14(1)矢沢永吉「35億円詐欺事件」全真相

1月3日(火)9時56分 アサ芸プラス

 世界に冠たる日本の天才アーティストのふたりが堕ちた「巨額詐欺事件」が、平成ニッポンの芸能界を襲った──。矢沢永吉と小室哲哉。かたや35億円巨額資金をダマしとられた“ハメられた側”と、こなた「5億円詐欺師」に転落して“ハメようとした側”。しかもその裏で、ヤクザが絡む事件にも発展して…アサヒ芸能がスッパ抜いた平成の爆弾スキャンダルをお届けしよう。

 ロック界の大御所である矢沢永吉を襲った「35億円の巨額詐欺事件」。その第一報をスッパ抜いたのはアサヒ芸能だった。98年7月2日号のことである。この事件は2週連続で報道し、大きな波紋を呼んだ。

 きっかけは、矢沢周辺のある事情通から、

〈「あの矢沢永吉が手がけていた不動産投資にトラブルが発生したらしい」〉

 と、タレコミ情報が編集部に寄せられたのがきっかけだった。

「世界の矢沢」は、いったいどんな罠に堕ちたのか──。

 事件の概要を当時の誌面から振り返ってみよう。

〈オーストラリアの高級保養地・ゴールドコーストで矢沢のプロジェクトがスタートしたのは1987年のこと。「音楽を通じていろんなことにチャレンジできる場所を作ろう」(矢沢)と、仲間内で盛り上がったのがきっかけだったという。

 そして、当時の一等地、サーファーズパラダイス地区の一角に、レコーディングスタジオや音楽スクールなどが入った24階建の高層ビルを建設する計画に着手したのだ〉(7月9日号)

 矢沢とともに現地責任者として現地法人「カムストック・コーポレーション」を設立したのは日本人男性H・K氏(当時=49)だった。

 敷地1万平方メートルを20億円で、同内ビルを約11億円で購入。プロジェクト資金として約4億円を提供した。そして建物を取り壊し跡地に新ビル建設をする計画だった。

 この現地責任者の素性について、

〈「日本の酒造メーカーの現地法人をやっていたそうですが、以前から矢沢の知り合いだったらしく矢沢から請われる形で、仕事を引き受けたようです。(中略)現地スタッフや何人かの日本の事務所関係者が建設計画にかかわっていますが」〉

 実際上の業務はすべて当時49歳の男が仕切っていた。

 そして、この投資案件の物件を、矢沢は、まんまとこの男に騙し取られてしまったというわけである。

 詐欺事件発覚後、直撃取材に、事務所の当時の担当マネジャーはこう説明していた。

〈「現地から定期的に送られてくる報告書に不審な点があったため、現地調査にいったんです。すると、H氏たちが数年前、現地法人が購入した土地や建物を無断で担保にして銀行融資を受け、それが返済できずに差し押さえられて、第三者に売却されていることが判明したんです」〉

 土地や建物のみならず10年以上にわたって投資してきた35億円以上の巨額資金が忽然と消えてしまった事件だった。

 事実を知った矢沢側は、同年3月にオーストラリア証券監視委員会(ASC)に、被害総額35億円の詐欺・横領事件として告訴した。

 そして、矢沢本人は、この事件に関して、

〈「現地の最高責任者である人物(H・K氏)の背任・横領」と断定して、正式に文書でコメントをこう発表した。

「この人物に関してましては僕が心から信頼しいましただけに、大変な憤りと悔しさを感じております。(中略)とくにかく、今の僕の気持ちは、1日も早い事件の全容解明を望んでおります」〉

 もっとも、この事件発覚後の矢沢は一時ショックに陥ったが、テレビやCM出演などそれまで以上に精力的に仕事をこなし、6年後には借金を完済する“オチ”までついた事件だった。

 どん底の逆境から見事に復活を遂げたことで、逆にまたひとつ矢沢伝説は創られたと言える。

 おまけに都内某所には15億円超の大豪邸を建設したというから仰天のBIGぶりである。

アサ芸プラス

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