2018年、僕らは新しい中田翔に出会えるだろうか

1月3日(水)11時0分 文春オンライン

 謹賀新年。本年もファイターズをよろしくお願いいたします。特にパのライバル球団の皆さんは倍旧の勝利(?)をぜひお願いします。


 お正月は例年、「浅草名所七福神」の布袋尊、橋場不動尊にお参りするのだけど、このお寺さんがうちからいちばん近いコンビニの並びで、初詣なんだけど帰りについいつもの習慣で牛乳買ったりしてしまうことになっている。日常感覚が初詣っぽさを大いにスポイルしている。但し、このお寺はファイターズにご縁があって、何と森本稀哲の実家の菩提寺なのだ。だもんで、お参りのときはお賽銭を入れて、ガランガランというやつを鳴らして「今年も我が家と森本さんちをよろしくお願いします」と必ずお願いしている。森本さんの名前を出したほうが、お、うちの檀家の知り合いか、と願いを聞いていただけそうな気がするのだ。


 ファイターズ関連ではやはり台東区の鳥越神社にも(大体、三が日過ぎた頃)顔を出している。ここは通りを隔てて向かいに野球用品メーカーZETTの東京支店があって、ショーウインドウにアドバイザリースタッフのグラブやなんかが展示してあるのだ。鳥越様にお参りしてるのかZETTのショーウィンドウに張り付きに行ってるのかわからない。ファイターズでは吉川光夫杉谷拳士の用具が展示したあったが、そういえば去年は見に行かなかった(父が亡くなってお正月をやらなかった)。吉川は巨人のウィンドウに移動してたんだろうなぁ。


お正月に存在感が増す杉谷拳士


 杉谷といえばお正月は存在感が増す。板橋区在住の日ハム応援仲間が正月の間、ちょこちょことサンダルつっかけて帝京高校グラウンドへ偵察に行って、杉谷や松本剛、郡拓也が自主トレに来てないかLINEで速報を入れてくるのだ。言っておくがそんなこと頼んでない。自主トレしてたって電車に乗って見に行くわけじゃないのだ。たぶん応援仲間も、こう何というか、「始動」というイメージがつかみたいのだと思う。「始動」さえしてくれてたら中身なんか問わないし、別に出待ちしてサインをもらおうって魂胆でもない。ただ単に今年も始まるなぁとニヤけたいのだろう。


 杉谷のお正月の大仕事は『とんねるずのスポーツ王は俺だ!』(テレビ朝日系)の人気コーナー「リアル野球BAN」だが、今年は出ないと報じられている。本稿は実際問題、暮れの14日に書いていて(上沢直之投手、本日ご入籍とのこと。おめでとうございます)、実感がともなっていないのだが、どうですかホントに杉谷出てませんか? 何かそんなお正月はお正月なのかという感じがする。お正月といったら「お雑煮、杉谷、年賀状」と相場が決まってるんじゃないか。



オーストラリアで自主トレに励んでいる杉谷拳士 ©文藝春秋


 まぁ、杉谷も身を固めたし、これからは正月番組じゃなく公式戦で目立とうという意欲の表れなのかもしれない。編集部から頂戴したテーマは「2018年シーズンの抱負と展望」なのだが、いやぁ、大谷と増井とマーティンと大野が出て行って、チーム編成のやり直しですよ。トンキン、ロドリゲスで穴を埋める考えのようだけど、見てみるまではどんな投手かわからない。左の大砲アルシアを獲るという報道も出始めたけど、清宮幸太郎とかぶらないのか。そもそも外国人野手(外野手)を獲って(DHを含めた)ポジションはどうなるのか。外国人は投手をもう1枚のほうがよくないか。つまり、今の時点でさっぱりわからないのだ。とりあえず2018年シーズンは杉谷が「リアル野球BAN」返上(?)で張り切っている、とだけ申し上げておこう。



役割を与えられ、中田は変わるのだろうか


 ただひとつはっきりしているのは、コインの表が出るか裏が出るか大変興味深いシーズンだということだ。中田翔が主将に指名されたのだ。読者は今オフ、西川遥輝の契約更改時のエピソードに注目されなかっただろうか。大幅アップ(推定6000万増の1億6000万といわれる)の金額面の話はほんの数分で終わり、ほとんどの時間はチームの今後についての意見交換に費やされた。西川は中田・新主将に関し、こんな要望を出したと報じられている。


「僕たちが中田さんをサポートするのは違う。僕たちをサポートするための主将。ストレスがかかるかもしれないけど、僕たちをサポートしてほしい」


 中田は昨シーズン、極度の不振に陥り、ベンチがピリピリするほど感情を露わにしていた。周囲に気をつかわせるのだ。また寂しがり屋の性格で、面倒を見てくれる後輩が必要になる。思いやりもあって、人一倍情に厚いタイプなのだが、これまで「主役」で生きてきた者に特有といっていい不器用さ、小回りのきかなさがある。「役割を与えると人は変わる」というが、中田は変わるだろうか。



新主将就任が決定している中田翔 ©文藝春秋


 変わるのかもしれない。変わらないのかもしれない。コインの表が出るのか裏が出るのか。思い出すのはオリックス時代の糸井嘉男だ。移籍2年目だったか、人生初のキャプテンに任じられた。それは僕に言わせればミスキャストの最たるもので、糸井の良さが消えてしまうのだった。糸井は皆からいじられて、天真爛漫にふるまって、ひょいっとすごいことをするからいいので、キャプテンなんかになったら本人もまわりも苦労すると思った。


 中田はどうなのだろう。悪童時代に自ら決着をつけ、プロとして一段深みを身に着けるシーズンなのか。僕らは新しい中田翔に出会えるだろうか。これはある意味、清宮幸太郎以上に注目だ。


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(えのきど いちろう)

文春オンライン

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