「今までの大久保のイメージが変わるのでは」瑛太(大久保正助/大久保利通)【「西郷どん」インタビュー】

1月3日(水)17時0分 エンタメOVO

大久保正助/大久保利通役の瑛太

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 西郷吉之助(隆盛)を語る上で忘れてはならないのが、大久保正助(利通)の存在だ。生涯を通じての盟友であり、ライバルでもあったこの人物を演じるのは、かつて「篤姫」(08)の小松帯刀役で好評を得た瑛太。あれから10年、再び鹿児島に縁のある大河ドラマへの出演となった。「見てくださる方のイメージが変わる」と語る大久保の人物像とはどんなものか。西郷との関係や役に込めた思いなどを聞いた。



−「篤姫」以来10年ぶりの大河ドラマ出演となりました。今の気持ちをお聞かせください。

 今は序盤の撮影をしているところですが、とにかく熱いドラマになっています。吉之助を演じる鈴木亮平くんをはじめ、精忠組(西郷、大久保ら、薩摩の若者が集まったグループ)の皆さんが本当に熱くて、全身全霊でぶつかっています。「知的だけど冷徹」というのが大久保正助のパブリックイメージだと思いますが、この作品では純粋な面もある常識人として描かれています。見てくださる方のイメージが変わるのではないかと思うので、皆さんの感想を聞くのが楽しみです。

−今回、出演が決まった時の感想は?

 また祖父母に見てもらえる、というのが一番です。自分の大好きな仕事に携わらせてもらって、なおかつ、祖父母に孝行できるというのは、俳優冥利(みょうり)に尽きます。ただ、制作発表の時に「僕は西郷さんの血が入っているんです」と話したところ、次の日におじから「それは違う」とメールが届いてしまって(笑)。でもそれは、小さい頃からずっと祖母に聞かされていた話なんです。その後、祖母と話ができていないので、本当のところはどうなのか分かりません(笑)。

西郷隆盛という人物については、今までどんなイメージを持っていましたか。

 やっぱり「翔ぶが如く」(90)の西田敏行さんのイメージです。「篤姫」で西郷を演じた小澤征悦さんも印象に残っています。父が鹿児島出身なので、西郷さんは愛されている人、すごい人だと思っていました。ただ、今になって調べてみると、単に誠実で熱く強いだけではない、悩んだりした部分もあったのではないかという気がしています。亮平くんを見ていると、「今回の西郷はこうだ」という感じでとても純粋な人物になっているので、これからいろいろな側面が見えてくるのではないかと期待しています。

−大久保役の見どころは?

 常識人で人格者ではあるのですが、純粋さ故に傷ついて吉之助に嫉妬したり、藩から謹慎させられたり、序盤は鬱屈(うっくつ)した状態が続きます。今は、後にはい上がっていくための力をため込む時期なのかなと。その間、吉之助の背中を見ながら、うらやましさや悔しさを経験した結果、自分が今何をすべきかと考えて、正助なりの動きをしていくようになり、理論武装という形で、表に出るときに世の中を変える手段が吉之助とは変わってくる。吉之助との違いを出す部分は、演じていてやりがいを感じます。そのあたりをじっくり楽しんでいただけたらと思います。

−大久保は西郷と共に明治維新を推進した人物ですが、2人の個性は対照的ですね。

 大久保は、今分かっている現状や、吉之助がやろうとしていることを考慮して動くタイプ。吉之助のように自分発信で動くのではなく、周りが今こういう状況だからこうしようという感じです。そういうところから、海外に行って経験を積み、世の中を変えていこうという独自の発想が出てきます。

−西郷の背中を見ながら成長していく感じでしょうか。

 そうですね。今は吉之助に対して真っ向から受けて、真っ向から返しています。例えば、吉之助が100パーセントで来たら、僕も100パーセント、120パーセントで返してやろうという気持ちでやっています。でも、中盤からは変えていくつもりです。吉之助が100パーセントできたときに、僕は30パーセントで返す、というように。そういう計算を働かせることで、シーンごとの面白みや、2人の考え方の違いが少しずつ出てきますので、芝居を楽しみたいと思っています。

−鈴木亮平さんと共演した感想は?

 今回、演じるに当たって体作りをする一方で、すごく繊細にお芝居のことも考えていて、初日から「俺が西郷吉之助だ」という熱い気持ちを感じました。薩摩弁も、精忠組のみんなを含めても一番うまいです。そんな状況で、亮平くんと一緒に芝居をすると、彼の熱気やエネルギーがすごくて、その思いの強さに引っ張ってもらっている感覚があります。芝居もとにかく体当たりでぶつかってくるので、すごくやりやすい。序盤は西郷と大久保の深い友情を築くことができていると感じています。台本に「涙する」と書いていないのに、熱いものが込み上げてくるときもありました。

−撮影が進んでいると思いますが、今の手応えはいかがですか。

 撮影のスタイルも「篤姫」の時とはだいぶ変わって、一つの場面をいろいろな角度からたくさん撮るようになりました。だから、絶対にミスをしたくないという気持ちで挑んでいます。そうすると、例えば、(島津)久光(青木崇高)に物申しに行くような場面でも、その場で首を斬られるかもしれないという状況の中で、覚悟を決めた正助のエネルギーが、やっていくうちにどんどん上がってしまうんです。呼吸もできないぐらいで。だから、本番の緊張感が半端じゃありません。

−大変な撮影ですね。

 でも、それを乗り越えた先に見える景色というのは、ものすごく特別なものがあります。それは「篤姫」をやったときに強く感じたことでした。1年2カ月にわたって撮影を続ける中で、さまざまな思いや悔しさ、次は何かしてやろうという野心が芽生えてきます。それを積み上げていくことで、想像もしなかったようなお芝居が生まれる。「篤姫」の時は終盤、(宮崎)あおいちゃんと、ただ向き合っただけで感極まるものがありました。そういう、俳優をやってきて幸せだなと思える瞬間が絶対にきます。それを僕は、亮平くんと一緒に見たいと思っているんです。

(取材・文/井上健一)

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