最終的には「ゲームを支配」 ジョコビッチはなぜ強いのか?【ATPカップ】

1月4日(土)8時56分 AbemaTIMES

 男子テニス界は「幸せな時間」が続いている。2000年代に入ってからまずロジャー・フェデラーが頭角を表し、その後にラファエル・ナダルノバク・ジョコビッチアンディ・マレーという3人が出現。この4人はいつしか「ビッグ4」と呼ばれるようになり、彼らが10年以上にわたって覇を競っている。いまはマレーがケガのためにランキングを落とし、「ビッグ3」となっているが、それでも彼らの存在は強力だ。

 言葉を換えれば男子テニス界は「役者が揃っている」と言うことになる。お金が取れる役者が揃っているから、彼らが出場するグランドスラム大会は観衆で満杯になる。主催者側は何もしなくても、勝手にスポンサーが集まり、観客が押し寄せてくる。そんな夢のようなスポーツイベントが、この10数年間のテニスで、その結果、大会の賞金額はうなぎ上り。もうバブル時代を迎えていると言って構わない。

 2019年の秋に行われたATPファイナル。チチパスが得た優勝賞金は3億1581万円。同じ時期に行われたバドミントンファイナルの優勝賞金は1320万円(日本の桃田が獲得)で、卓球ファイナルの優勝賞金は1100万円だった。同じラケットスポーツで、同じく年間を通してランキング上位者だけを集めた大会で、試合は世界中に放映されているのに、これだけの賞金格差が生じている。その理由は、テニス界が「ビッグ4」という宝を持っていたからに他ならない。そうした中で、ランキング1位として「ATPカップ」に臨むのがセルビアのノバク・ジョコビッチなのだ。

 ジョコビッチは考えてみれば不思議なプレイヤーだ。サービスにしてもストロークにしても「おっ!」と驚くようなショットを持っているわけではない。ジョコビッチよりもスピードサービスを打てる選手はいっぱいいるし、もっと強力なスピンボールを打つ選手もいっぱいいる。それでも試合になると、相手をコントロールしているのはジョコビッチになるのだ。「ビッグ4」との対戦でも一番勝率が高かったのはジョコビッチ。ビッグ4以外の選手が彼の堅陣を崩すのは容易ではない

 そのジョコビッチを擁するセルビアとグループAの緒戦で対戦するのが南アフリカ。エースのケビン・アンダーソンは、最高ランキングでは5位を記録したことがあるが、2019年はケガ(膝の手術を9月に行う)のため、トータルで15試合しか戦っておらず、ランキングは91位まで下落。故障明けでのジョコビッチ戦は苦戦が予想される。また、ナンバー2を比較してもセルビアはドゥサン・ラヨビッチ(99位)、南アフリカはロイド・ハリソン(99位)となっており、やはりセルビアの優位は揺るがない。

文/井山夏生(元テニスジャーナル編集長)
写真/Hiromasa MANO

【中継映像】4日16時30分から「王者・ジョコビッチが登場」

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