紅白39.4%は低視聴率? 総世帯視聴率減少の中で驚異の数字

1月4日(木)7時0分 NEWSポストセブン

歴代ワースト3位の視聴率と報じられているが…

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 39.4%は低い数字なのか──。2017年12月31日に放送された『第68回NHK紅白歌合戦』第2部(21時〜)の平均視聴率が39.4%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)と40%を割り込んだ。美空ひばり三波春夫がトリを務めた1963年には番組史上最高の81.4%を記録。都はるみの引退ステージとなった1984年までは1969年と1982年を除き、ほぼ70%台を維持してきた国民的番組も、1986年から50%台となり、2000年代に入ると40%台に。2004年には39.3%と30%台に突入した。


 2017年の39.4%は歴代ワースト3位の記録とネガティブに報道されているが、この数字はどう評価するべきなのか。視聴率研究家でライターのシエ藤氏はこう分析する。


「ゴールデン帯の総世帯視聴率(以下、HUT)を見ると2004年は年間68%程度あったのに、2017年の上半期は59.9%と60%を割っています。HUTは13年間で8%程度も下がっているのに、紅白の視聴率は2004年の39.3%と比べ、2017年は39.4%と0.1%上乗せされている事実に注目すべきでしょう。数字上でもテレビ離れが証明されている上に、ヒット曲も生まれていない状況で39.4%もよく取ったと見るべきではないでしょうか。ある意味、驚異の数字といえます。


 たとえば、1984年はHUTが75.3%、紅白が78.1%、1986年はHUTが72.2%、紅白が59.4%、1989年はHUTが71.5%、紅白が47.0%でした(※HUTはいずれも下半期のゴールデン帯)。


 1984年と1989年を比べると、HUTが3.8%しか落ちてないのに、紅白は28.3%も減っています。この時代であれば、紅白の視聴率が凋落したと報道するのはよくわかります。しかし、2017年の視聴率を単純に歴代視聴率のみと比較して、ワースト3位などとネガティブな見出しをつけて報じる傾向には疑問をいだかざるを得ません」(以下、「」内、シエ藤氏)


 視聴率が発表される前には、2018年9月限りで引退する安室奈美恵が出演したため、50%も狙えるのではという見方もあった。


「目玉が1人いても数字が一気に10%も上がるわけではない。逆に安室や桑田佳祐、エレファントカシマシ、X-JAPANが出なかったら、もう少し視聴率が落ちていたと考えるべきでしょう。


 最近の紅白は2013年に連続テレビ小説の『あまちゃん』のヒットで小泉今日子や薬師丸ひろ子を出演させ、2014年には休業していた中森明菜を出演させています。もっとも人口ボリュームが大きく、まだテレビを観る層である40代の団塊ジュニアを狙い、1980年代に活躍したアイドルにスポットライトを当てた戦略でした。


 2016年の宇多田ヒカル、2017年の目玉となった安室の主なファン層はもう少し下だと考えられ、まだ比較的人口の多い30代。安室の引退は国民的関心事でもありますし、テレビに馴染みのある30代を何とか食い止めようという意図もあったのではないでしょうか」(同前)


 裏番組では、日本テレビの『ガキの使いスペシャル 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』が17.3%を獲得して民放1位に。テレビ東京で演歌勢が多数出演した『年忘れにっぽんの歌』が8.4%と健闘したと伝えられている。


「今のテレビの視聴者は50歳以上がかなりのパーセンテージを占めており、テレ東が健闘したというより、その傾向がさらに強まっただけ。この数字を参考にして、紅白が50代以上にシフトした戦略を取れば、ますます『若者のテレビ離れ』が進むでしょう。


 近年は団塊ジュニア周辺を狙う戦略も目立ちますが、紅白は基本的に20代や50代以上にも配慮した出演者をまんべんなく揃えて、全世代に見てもらおうという王道を貫く姿勢が見えます。2017年は、老若男女に嫌われない内村光良を総合司会に起用したこともその現われです。紅白は、日本におけるテレビ番組の象徴。単に視聴率だけを狙って特定の層に偏るのではなく、王道を貫く戦略で2018年以降も40%近い視聴率を狙いに行くのではないでしょうか」(同前)

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