ビートたけし『いだてん』志ん生役で長時間正座の苦労

1月4日(金)7時0分 NEWSポストセブン

大河に出演するビートたけし

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 2019年のNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』に、ビートたけしが五代目古今亭志ん生役で出演する。酒に酔ったまま何度か高座に上がったことがあるなど、今でも語り継がれる芸人らしいエピソードの多い希代の噺家をどう演じるのか。新刊『さみしさの研究』も話題のたけしが、テレビじゃ言えない“ウラ噺”を明かす。


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 1月6日から、ついにオイラも出演するNHKの大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』が始まるぜ。今回は大河にしちゃ珍しく“現代劇”なんだよな。55年前、1964年の東京オリンピックの時期が舞台なんでさ。


 出来上がった序盤の映像は見せてもらったけど、ひいき目じゃなく、今回の大河は面白いぞ。ご存じの通り、オイラが演じるのは「落語の神様」と呼ばれた古今亭志ん生さんだよ。


 内容をペラペラ喋るとNHKに怒られちまうけど、まァ少しくらいなら宣伝ってことで許してくれるだろ。なにせ、初っ端のシーンから、オイラの出番だからね。


 主役の金栗四三(しそう)ってマラソン選手を演じる中村勘九郎が、志ん生の乗ったタクシーの横を走り去る──そっから物語が始まるんだよ。



 色んな登場人物の人生が入り乱れるけど、まァ、オイラの役割は「狂言回し」なんでね。


 歴史物の大河ドラマだとNHKのアナウンサーなんかが、ドラマの冒頭や場面転換の時に「時は戦国〜」なんてナレーションを入れるだろ。今回はそれをオイラが高座の上で進めていくんだよ。いつも『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)の冒頭にオイラが出てくるけど、アレを大河でもやっちまうってことだよな。


 しかもドラマなのに、「高座で自由に笑わせて」なんてカンペも出るからね。スタッフやエキストラは毎回同じだから、それなりにお笑いをやってきたオイラが“常連”相手にいつも同じネタをやるワケにもいかないだろ? 仕方ないから前説をやる若手芸人みたいに、毎回ネタを考えてるんだよ。


 まァ、みんなをゲラゲラ笑わせても下ネタや危ないネタばっかりなんで、そこは放送されないんだけどさ。もったいないから、収録中に話したネタをどこかで“テレビじゃ言えないオリムピックウラ噺”として披露するつもりだよ。


 もうひとつツラいのが、長時間の正座だよ。オイラ下積みから落語をやってるワケじゃないんでね。撮影中は気がつかないんだけど、カットの声がかかると急に脚が痺れて動けなくなっちまうんだよ。で、スタッフに両脇を抱えられながら袖に出ていくもんだから、そこでまた笑いが起こってさ。図らずも、死ぬ寸前まで高座に上がってた晩年の志ん生さんを再現しちまってるというオチなんでさ(笑い)。


 だけど、これは危ないね。足先に血液が循環してないような感覚があってさ。「あァ、これがエコノミークラス症候群ってやつか」って分かったよ。長年の慣れなのかもしれないけど、やっぱりプロの落語家は平然とやってて凄いね。オイラも立川梅春(ばいしゅん)なんてふざけた名前で時々高座に上がってるんだけど、プロにはあらゆる部分で及ばないぜ。



 特に落語家独特の「所作」を演じるのが難しい。人によってタイミングも意味も違うんだけど、落語家が噺の最中に羽織を脱いだりお茶を飲んだりするのは、噺のまくらと本筋の「間」を繋いだりする役割がある。こういう長年培った所作が生みだす“芸”ってのは真似できないんだよな。


 オイラは芸人だからまだなんとかそれっぽい雰囲気を作れるけど、俳優がやることになってたらもっと大変だったかもしれないね。


●取材協力/井上雅義


※週刊ポスト2019年1月11日号

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