山口組分裂 「今年一年このままならバリュー揺らぐ」の指摘も

1月5日(火)7時0分 NEWSポストセブン

 山口組分裂騒動は、異様な警戒と緊張感のなか年を越した。2016年、どちらの側からいつどのように仕掛けるのか。それとも、抗争せずに収束する、ヤクザの「禁じ手」があり得るのか。ともに暴力団の事情に精通する、ノンフィクション作家・溝口敦氏とフリーライター・鈴木智彦氏が対談した。


溝口:抗争が起きるとしたら、今年ですよ。


鈴木:やっぱり今年ですか。


溝口:いま、直参の数や組員数でいうと、六代目と神戸で7対3くらいですが、神戸側が数を増やしていて、今年は5対5に近づいていくのではないか。そうなると、六代目側は本家であることさえ疑われてしまう。抗争せざるを得なくなるのではないか。


 ただし、抗争という形になると、組長の使用者責任が問われたり、組織的殺人でトップが捕まるから、抗争に見せないようなやり方しかない。半グレ集団を装って、金属バットや包丁、角材、ビール瓶などを使ったり。


鈴木:市販の凶器。


溝口:2013年に起きた「餃子の王将」社長の殺害事件で最近、九州の暴力団幹部のタバコの吸い殻が現場近くに落ちていたことが公表されましたが、絶対に捕まらない必殺の体制が整えば、やるかもしれない。弘道会(司忍組長の出身母体)には、もともと十仁会というヒットマンの秘密部隊があって、今はもうないとされているが、10日もあれば復活できる力はある。


鈴木:もともと武闘派でのし上がってきた組織ですからね。弘道会は、配下に「動くな」って言ってるんですよね、たぶん。ただ、六代目側は神戸側を放置していたら、求心力がどんどん落ちていく。もし今年一年、このままだったら、山口組のバリューが揺らぎます。


溝口:従来、山口組と友好関係を結んでいた団体の間でも、まず大阪の酒梅組が山口組との親戚付き合いを止めて離れていったわけです。東京の松葉会でも、親戚付き合いを止めるべしという派があるらしい。そうなると、他の友好団体でも、その流れに同調するものが出てくるのではないか。


鈴木:松葉会ほどの規模になれば派閥があって当然です。当代は六代目側と友好関係にあるが、反主派派が神戸側と手を組みたいのかもしれない。山口組の分裂以降、他の暴力団の間でそういう動きがあること自体、これまでならあり得ないことです。


溝口:本来なら暴力団の世界では、盃を下げた親分を裏切る離脱派は悪で、相手にしてはいけない存在なんです。ところが、いまや両者が対等視されつつある。六代目側からすると非常にヤバイ状況になっている。


鈴木:友好団体では、代目が代わるときに後見人をつけるんですが、これまでは弘道会一色でした。「俺のバックには山口組がいるぞ」という示威行為ですが、暴力団としての威光が失われたら、今後は弘道会を後見人にしない組織が出てくるかもしれません。他の組は、基本的には山口組がどうなろうと関係ない。自分たちがいかにして上にいくかを考えるだけですから。


溝口:その通りだと思う。


※週刊ポスト2016年1月15・22日号

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