中井貴一&佐々木蔵之介が骨董品で「一獲千金」企む喜劇映画

1月6日(土)10時1分 まいじつ


映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『嘘八百』


配給/ギャガ TOHOシネマズ新宿ほかにて全国公開中

監督/武正晴

出演/中井貴一佐々木蔵之介友近、芦屋小雁、近藤正臣ほか


今年、新章が始まるテレビドラマ『バイプレーヤーズ』では一堂に会する大杉漣、遠藤憲一、松重豊らの人気でも分かるように、最近は渋いオジサン俳優がモテモテ。その点、この新作も“オジサン度”は相当濃い。中年世代の主役級スター、中井貴一と佐々木蔵之介が空振りばかりの古物商と落ちぶれた陶芸家に扮し、“幻の利休の茶器”を仕立てて一獲千金を狙う題名通りの“嘘八百”コメディーだ。


佐々木は『超高速参勤交代』シリーズ(2014年〜)や『破門 ふたりのヤクビョーガミ』(2016年)など喜劇色が強いが、中井の方は『グッドモーニングショー』(2016年)などコメディーは数えるほど。とはいえ、そこは芸達者同士、初の共演でガップリ四つの丁々発止を見事に披露する。特に、佐々木扮する陶芸家一家に、中井扮する古物商父娘がお邪魔してすき焼きを食うシーンが笑える。立ちながらすき焼きを食う中井の“珍景”は見もの。


佐々木の妻役でこのシーンにも出ている友近は「素晴らしく渋いオジサマばかりで、オジサマ好きの私は“逆ハーレム状態”でした」とうれしそうに語っていたという。主演のふたり以外にも坂田利夫、木下ほうか、寺田農、芦屋小雁、近藤正臣などステキなオジサマ、ジイサマ勢揃い。友近(彼女だって44歳なんだからいいオバサマだが)と同意見のオジサマ好きの若い女性は必見。どうぞ、オジサマ品定めしてやってください。



関西弁独特の掛け合いに注目


そんなオジサンたちの化学反応を引き起こしたのが、ブルーリボン賞などに輝いた安藤サクラ主演の名作『百円の恋』(2014年)を手掛けた武正晴監督。そういえば、昨年の武監督の『リングサイド・ストーリー』も佐藤江梨子と瑛太の掛け合いが抜群に面白かったっけ。


今回の舞台が、大阪府・堺市。茶道を大成したわび茶の祖である千利休ゆかりの地だけに、この映画の設定にも説得力が生まれる。前出の主演佐々木を始め、坂田、木下、芦屋、近藤らは“関西ネイティヴ”。彼らの関西弁独特の掛け合いが作品の魅力を倍加させる。


この映画、何か原作があるのかと思ったら、『百円の恋』の足立紳と連続テレビ小説『てっぱん』などの今井雅子(この人も関西人)との共同脚本によるオリジナル。何かと原作に頼りがちな映画界において、ゼロから紡いだ作品って貴重だと思う。おまけにボクの好きな“詐欺だ、嘘だ”のお話なので、よけい応援したくなった。



まいじつ

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