ゴーン氏逃亡、黒幕は妻 検察にとっては狙い通りの展開か

1月6日(月)7時0分 NEWSポストセブン

日本脱出は極めて計画的(写真/アフロ)

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「私の今の唯一の生きる意味は、夫のために闘うこと。彼がこの状況から脱するまで、しっかり彼を支える」


 日産自動車のカルロス・ゴーン元会長(65才)の妻・キャロルさん(53才)は昨年、仏誌のインタビューでこう宣言した通り、まるでスパイ映画のような「世紀の大脱走」計画を成功させたと各国メディアに報じられた。


「海外渡航禁止の保釈条件に違反し、12月末、ゴーン被告は中東レバノンに逃亡しました。その極秘計画の黒幕はキャロルさんだといわれています」(全国紙司法担当記者)


 キャロルさんはレバノン・ベイルート生まれ。ゴーン氏は2人目の夫で、前夫との間に3人の子供がいる。2010年に前妻と離婚したゴーン氏とは2016年、仏ベルサイユ宮殿で約80億円をかけ、ド派手な結婚式を挙げたことでも注目された。


「夫の逮捕以降、キャロルさんは海外メディアや人権団体、フランス大統領にまで働きかけを行うなど、“夫の代理人”として積極的に活動。事件関係者に口止めを持ちかけるほどだったので、東京地検特捜部はキャロルさんに警戒を強めて、夫とは接見禁止だったが、まさか逃亡計画を練るとは…」(捜査関係者)


 キャロルさんは半年以上前から、今回の計画を進めてきたようだ。彼女が頼ったのは、夫婦の故郷であるレバノンの民間情報機関だったという。


「レバノン警察や中東各国の捜査官OBなどで作られた民間警備団体です。映画『007』や『ミッション:インポッシブル』に出てくるような情報組織で、依頼者のために、世界中であらゆる情報を集めたり、身辺警備をしたり、時には“秘密作戦”も実行するといいます。ゴーン救出の極秘チームは12月中旬に東京に集結。音楽隊に扮し、ゴーン氏の自宅で開かれたクリスマスパーティーに潜入したんです」(前出・記者)


 自宅は監視カメラが設置されるなど、24時間の監視下にあったが、ゴーン氏はニセ音楽隊が持ち込んだ大型の楽器ケースの中に身を潜めて脱出したという。その後、向かったのは大阪だった。


「パスポートを弁護士に預けていたゴーン氏は出国手続きができません。そこで、楽器ケースに隠れたままでプライベートジェットに乗り込んだようです。羽田や成田だと荷物チェックも厳しいので、わざわざ関西国際空港まで行き、係員には『急いでいる』と伝えたり、楽器輸送の特別扱いを受けるなどして、出国審査をすり抜けたとされています。年末年始の海外旅行の出国ピークで大混雑の空港を狙ったのも、用意周到と言うほかありません」(前出・記者)


 11月29日23時頃、関空を飛び立ったプライベートジェットが向かったのは、トルコ・イスタンブール。仏紙によると、トルコに特別なコネクションを持つ、キャロルさんの異父兄弟が協力したという。トルコからは小型の飛行機に乗り換えて、夫婦一緒にレバノン入りした。


「レバノンは貧しい国で、役人への賄賂が横行しています。大金持ちがカネを積めば、入国の際に偽造パスポートを使い、国内で安全に匿ってもらうぐらいはたやすいことです。日本の検察や警察は出入国管理法違反などの疑いで捜査を進めていますが、今回の脱走劇は『亡命』といっていい。ゴーン氏が日本に帰ってくる可能性はほぼゼロです」(国際ジャーナリスト)


 今回の件では「ゴーン氏を逮捕した検察当局が地団駄を踏んでいる」と報じられているが、実はそうではない。経済事件に詳しいジャーナリストが指摘する。


「検察当局はメディアを使い、『保釈を認めた裁判所の責任』を責め立てています。今後の事件では、被告が罪を自白するまで保釈が認められづらくなるでしょう。これは検察の狙い通りの展開です。さらに言えば、そもそもゴーン氏が逃亡せずに裁判が行われても、無罪判決が出る可能性は充分にあった。そうなれば検察は赤っ恥です。実は、ゴーン氏の逃亡の陰で笑っているのは、検察当局なんです」


 どんなスパイ映画のシナリオにも、ラストには大どんでん返しが待っている──。


※女性セブン2020年1月16・23日号

NEWSポストセブン

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