音楽は、夢に繋ぐ橋です——アニメ『クラシカロイド』音羽歌苗役・小松未可子さんが作品の魅力と、音楽との出会いを語る

1月7日(土)12時30分 アニメイトタイムズ

 2016年10月より放送中のTVアニメ『クラシカロイド』。本作はクラシックをテーマに、高校生の歌苗や奏助、不思議な事が起きる音楽“ムジーク”を操るベートーヴェンやモーツァルトをはじめ、作曲家の名前を持つ個性豊かなキャラクターが登場する作品となっています。

 また、劇中歌のクラシック曲は様々な有名クリエイターがアレンジ! ベートーヴェンの楽曲を布袋寅泰氏、モーツァルトの楽曲をtofubeats氏、バッハの曲をつんく♂氏、リストの曲を浅倉大介氏らがプロデュースすることで話題を呼んでいます。

 先日、BD/DVDアニメイト全巻購入特典が声優陣・監督による座談会であることが明らかになりましたが、この度、座談会収録終了後の小松未可子さんにインタビューを実施! 座談会の振り返りをはじめ、小松さんが演じる音羽歌苗の魅力やアフレコの秘話など、様々なお話を伺いました! 
現場はまさにムジーク状態!? 小松さんが語る『クラシカロイド』の魅力
——特典映像の収録、お疲れさまでした。まずは座談会の感想をお願いします。

歌苗役・小松未可子さん(以下、小松):実は今まで映像作品として、キャストの皆さんや藤田監督とお喋りする機会があまりなかったんです。あのメンバーで集まったのも初めてだと思います。アニメオンエア前のライブ配信「いろいろ発表♪TVアニメ『クラシカロイド』へようこそ!」で信長君(神楽奏助役・島﨑信長さん)と監督と私でお喋りしたことはあるんですけど、それ以来だったんです。なので、座談会では他のキャストの皆さんの収録秘話を聞くことができましたし、監督にはキャラクターの掘り下げた部分を聞いてみたら、実は特別な理由はなかったです……(笑)、でも色々なお話を聞くことができて楽しかったです。


——座談会中、二種類の餃子を召し上がっていましたが、美味しかったですか?

小松:美味しかったです! 作品の舞台のモチーフとしては静岡県浜松市のあたりなんですけど、実は今回、初めて浜松餃子を食べました。中にはしらすが入っている餃子で、あっさりしていて美味しかったですね。


——もう一種類はどんな餃子だったのでしょう?

小松:もう一つは、作中でベト(※ベートーヴェン)がこだわって作り出そうとした“漆黒のギョーザー”を再現したものでした。餃子の中には、お饅頭に入っているかのような味噌と餡が混ざった甘じょっぱいタネが入っていましたね。歌苗のお父さんがクラシカロイドや幼い歌苗たちに食べさせていた思い出の味ということもあって、「これがアニメの中でみんなが言っていた餃子なんだ」と自分もキャラクターと同じ気持ちになれ、思い出の味を感じられました。


——なるほど。そんな個性的なベトのエピソードもありましたが、1クール目を振り返っていかがでしょう?

小松:少しずつ、何かのタガが外れていく流れを感じられますね(笑)。


——たしかに、第7話「やまのおう」あたりから良い意味で暴走気味な感じがしますね(笑)。

小松:本当にちょっとずつ開いていったんだなぁ、あの扉……という(笑)。思い返してみたら、入り口に立っていたことに過ぎなかった気がしますね。きっと皆さんも少しずつ違和感を覚えていると思いますが、それが年明け一発目あたりの放送から如実に表れるので、心しておいてほしいなと思います(笑)。また、ここまで描かれていたキャラクターの掘り下げも後々に繋がっていくので、楽しんで、のめり込んでいただきたいですね。きっと第7話まで見てくださった皆さんは、既にどうにかなっています(笑)。もう魔法にかかっている状態ですね。


——アフレコ時にはまだ音がついていなかったと思いますが、本作の魅力の一つでもあるクラシックと現代音楽の融合は、放送で確認されていかがでしたか?

小松:本作ではムジークという形で、現代音楽の中でよみがえったクラシックの音楽家たちが描かれていて、第1話のベトの「交響曲第6番 田園」も衝撃的でしたが、tofubeatsさんの編曲も良い意味でクラシック感がなく、普段から私たちが聴いている音楽に近い音になっていて馴染みやすいなと思いました。それと同時に、音楽って色々な可能性があるということを感じましたね。

あと第6話「始まりのクラシカロイド」ではクラシカロイドたちのムジークが大集合しましたが、曲を作った皆さんもこんなゴチャゴチャになるとは思ってなかっただろうなって(笑)。ある意味、偉人たちのバトルであり、音楽のぶつかり合いでもあり、クラシカロイドの個性のぶつかり合いを感じられました(笑)。


——クラシカロイドのやり取りは見ていて“面白い”というより、“楽しい”という感覚に近いですよね。さて、そんなクラシカロイドたちに振り回されている歌苗ですが、小松さんから見た彼女の印象はいかがでしょう。

小松:歌苗は人間としてのオリジナルキャラクターということで、どういう風に生み出されたキャラクターなのかなと監督に聞いてみたんです。すると、皆が一つ屋根の下で暮らしていて、そこにしっかり者の大家が居る構図をやりたかった、ということで必然的に大家である歌苗は気が強くて、とにかくしっかりせざるを得ないキャラクターなんだと思いました。


——ベトもモツも奏助も家賃を払わずに大暴れしていますしね。

小松:そうなんです! 歌苗も暮らしていくのに苦労してるのに……(笑)。若干、お母さんみたいな面もありますが、実際は高校生の女の子なので苦悩もありながら、みんなに振り回されていますね。でもあんなお屋敷に住んでいる女の子なので、育ちは良いと思います。

クラシカロイドたちが強烈な分、あまり彼らに引っ張られない芯の強い女の子というディレクションも受けました。最初こそ「大家として頑張ろう」という気持ちでしたが、だんだんクラシカロイドにキレ始める歌苗、のような流れになりつつあります(笑)。


——正直、話が進むに連れて、ずっと怒っているイメージがありますね。

小松:常に何かに怒りをぶつけている気がします(笑)。


——演じられる小松さんご自身、大変なのでは……?

小松:そうですね。しかも朝の現場なので、とてもカロリーが消費されていますね(笑)。そう言えば、つい先日、リテイクするシーンがあったんです。どんな風に演じていたのかなと改めて聞き直してみると、テンションがみんな高くて、その場に居たキャストの皆さんも「こんなテンションだったっけ?」と驚いていたんです。それくらい『クラシカロイド』の現場に居るときは何かの魔法にかかったような、普段の5割増しくらいハイテンションなんだなと実感しました。


——まさにムジーク状態と。

小松:本当にムジークにかかったような状態で、知らないうちにクラシカロイドたちに踊らされていたことに気が付きましたね。


——そういった意味でも役に引っ張られていく感覚はあるのでしょうか?

小松:まさに引っ張られているなと思います。朝からハイテンションなので中盤くらいからお腹が鳴りますね(笑)。


——(笑)。ちなみに、本作に感化されて餃子を食べに行かれました?

小松:行きました! 餃子の回のときに、どうしても「餃子食べたい!!」と思って、アフレコ後に都合の合った梶さん(モーツアルト役の梶裕貴さん)と信長君とスタジオ近くの有名な餃子屋さんでお腹いっぱい餃子を食べましたね(笑)。そのときは黒い餃子の正体が分からなかったので、「漆黒のギョーザー食べたいよね!」と話していました。


——なるほど。勝手なイメージですが、アフレコ現場はすごく賑やかそうです。

小松:とても賑やかですね。キャラクターのテンションもありますが、本番前に行われるテストで、初めてみんなでその回に触れるんです。「こういう話になるんだ」ということを体感できるんですけど、それが本当に面白くて(笑)。家でチェックしているときは、「このキャラクターはどんな台詞で返してくるかな」とか「どういう掛け合いのシーンになるのかな」と想像しながら自分のところは練習して行きますが、全ての役者が揃ったとき、テストで思わぬ方向に飛んで行くんです。みんなが最初からフルスロットルで、テンションが高いのは印象的ですね。


——演じられる上で、スタッフからディレクションはありましたか?

小松:初めの頃は、そんなにしっかりしなくて良いと言われましたね。最初は普通の女の子から始まって、そこからキャラクターに引っ張られていくので、面白いことをしようと考えたり、エネルギッシュじゃなくて大丈夫だとディレクションを受けました。なので当初はニュートラルな女の子を意識して演じました。


——アフレコの裏話がありましたら教えてください。

小松:その場の閃きや思いつきを拾われる現場だったので、みんなも全力で演じながらも、終わると何も思い出せない……というような感じで毎回燃え尽きています(笑)。今後、作中で歌うキャラクターが何人かいらっしゃるんです。なので、その方だけ本編アフレコ後に収録するんですけど、「外でちょっとだけ聞いてから帰ろうぜ」と言って耳を立てつつ「ふ〜ん、なるほどね〜」と楽しんでいたこともありました(笑)。みんな本当に作品が大好きなんです。 
小松さんは人に振り回される歌苗タイプ? それとも……?
——改めて1クール目で印象に残っているエピソードを教えください。

小松:第8話「女子会の一日」ですかね。ここでは女子たちにクローズアップされて、歌苗が女の子のクラシカロイドたちと触れ合う機会がありました。この回が後々のエピソードに活きてくる回と言いますか、特にチャイコフスキーとバダジェフスカのお話がここから、ある意味で始まりの話だったのかなと思います。彼女たちもクラクラ(※CLASKEY:KLASKY)としてのアイドル活動がある中、一人の女子として歌苗と話をしてくれた回で、あの回が後々の関係性に活きてくるんです。

1クール目では目的を持って何かをするわけでもなく、オムニバス形式でキャラクターを知っていただく段階なんですけど、彼女たちのお話にはストーリー性があるので、そこは注目してほしい部分だと思います。また個人的にはチャイコが好きなので、女子クラシカロイドの可愛らしさに目覚める回だと思いますね。


——歌苗以外のキャラクターでは、チャイコフスキーがお気に入りなんですね。

小松:どのキャラクターも回によって魅力的なエピソードがあるので好きなんですけど、女子で言えばチャイコですね。現場でもみんな笑っているんですけど、チャイコが喋る度に「やっぱりおかしくなっていっているよね、この子たち!」と話しているんですよ。またこの後にショパンが恋をする話もあったり、シューベルトの回もカオスなので(笑)。でも、実はそれらの回も後々の話に繋がっていくんです。


——何気ないエピソードの中に、実は伏線が散りばめられていると。

小松:散りばめられたものを後々回収することが多くありますね。「まさかそこを拾ってくるとは!?」と思うようなこともありますし、思わぬ形でキャラクターがクローズアップされたりします。また飯テロ回もあって、中には実際に試したくなるような食べ物も多いんです。その食べ物のチョイスを監督に聞いてみるんですけど、やっぱり「特に意味はない」と言われてしまって(笑)。


——そんなクラシカロイドたちに毎日振り回されている歌苗ですが、小松さんご自身との共通点はありますか?

小松:私は兄と弟の男兄弟に囲まれているんですけど、弟はゲームが好きなショパンみたいなタイプなんです。どちらかと言えば、兄はベートーヴェンみたいなタイプですごくうるさくて、ずっとウンチクを話して止まらなかったり。そんな兄弟に挟まれているので、しっかりしなきゃと思う点においては、歌苗と似ているかもしれませんね。


——ちなみに、小松さんは人に振り回される方ですか? それとも振り回す方ですか?

小松:自分が振り回すことはあまりないかもしれませんね。かと言って自分が振り回されることも……。周りにクラシカロイドのような友達がいないので(笑)。でも一番振り回されているなと思うのでは、兄弟と居るときだと思います。休日に兄が「今日は○○に行くから!」と一日のスケジュールを決めることがあって、県を2つ跨いだところに早朝から連れ回されたりすることはありますね。自分からというより、周りに引っ張って行ってもらうことが多いです。


——作中ではベートーヴェンが餃子に強いこだわりを持っていますが、小松さんが誰にも負けない情熱を注いでいるもの、こだわりを持っているものはありますか?

小松:食べ物で言えばチャーハンがすごく好きで、食べに行ったり、家で作ったりもします。自分で作るときは最後に入れる牡蠣醤油の量とかこだわりますね(笑)。ちょっと焦がして醤油を混ぜてシメで炒めるところの牡蠣醤油の量は慎重にやります。それこそベトの「むむ!」のような表情でやっています(笑)。


——味も大きく変わってきますしね。

小松:そうですね、毎回食べながら「今日も違った……」と反省しています(笑)。


——納得のいくチャーハンを作ることはできましたか?

小松:なかなかできないですね〜! 適当に作ったときが意外と上手くいったりしますね。かと言ってキッチリ計るタイプでもないんですけど(笑)。 
「歌手・小松未可子」にとっての音楽とは?
——音楽がテーマとなっている本作ですが、小松さんはマリンバを嗜まれているとお伺いしました。今では歌手活動もされていますが、そもそも音楽に触れたきっかけは何だったのでしょう?

小松:通っていた幼稚園では様々なクラブ活動をやっていて、母親がピアノ教室に私を通わせていたんですよ。だけどピアノ教室が人気で順番が回ってこなくて、挙句の果てには寝ててレッスンしないで帰ってくることがあったんです。そこで、隣のマリンバ教室がまだ人の入る余地があって打楽器だからいいかもしれないと通いはじめました。


——小さい子にとっては楽しいかもしれないですね。

小松:ポコポコ叩けて音階になっていますしね。あと、折り紙が貰えたんですよ(笑)。待っている間に折っていていいよと言われて、それが楽しかったんでしょうね。そのまま高校生くらいまで通っていました。


——かなり長い期間、通われていたんですね。

小松:習い事の中では一番長く通っていたと思います。唯一、自分で通い続けていた習い事です。


——少し話が逸れますが、小松さんの楽曲の「Latimer road」にもマリンバが使用されていたのは、そういった部分が表れているからなのでしょうか。

小松:そうですね! 最終的にライブでも披露できたらいいなと思っていますが、なかなかマリンバを使うタイミングがなくって(笑)。でも、マリンバをやっていた経験がライブや楽曲に活きた瞬間は「やっていて良かったな」と思いました。あとは楽譜が読めるようになったことや、音に強くなったことですかね(笑)。


——先程の質問と共通する部分もありますが、小松さんが音楽を作る上でこだわりを持っていることはありますか?

小松:詞を書くときは言葉の韻を踏む……じゃないですけど、意味がある韻の踏み方にしたいと思っています。


——こだわりという意味では、ご自身で作詞・作曲された『エメラルドの丘を越えて』には、倉木麻衣さんへのリスペクトが詰まっていると思いました。

小松:あの曲は自分の思い出というか、憧れたきっかけを思い出しながら書きましたね。倉木さんへの想いが筆を進めた感じでしたね。


——なるほど。ではズバリ、小松さんにとって音楽とは?

小松:『名探偵コナン』が大好きで、アニメの主題歌をいくつか担当されていたのが倉木麻衣さんだったんですね。元々CDは買っていましたが、『名探偵コナン』の主題歌をきっかけに倉木さんに憧れて、色々な入り口を見出すことができました。彼女に近づきたい、彼女みたいな人になりたいと思ってオーディションを受けていくうちに、やりたいことをたくさん見つけることができましたし、その全てのきっかけになったのが音楽だったんです。だから音楽は、夢に繋ぐ橋です。


——ありがとうございます。では最後に第2クールの見どころと視聴者の方へのメッセージをお願いします。

小松:第2クールは一発目から「クラシカロイドってなんだっけ?」と思うようなエピソードから始まるかと思いますが、監督に聞いたら「何よりこれをやりたかった!」と仰っていました(笑)。ここまでの第1クールは「クラシカロイドとはなんぞや?」といった話でしたが、第2クールからはクラシカロイドたちが本格的にハジケ始めると言いますか、より想像の斜め上を行く怒涛の展開になっています。


——そんなにハジケているんですか?(笑)

小松:はっちゃけていますね! 最初のアフレコで「この作品の裏テーマは闇鍋です」と伺っていましたが、見ている方にとってこれが癖になると思います。そんなはちゃめちゃな部分がよりクローズアップされていると思うので、何も考えずに見てください。むしろ考えちゃいけない作品だと思います(笑)。で、終わった後に「なんか分かんないけど、すごい楽しかった!」と必ず笑顔になれる作品なので、ぜひぜひ最後までご覧ください!


——第7話並の展開、期待しています。

小松:いやいや、さらに上まりますよ!! 毎回、アフレコで「これを超えられるの!?」と思っていましたが、それを毎回どんどん超えてきますから!

——楽しみにしています。ありがとうございました。

[取材・文/鳥谷部宏平]

『クラシカロイド』Blu-ray&DVD 1発売情報発売日2017/01/27
JANBlu-ray : 456247527268/0
DVD : 456247527260/4
品番Blu-ray : EYXA-11268
DVD : EYBA-11260
形態Blu-ray・DVD
価格Blu-ray ¥7,800(税抜)¥8,424(税込)
DVD ¥6,800(税抜)¥7,344(税込)
収録内容
(予定)1巻目4話収録

〈特典映像(予定)〉
•PV2種
•ノンテロップオープニング
•ノンテロップエンディング(♯1〜4)
•6/29“ムジークの日”特別配信動画
 「いろいろ発表♪TVアニメ『クラシカロイド』へようこそ!」
 出演:小松未可子(音羽歌苗役)、島﨑信長(神楽奏助役)
 ゲスト:藤田陽一監督/司会:サンキュータツオ

※2巻目以降3話収録
仕様PET化粧紙、ブックレット
※PET化粧紙は初回版のみ

>>http://www.classicaloid.net/ (『クラシカロイド』公式サイト)
>>https://twitter.com/nhkclassicaloid (『クラシカロイド』公式Twitter)

アニメイトタイムズ

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