安倍首相の改憲キャンペーン本格化で、松本人志、小籔千豊らお笑い芸人がPR役に? “改憲煽動芸人”を予想

1月7日(月)6時55分 LITERA

『ワイドナショー』HP(フジテレビ)より

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 正月三が日、テレビではいつものごとく、お笑い芸人たちが初笑いを振りまいた。だが、2019年から2020年にかけては、こうした芸人やタレントたちが“お笑い”でなく、“改憲派の広告塔”として活躍するかもしれない。


 断っておくが、これは、冗談でも考えすぎでもない。安倍首相はきょう6日にも「2020年の改憲憲法施行を目標とする気持ちはかわらない」と意欲を示した。おそらく安倍政権は、秋の発議、来年早々の国民投票というスケジュールを強行するために、今年はマスコミを使って「やっぱり改憲は必要だ」という大々的なキャンペーンを仕掛けてくるだろう。


 そのなかで、先兵役になりそうなのが、ほかでもないお笑い芸人たちだ。第二次安倍政権以降、官邸や自民党、安倍応援団のネトウヨからの抗議や圧力を恐れて、テレビ局では情報番組から政権に批判的なキャスターや、リベラルなコメンテータがどんどん排除され、社会問題や政治の話題を扱うワイドショーのコメンテーター枠を、“空気を読む”ことに長けた芸人やタレントばかりが占めるようになった。


しかも、こうした芸人のなかには、“空気を読んだ”結果、ゴリゴリの右派思想に丸乗りして、露骨な安倍政権擁護や改憲主張を繰り返しているものが多い。


 これから安倍政権の“改憲”キャンペーンが始まれば、こうした“改憲派芸人”が率先してPRを展開する可能性は非常に高い。


 その筆頭が松本人志だ。周知の通り『ワイドナショー』(フジテレビ)での発言が即座にネットニュースになるなど、社会的影響力の大きい大物芸人。同番組で安倍首相をゲスト出演させたり、安倍政権のスキャンダルのフォローを連発し、安倍首相と会食までしていた仲なのは改めて言うまでもない。


 しかも、松本は以前も改憲に前向きな発言をしたことがある。『ワイドナショー』で加計問題について「脇見運転みたいなもの」「安倍首相のやってることを全部間違いだというのはおかしい」などと擁護したあと、「やっぱり憲法はある程度考え直さなあかん時期に来てるとは思うしね」と発言。改憲のために不正を見逃せと言わんばかりの主張をした。他にも、安保法制の違憲性などが問題になるなか「本当にこのままでいいと思っているのであれば、完全に平和ボケ」「憲法9条は日本を守ったかも知らんけど、言い方変えたら(他国に)なめられてる」などと、護憲派を攻撃したこともあった。


『ワイドナショー』では松本好みの保守的スタンスのコメンテーターが重用されがちだが、安倍政権が改憲に本腰を入れれば、『ワイドナショー』の出演者が改憲派コメンテーター一色になり、番組全体が改憲一色になる可能性も十分考えられるだろう。


 しかも、松本が恐ろしいのは、“吉本の王様”という立ち位置にいることだろう。芸能界、とりわけお笑い界では松本批判はタブー化しているため、松本が一言、「安倍さんの改憲は正しいと思う」などとストレートに発言すれば、ほとんどの吉本芸人が忖度してしまう。松本自身は憲法にかんする深い知見など持っていないが、誰も反対意見を言えないまま、松本の言うことが「正論」として流通してしまう


 そいう意味で、松本は安倍政権にとって最大の“改憲インフルエンサー”になる可能性が高いといっていいだろう。


AbemaTVで護憲派をなじりたおしていた小籔千豊


 同じく吉本芸人で、情報番組などに多数出演している小籔千豊も“改憲扇動芸人”の最右翼だ。小籔といえば、産経新聞社の月刊誌「正論」からもラブコールを送られるなど、近年、“右寄りタレント”として存在感を発揮。安保法制について反対デモを批判するコメントや、安倍政権に丸ノリした中国脅威論を連発するなど政権擁護のみならず、リベラル派のバッシングを散々展開してきた。


 実際、2017年の『Abema Prime』(AbemaTV)で安倍応援団の有本香氏、“ネトウヨアナウンサー”こと小松靖アナと安全保障の強化や諜報機関の必要性についてトークした際には、護憲派をなじりたおすお得意のやり口を披露している。番組で小籔は、護憲派は「平和になったのは自衛隊があったからじゃない、憲法9条があったからだ」と主張しているとして、当時の北朝鮮情勢の緊迫を念頭に、こんなセリフを執拗に吐き続けた。


「いまも憲法9条ある。それで戦争ないんかなって思ったら、ついこの間の4月に戦争なるかもっていいました。あれ? 憲法9条あるのに戦争なるかもってみんな言ってる。あれ? 前、憲法9条あったら戦争ならへんって言い切ってた人、あれ? 戦争なるかもて今言うてるけどそれどっち? ということは憲法9条あっても戦争になることはあったし、今までたまたま(なかっただけ)。じゃあ世界中見ると、軍隊持ってるけど戦争してへん国っていっぱいあるよな」


 ようするに、“護憲派はお花畑だ”と印象付ける典型的なレッテル貼りだ。小籔が悪質なのは、こうして勝手に護憲派の主張を極端に設定し、それを批判することで“現実派の俺カッコイイ”みたいな感じに振る舞うことである。だが、この男の言っていることは、実際には“現実派”でも“遅れてきた頑固オヤジ”でもなんでもなく、ただの浅薄なネトウヨ思想の開陳だ。


 事実、過去には“戦中の教育勅語は何も悪くない”“民主主義よりライトな独裁のほうがいい”という趣旨の主張をぶってきた。これからも当たり前のように、憲法9条を骨抜きにして自衛隊を軍と位置付ける安倍改憲をどんどん援護射撃していくだろう。


 もちろん、こうした芸人は松本や小籔だけではない。というか、彼らほど直接的には言わないが、たとえば千原せいじやほんこん、ブラックマヨネーズの吉田敬、ロザンの宇治原史規など、テレビで安倍政権を擁護したり、リベラル派を攻撃してきた吉本芸人は枚挙にいとまがない。


 そもそも、吉本興業という企業じたいが、安倍政権や改憲派政党と同調的な動きをしてきたことも見逃せない。たとえば2017年夏、国会が共謀罪で揺れるなか、吉本が担当省庁である法務省のPRを請け負って所属芸人を大量投入、同省を紹介するというプロジェクトを立ち上げたことがあった。同年7月のお披露目会見では、西川きよし、ワッキー(ペナルティ)、川田広樹(ガレッジセール)といった吉本芸人たちが集結。国会答弁で大きな批判を浴びた当時の金田勝年法相も出席し「一流の芸人さんのおかげで、素晴らしい出来栄えになった」などと胸を張った。


 また2016年には公益社団法人日本青年会議所(日本JC)と包括提携を締結している。JCといえば、Twitter上でネトウヨ丸出しの暴言を連発する「宇予くん」なるキャラクターや、芸人のブルゾンちえみを模したキャラクターが「新しい男(憲法)作りたくない?」などと喧伝する憲法改正ウェブ漫画などのトンデモ改憲運動が炎上したことも記憶に新しいが、安倍政権やその周辺極右の政策をなぞる政治運動団体と化している組織。吉本は、このJCとも地域イベントで協力するなど関係を深めている。


 空気を読むのに長けた芸人たちは、権力に迎合する傾向が強いがゆえに、「会社がPRやっているんだから、批判は控えておこう」という意識が働いたとしてもいささかも不思議ではない。しかも松本人志のダウンタウンは、松井一郎大阪府知事が安倍政権とがっちり組んだ大阪万博の「誘致アンバサダー」も務めた。周知のとおり、日本維新の会もまた改憲勢力の一角を担う政党だ。


●金をもっている自民党や改憲団体が芸人やタレントを改憲CMに起用


 いずれにしても、松本、小籔ら吉本芸人を中心に、2019年はますますテレビタレントを使った改憲のための世論誘導が行われていくだろう。吉本だけではない。昨年にはついにネトウヨ番組『真相深入り! 虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)に出演したつるの剛士や『ニュース女子』のMCでもある西川史子なども注視すべきだ。


 しかも、気をつけなければならないのは、こうした芸人たちの改憲発言は炎上することなくフリーにどんどん流される一方、同じタレントでも護憲を主張する発言は、「政治発言をするな」と総攻撃を受けて、テレビからほとんど消えてしまう可能性が高いことだ。


 実際、ウーマンラッシュアワーの村本大輔や星田英利など、安倍政権を批判した芸人たちは抗議が殺到し炎上、テレビから干されているが、安倍政権を擁護するほんこんや千原せいじ、ロザンの宇治原などは、お笑い芸人としては終わっているにもかかわらず、逆にどんどん売れっ子になっている。


 これは、炎上を仕掛けているのが、安倍シンパのネトウヨや右派メディアで、テレビがそれに過剰に怯えているということが原因だが、この構図は改憲をめぐっても、再現されるはずだ。


 護憲発言は「政治的」と封じ込められ、安倍首相の望む改憲を援護する発言だけがどんどん大きくなっていく。そんな状況になるのは確実だろう。


 さらにこうした状況に拍車をかけそうなのが、CMの問題だ。現行の国民投票法では改憲案の国会発議翌日から国民投票運動期間(60〜180日)が設けられ、投票日の2週間前まで投票勧誘のCMが可能。しかも、それ以降も「賛否を勧誘」しないCMならば放送できる。当然、CMは資金と広告代理店の力がモノを言うが、民放連は賛否の量的規制を「事実上困難」と否定している。つまり、豊富な資金力を持ち、電通というパートナーを得ている安倍自民党が、有名タレントを起用して大々的なCMを打ってくるだろうことは容易に想像がつく。


 小藪千豊やつるの剛士が「私は憲法改正に一票入れます」などと宣伝するテレビCMがひっきりなしに流されるなんてことも十分ありえるだろう。


 その意味では、改憲論議の前に野党が要求しているCM規制は絶対に不可欠だが、CMが規制されたとしてもこれまで語ってきたように、芸人たちが出演する情報番組やワイドショーじたいが改憲PRになる可能性は高い。


 安倍首相が改憲施行を明言した2020年まであと1年となった今年は、わたしたち有権者にとって、ワイドショーや情報番組に出る芸人やタレントたちがどういった考えを持ち、誰を利する行動をしているかを、あらためて見定めるべき期間となるだろう。本サイトでは引き続き、こうした“改憲タレント”の動向を伝えていくつもりだ。
(編集部)


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