「2021年の元旦を迎え」~タケムラ アキラ『炎上くらいしてみたい』

1月7日(木)12時0分 耳マン

1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマンであり、キックボクシングで日本チャンピオンにまで上り詰めたタケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載!


みなさま、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

それにしても困っちゃったよねぇ、いやこのコロナだよ、コロナ。

通常の年末年始であればかみさんの実家がある鹿児島に帰省するところなんだけど、万が一保菌していてあちらで感染させてしまったりしたらシャレにならないしね。ただ、かみさんとしては家には居たくないらしく「都心のホテルがガラガラだからそこに泊まろう」とプレッシャーをかけてきた。

俺のように「いつなんどきでも我が家が一番いいわ〜派」にすると、選択肢に上がらないどころかどうやってもその思考に至らない「自宅からさほど遠くないホテルに宿泊」という、ある意味究極の贅沢に思える年越しを迎えることとなった。

もちろん拒否はできたのだろうが、「そりゃたまには外に泊まって、気持ちの底から家事からも完全に切り離されたいよな」という取って付けたかのような想像力を俺も持ち合わせてはいたようで、「じゃあ泊まってみようか」と抵抗することなく受け入れた。

しかし、だ。こんな言い回しでこのコラムを書いている時点で、この外泊を心の底から受け入れきれてないのがだだ漏れしている。同じ肯定の意でも「お! いいねー!」ではなく、「・・・うん、そうだね。行こうか」なんだろう。

俺の何という器の小ささよ! もう50も手前だというのに「家から30分のそこそこのホテルに数泊するなら、家で寝起きしてそのぶん何か贅沢すりゃいいんじゃないの?」とつい考えてしまう、この貧乏性。そもそもそれなりのホテルともなれば寝起きするだけでなく、「そこでの快適な時間を過ごすこと」自体に価値があり、サービスを行き届けてくれるホテルスタッフのみなさんと言葉を交わし、その空気感に触れることで自分もそういった場での振る舞いを覚えていく。数万円を払うことで家族と自分のリフレッシュをしながら成長もできる、そう考えるとめちゃくちゃコスパよすぎるのだが、そもそもここでコスパという概念で考えてしまう俺がくそダサい。

俺はダメだ。何から何までまったくダメな男だ。しかしそんなダメ男だが、結局はホテルに泊まった。

それなりに大きなホテルだったが宿泊客は数える程度で、稼働率は20%程度だったんじゃないのかと思いたくなる閑散さ。

12月30日にチェックインして3泊。食事別のプランだったこともあり「元旦の食事をどうするか?」という問題もあったが、ホテルからわりと近い場所にお気に入りのインド料理屋があり、なんとそこは元旦から営業していることを知る。「普段は混んでるけど、元旦からインド料理食べるやつもいねーだろうからそこでいんじゃね?」と決定。

そしてランチタイムもとうに過ぎた13時半すぎに、そのインド料理屋に到着した俺は唖然。普段よりも混んでるじゃん! 2階の店から伸びた列が1階まできている……。しかしメニューを見て納得、通常ではビュッフェには出てこないビリヤニやドーサ、プーリーその他の提供があった。

客層はインド人8割、日本人2割といった感じで、日本にいながら日本人がマイノリティを元旦の昼から感じるという不思議な空間であった。まあ、そもそも元旦からインド料理を食べる日本人はそりゃ少数派だよな。

その後は愛宕神社をチラ見。空いていれば初詣をしようかなとも思ったが、本殿参拝はまさかの2時間待ち。いくら野外とはいえコロナ感染のリスクもあるので、おみくじだけを引いて退散。

こうして元日は暮れていった。

今年はいったいどんな1年になるのだろうか。昨年、世界を襲ったコロナウィルスは未だに脅威であり、その第3波はまた日本に緊急事態宣言を出させようとしているし、恐らくそうなるだろう(1/2現在)。

このままコロナの脅威に怯えながらの共存となるのか、何らかの形で封じ込めることができるようになるのか。その先行きはまったく見えない。

少しでもいい年になるよう、本気で祈ってしまうお正月は初めてかもしれないなぁ。世界に幸運が訪れますように。

タケムラアキラ

竹村哲●1995年にスカパンクバンドSNAIL RAMPを結成。2000年にリリースしたアルバム『FRESH BRASH OLD MAN』でオリコン1位を獲得するなど、一時代を築く。バンド活動と並行し、2001年からキックボクシングを始め、2014年10月に43歳の年齢でNKBウェルター級チャンピオンに輝く。2015年12月12日には後楽園ホールにて引退試合を行なった。SNAIL RAMPは現在、“ほぼ活動休止”中。

耳マン

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