リアル不眠症トーク!「私たちの不眠話〜菊池真理子×成宮アイコ〜」【前半】- 眠れない夜は自暴自棄で枕を投げ飛ばし、眠れた日には世界が100倍美しく見える。

1月7日(木)17時6分 Rooftop

頭の中でいちいちツッコミをいれてくるヤなやつ

成宮:菊池真理子『生きやすい 第2巻』発売記念イベント「眠れない夜、どう過ごしてる? 私たちの不眠話」はじまりました。本日の主役・菊池真理子さんです。

菊池:よろしくお願いします!

成宮:不眠の話題に入る前に、まずは『生きやすい 第2巻』についてお聞きしたいと思います。印象に残っている回はありますか?

菊池:「敬語の辞め時がわからない」とか、「キャラ設定として愛想のない自分を始めました」には反響をいただきました。わたしたちも、最初に会ったときにはお互いに違うキャラだったよね(笑)?

成宮:最初ってさぐりさぐりですからね(笑)。「さて、この人はどんなキャラをご希望だろうか……?」みたいなのありますよね(笑)。そこから、徐々に本来の自分にいくときの詰め方ってどうしていますか?

菊池:グラデーションで徐々にかな。でも、アイコちゃんとは、わたしが『毒親サバイバル』という本でインタビューをさせてもらった時にすごく仲良くなれた気がする。ほら、自分たちの家があんまり幸福な家ではなかったので…そのあたりの話しをぶっちゃけられたあたりで。

成宮:「あれ、それ分かる!」っていう体験が多い人とは、距離がぐっと縮まりますよね。

菊池:あと、これを話すとまた頭がどうかしてると思われるかもしれないけど……頭の中に人がいて、わたしたちは偶然その人に"教授"っていう同じ名前をつけていて、「嘘、同じ?!」ってびっくりしたのをよく覚えてる(笑)。

成宮:初めてこのお話しを聞く方がいるかもしれないので説明をすると、こうして喋ってる間もわたしたちの頭の中には、自分自身にツッコミを入れてくる教授がいるんです。わたしの場合は、『自分が眠れないくせに不眠の話しなんかしちゃって…』って俯瞰して見ているヤなやつなんですけど、同じ教授でも菊池さんの教授は違うキャラなんですよね。

菊池:そうそう、マンガの中で私にツッコミを入れてくる人とはまた別の人が頭の中にいて、それが教授なんだけど、その人はわたしをすごくを甘やかして肯定してくれるの。

成宮:そういうことを、確かインドカレー屋さんで話したんですよ。不眠とか家族とか真面目な話しをしているのに、わたしの教授は、「今あなたはナンをちぎっていますね」ってナレーションをしていて(笑) 。

菊池:わかる! 説明されちゃうんだよね、状況を。だからここに今わたしとアイコちゃんの2人しかいないけど、本当は4人いる(笑) 。

518d13c56d0891d19184b982cbabf64b8c53975d-thumb-600xauto-178950.jpg

眠れない夜に枕をこねる

成宮:26話には「眠れない」っていうお話しが入っていますが、眠れない時って生活でもっとも自暴自棄になりますよね。

菊池:自暴自棄になるし、自分を一番いじめる時間だよね。しかも、眠れない時間が3時間とか4時間とか続いて、その間ずっと自分を責め続けちゃう。あの時間って1秒もいらないよね。

成宮:眠れないときって、自分にめちゃくちゃ怒りが湧き出ますからね。本の中で、寝れなくて泣き喚くシーンがあるじゃないですか、あれ心の底から分かる。カーテンを、「うわあ〜!」ってぐちゃぐちゃにして、枕をバンバンって叩きつけたいくらい、眠れないつらさを外にぶちまけたくなります。

菊池:子供のように泣き喚きそうになるよね(笑)。そういえば不眠の基準を調べたんだけど、お布団に入って30分眠れなかったら、もう不眠ポイントがつくみたいなの。

成宮:30分?! 薬を飲んでもギリ30分ぐらいですよ。

菊池:そうだよね、30分ですぐ寝るってないよね。でもわたし、実は不眠だけじゃなくて、前は不眠と過眠を繰り返していて、過眠の時はなにをしていても眠くてすぐ寝ちゃってた。起きていられなくて、夜だけじゃなくて昼間とかもすぐ寝ちゃうの。そういう時はもう3秒ぐらいで寝ちゃう。

成宮:のび太くん状態!

菊池:ある日、突然、過眠になってまた急に不眠になることを繰り返していて、過眠のときは授業中もすぐ寝ちゃうし、一日3時間ぐらいしか起きていられないぐらい寝ちゃうこともあるの。ご飯を食べる・トイレに行く・あとは寝てる…みたいな感じで、まともなことを考えられる状態じゃないんだよね。でも急にまた不眠にもどって、いつも寝過ぎか、寝なさすぎかってどっちかっていう感じ。

成宮:不眠対策で、お香を焚くとか良いベッドを買うとかしました?

菊池:お香を焚くと、「火事になる!」って不安になるの(笑)。 アロマキャンドルとかも、「燃えちゃう!」 みたいな。

成宮:わかります。……あの、枕って、一生合わなくないですか?

菊池:わかるー! 一生合わない(笑)。なにをやってもダメだし、枕への憎しみが夜の半分を占めているというかさ(笑) 。

成宮:どの位置に首を置いても、もう全然合わないんですよね。

菊池:オーダーメイド枕を作りに行ったことがあるんだけど、あれって頭の後ろに機械を入れて測るの、でも、当てられると思った瞬間に自分の正しい姿勢が分からなくなって、首をすごく前に出した状態で測っちゃって(笑)。正しい枕すら作れなかったよ。

成宮:でも枕って、たまに一瞬だけ合う時あるじゃないですか。でも、なまじ合ってしまうと、ここから動いて枕をずらしてはいけないっていう緊張感がすごくて。最近なんて、枕を自分の頭のへこみに合わせようとして、丸みにあわせてこねてますよ。手ごねまくら。

菊池:こねる〜、わかる〜! 寝ていたのにやっぱりダメってなって、いったん起きてこねる。

成宮:今日はちょっと右がダメだったなとか。その隙間にハンドタオルを入れてみようとか。

菊池:いろんな道具を用意しておくよね。良い枕があったら教えて欲しいくらい。本当に枕に対する怒りが止まらなくなったりする時って、枕を投げ飛ばさない?

成宮:わたしは枕をベットから落とす派です(笑)。でもあまりに眠れないと、睡眠に対して執着が出すぎるんですよね。午後3時ぐらいになると、また夜の戦いがやってくるぞ……って思い始める。まだ外は明るいのに。

菊池:あるねー、昼間ぐらいから今日の夜の眠る作戦会議みたいになる。毎日眠れないのが始まるって苦痛だよね、夜が怖い。あと、夜の秒針の音ってすごいよね。秒針のある時計、部屋にある?

成宮:わたしは部屋から全部追い出しました。でも、せっかく違う部屋に置いたのに、「これ頑張ったら秒針が聞こえるかもしれない」って思い始めちゃって。

菊池:そうなんだよね、自分から音を聞きに行っちゃうよね(笑)。

成宮:だからひとりじゃないと眠れないんですよ、寝息なんて聞こえてきたら、「自分ばっかりすやすや寝やがって」って思うから(笑) 。

菊池:隣で寝てる人いると悔しいよね、わざとちょっと音とか立てて、起きないかなって(笑)。この人はもうすぐ寝るだろうなって時に、わざと話しを振ったりする。あとさ、相手が寝るまで眠れなくない? 先には眠れないよね。

成宮:そのくせ相手が先に寝ると、自分ばかり寝やがって……(笑) 。

菊池:酷い、酷すぎる、わたしたち(笑) 。

e842eee46f52b6b6e54ca1706fdcc2361f6a91fa-thumb-600xauto-178952.jpg

眠れない日、朝の定義

成宮:夜中のデッドラインってありますか?

菊池:新聞屋さんが来る時間かな。新聞屋さんのバイクって、止まって配って、止まって配って、するから普通に通りすぎないんだよね。

成宮:ちょうど鳥も鳴き始める時間ですよね。わたしのデッドラインは4時かなぁ、3時台はまだギリセーフ。

菊池:わかるわかる、3時は夜。4時から朝。3時半ぐらいから焦りはじめる。眠れない時は、眠っていると思い込むようにしてる(笑)。なんか、努力もできなくない?

成宮:努力できないですよね、自暴自棄になる。「睡眠」で検索してYouTubeを見たりもしたけど…。

菊池:わたしのマンガの1巻にも書いたけどYouTubeで「睡眠 催眠」で検索して、眠れる催眠とかをかけたりしていたの、自分に。『だんだん貴方はポーカポーカしてきて』みたいな(笑)。

成宮:どうでした?

菊池:そんな感じはしないなって思いつつ最後まで聴いて、眠れないまま終わってしまう。ゆったりさせようと思ってゆっくりしゃべってくれてるんだろうけど、それが逆に気になっちゃうんだよね(笑)。

成宮:睡眠用の自然の音とかも全然だめですし、リラックス呼吸方とかも本当にだめなんですよね。そもそも、わたしが学校に行けなくなったのは、息をしている時にわたしだけ人より大きい呼吸をしてしまっている、って思いこんじゃって、教室で後ろに人がいることに耐えられなくなったのが原因なので。

菊池:そうだよね。わたしは、呼吸をしてお腹が動くのを人に見られてるって不安になっていたからよくわかる。だから呼吸法がだめなんだな。

成宮:ストレッチもしてみたんですけど、体を伸ばしながら、「わたしは睡眠に対してこんなに浅ましいのか」って思い始めちゃってだめでした(笑)。

菊池:「寝るために一生懸命すぎる自分め! お前はそんなに寝たいのか!」ってツッコミ入っちゃうよね(笑)。寝るとか食べるとかやらないといけないことをやろうとすると、頭のなかで激しいツッコミに晒される。

成宮:食べ物って、 「頼まれて買ったんです」っていう設定を準備してから買ったりしませんか? 別に誰も聞いてこないし、誰もわたしがなにを買おうが気にしてないのに。なんで、生きようとすることがこんなに恥ずかしく思うんだろう。

菊池:1人分でいいのに2人分買ったりする。とにかく恥ずかしいんだよね。「そんなに私は食べません! そこまで生きることに執着してません!」みたいな(笑)。でも、逆に他人が食べてるの見ると、「好き!」ってならない?

成宮:なる! 愛おしくなる! 「ああ、食べ物を摂取している……」って(笑)。他人がご飯を選んでるのだけでも、「なんて健気なの!」って思うときがあります。何様だよって感じですよね。

菊池:ちょっとムカつく人でも、ご飯を食べてると好きになっちゃうよね! あと、おにぎりならともかくデザートとか選ばれると、「生きるだけでは飽き足らず人生に楽しみを見出している、それでこそ人生!」みたいに思っちゃう(笑)。

成宮:めちゃくちゃわかります! 嗜好品はずるいですよ、愛おしいの極みですよ。「この人は自分を幸せにしてあげようとしてるのだ……生きているって素晴らしい」って思う。

菊池:すぐに、「おお、人類よ!」みたいな気持ちになるんだよね。

成宮:でも自分自身にはそう思えないから、わたしたち、いま飲んでいるのお茶ですもんね。

菊池:そう。自分たちはカロリーの少ない物で生きていく(笑) 。

02.jpg

これが睡眠というものか

成宮:わたしが飲んでる薬は、短時間で効いて短時間で切れる入眠剤なんですけど、効くまでの15分ですら、「今日は効かない日だ、どうしよう」って焦ったりします。

菊池:「やだ、今日は効かない日だ!」って思うよね。そんなにすぐ効いたら気絶なのにね。誰かれ構わず勧めることはできないけど、薬を飲んで良かったって本当に思ってる。今年の初めぐらいに全く眠れない日が続いて、つらすぎて泣いたもん。いい大人が号泣。

成宮:眠れないってだけで、なぜ人はあんなに追い詰められるんですかね。

菊池:本当に危ない状態になるよね。まず、立って歩くってことができなくなるじゃん。どこかぶつかったりして、頭もずっとイライラするし。

成宮:意識がクリアにならないですよね。自分の怒りとか悲しみも制御できなくなるし。最初に薬をもらいに行くとき、抵抗はありました?

菊池:ううん。その時はいい加減に眠らないとヤバイ、っていう状態にだったので、心置きなく飲んで布団入って気づいたら寝て、翌朝に、「これが睡眠というものか……」ってなった。

成宮:マンガに出てくるシーンですよね、わたし、あのコマめちゃくちゃ好きです。眠れた時の菊池さんの表情の素晴らしさ、ぜひ読んでほしい。悟りですよね。

菊池:ちゃんと眠れたらこんなに人生は豊かな物なのか、って気づくよね。

成宮:こんなに緑は美しい、鳥も好きなだけお鳴きなさい、って(笑)。

菊池:新聞屋さんもどうぞ配達して! って思うよね(笑)。

成宮:眠れない日はあの音がプレッシャーになるのに、この切り替えすごいですよね。

菊池:ほんとにね。睡眠ってありがたいね。でも薬を飲んで、脳みそのスイッチが切れて気づいたら寝ているってすごいよ。だから、最初に飲んだときも、こわさよりありがたさの方が先にあったかな。

成宮:人生で毎日1時間ずつ眠れない時間があったとして、1ヶ月あったら30時間じゃないですか。すぐに眠れる人は、その時間を遊びに行くとか映画を観るとかに当てられるのだと思うと、つらい気持ちになりますよね。

菊池:でもね、わたしはまだ野望を抱いている、諦めてない。薬を飲まずにいつか寝てやろうと思っている(笑)。

成宮:自分の睡眠力を過信すると、結局眠れなくてまた5時とかになっちゃいますよ! 質問が届いています。

『眠剤のやらかしエピソードがたくさんあるんですが、最近やらかした事はありますか? 』

菊池:わたしは飲み始めて日が浅いせいか、まだやらかしたことないんですよ。最初は健忘しちゃうかもって言われてたから、飲んで1秒で布団入るようにしてたの! アイコちゃんは健忘する?

成宮:わたしはガンガンしますね。早く寝る態勢に入らないと記憶が飛ぶぞって分かってても、ついやっちゃったりします…ほんとよくない。友達に日本語になってないアルファベットが混ざった文字でLINEしちゃうとか。だから、「1秒で寝る」が正解です。

菊池:すぐ寝た方がいい(笑)。眠れない時は一度ベッドから起きちゃう? それともベッドの上で苦しむ?

成宮:起きる覚悟ないです。「寝なくても死なないから」って言われることもあるけど、いや、こっちは寝れないとこんなに死にたい気持ちになるんだけど! って。

菊池:眠れないから本を読むって人もいるけど、そこで電気つけたらもうおしまいだよね。つけなくてもおしまいなんだけど(笑) 。

成宮:では次のコメントです。この人もきっと頭の中に教授がいるタイプな気がします。

『自分の寝る前に社会問題とか考えちゃって悪夢を見て翌朝起きられなくなる。そんな大きなことを寝る前に考えてもしょうがないのは分かっているが無視できない。』

菊池:わかるなー。でも、そういう問題を考えるっていいことですよ。みんなが考えなくなったらおしまいなので。静かだし、夜っていちばん考えられる時間だよね。……ただ、寝ようとしているときにやることじゃないよって話なんだけどさ(笑)。

成宮:「睡眠に適した環境」って、睡眠よりも思考をするのにもってこいですよね。あ、おもしろいコメントが届いていますよ。

『眠れないときに、一面の草原をイメージして羊が柵を飛び越えていく想像をしていました。羊が一匹、羊が二匹…50匹目までは正確だった景色に異変が起こってきました。羊が51匹、と頭で数えるとまだ数えていない羊が柵に突進していきます。超えていった羊に「今、順番数えているからこっちで待ってて!」と声をかけて戻ってもらいました。目がさめて眠るどころじゃなかったです。』

菊池:あははは(笑)! 自分の意図しない変なストーリーになってしまう感じわかる、親近感(笑)。ちなみに、有線放送で羊の数を数える番組あるんだけど、知ってる? それをずっと聞いていると、「羊が100匹」まで数えたあとに、「ハァ…まだ寝ていないの?」って言われるの。初めて聞いたときすごくこわくて! 有線環境のある人はぜひ聞いてみてほしいです。

成宮:余計に眠れないでしょ!

レポート後半はこちら
「自分が受けた傷に苦しんでしまうのは正常、親を許さなくてもいい。」

Rooftop

「不眠症」をもっと詳しく

「不眠症」のニュース

「不眠症」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ