藤原正彦氏 小学校では英語より国語を徹底的に勉強するべき

1月7日(木)7時0分 NEWSポストセブン

言論テレビで対談する櫻井よしこ氏と藤原正彦氏

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 ジャーナリスト・櫻井よしこ氏がキャスターを務めるインターネット番組『言論テレビ「櫻LIVE」』から、同番組の協力のもと、藤原正彦氏との対談のエッセンスを紹介しよう。藤原氏はお茶の水女子大学名誉教授で、数学者、エッセイストとして知られ、『国家の品格』のベストセラーを持つ。「日本人の品格」や「教育問題」などを櫻井氏と語り合った。


 * * *

櫻井:私たち日本人が、21世紀の世界をリードする価値観を提示しうるんじゃないかと思うんですが、藤原さんどうですか。


藤原:日本人の品格っていうのは色々ありますね。例えば情緒深いとか、道徳が素晴らしいとか。


櫻井:人を思いやる気持ちですね。優しさです。


藤原:最近、世界の人たちがそれをわかってきました。日本はすごい、欧米よりもはるかにすごいということをですね。だから最近では、世界で一番訪れたい都市が京都になって、一番住みたい街が東京になっているんです。


櫻井:日本人のことが大好きっていう世論調査も……。


藤原:増えています。でもこれは、中国に感謝しないといけないんですね。(中国は)世界中で評判を落として、その対照で、同じような顔をしてるのに日本が世界一。ビリと1位です。本当に中国に足向けて寝られないんです。


櫻井:(笑)。


藤原:だけど、日本人の道徳の素晴らしさや、「もののあはれ」などは、まだ世界に理解されていないんです。あるいは惻隠の情。これは武士道精神の中核です。弱者への同情、共感、涙です。さらに、卑怯を憎む心。こういうものを世界に訴えていくべきですね。


櫻井:難しいのは、私たちは武士道や惻隠の情、思いやりといった価値観を活かしながら、21世紀の今、どうやって国際社会の中で生きていくかという問題があることです。


 中国との対立も考えると、日本らしさ、日本の文明の素晴らしさ、文化の素晴らしさを活かしながら、どうやって21世紀の熾烈な激変しつつある国際社会の中で生き残っていくか、私たちのイニシアチブを発揮していくかということです。


櫻井:日本の素晴らしさを維持していくためには、教育が大事だと思います。本当の意味で教養のある人、惻隠の情をきちんと育むことのできる人を育てる。今の教育について、藤原さんは色々おっしゃりたいことがあると思います。


藤原:例えば、グローバル人材を育む、小学校から英語を学ぶという話があります。しかし、小学校では1週間に20数時間しかないんです。1週間に100時間あったら私は英語教育に大賛成です。20数時間では、国語を学ぶだけで精一杯です。まず国語を徹底的にやって、読書を好きにして、活字文化を復興しないと日本人が沈んでしまいます。英語どころの騒ぎじゃない。


 それから、IT教育といって小学生からパソコンと戯れていたら、日本からパソコンを作ったり、素晴らしいソフトを書く人がいなくなってしまう。そういう仕事をするためには、きちんとした論理的思考を育てないといけない。数学を叩き込まなきゃいけないんです。

 国語を小学校でやって、中・高で数学、あと歴史教育が必要です。縄文、弥生はともかくとして、現代史を。


櫻井:私も中教審(櫻井氏が委員を務めている中央教育審議会)で、グローバル教育で子供たちに英語を教えようということについて議論をしたんです。(そこで私は)まず日本語、国語を大事にして、読書をたくさんさせて、と一生懸命言っていました。ただ教育現場はかなり難しいだろうと思います。


 ここに藤原さんの著書『祖国とは国語』があります。本当に名著だと思います。「数学をするにも国語がわかっていなければならない」という、国語の大事さを教えてくれた本でした。


※SAPIO2016年2月号

NEWSポストセブン

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