プライベートジェットの保安検査を義務化「レアケースのために手間暇かけるのは日本の悪しき完璧主義」次なる逃亡を防ぐには?

1月8日(水)14時28分 AbemaTIMES

 ゴーン被告の逃亡先であるレバノンまでの足取り、そして多くの協力者がいたことが明らかになってきた。

 住居を出た後、近くのホテルで逃走を手助けしたとされる外国人の男2人と合流、タクシーで品川駅まで移動し、新幹線で新大阪駅に向かったという。そして3人は関西空港近くのホテルに入ったが、1時間半後に出てきたのは大きな黒い箱を運ぶ男2人だけ。つまり、ゴーン被告はこの箱の中に入っていた可能性があるというのだ。トルコ紙「アクシャム」は、関西空港のプライベートジェット専用ゲートにあるX線検査の機械には箱が入らないため手持ちの探知機で検査を受けたが、気づかれることはなかったと報じている。そして米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、逃亡劇には10〜15人が関わり、少なくとも10カ所の空港を下見した上で、関西空港の脆弱性を確認したと報じた。

 さらに日本を出た後にも協力者の存在が浮かび上がってきている。トルコ検察によると、逃亡に関わった疑いで3日に逮捕されたトルコの航空会社の幹部の男は、同じく逮捕されたパイロット4人に対し、イスタンブールへのフライトに関する情報を事前にメールで送信。捜査当局は幹部の男がイスタンブールまでの逃亡に関して主導的な役割を担っていたと見ているようだ。

 今回の事態を受け、赤羽一嘉国土交通大臣は「羽田、成田、関西、中部の4つの空港で大きな荷物の検査を義務化」「全国97空港管理者に対して保安検査を義務付けるよう通知」と、プライベートジェットの保安検査強化を表明している。

 「カジノが差し回したプライベートジェットに何度か搭乗した」と話す大王製紙元会長の井川意高氏は「羽田から乗ったが手荷物検査はあった。今回は大き過ぎてできなかったということだが、自分が乗るプライベートジェットに爆弾を乗せる人はいない。こんなレアなケースのために手間暇をかけるのは、1000年に1度の洪水のための10mの堤防を作るようなものだ。日本には“悪しき完璧主義”があるし、政府がポーズを取るためだろう」と批判。

 元入国管理局職員の久保一郎氏は「同感だ。おそらく通達を出しても守られないと思う。費用対効果を考えれば、現場は悪しき策は取らない。例えばスティーブ・ジョブズがプライベートジェットで日本を観光した際、伊賀の里で買った手裏剣を荷物に入れて乗ろうとしたら、羽田空港の検査で警備員に“これは渡せない”と言われたそうだ。ジョブズは“俺の買った手裏剣を俺のジェット機で持っていくことの何が悪いんだ。自分の航空機をハイジャックするか”と反論したが、頑として認めなかったという。自分の職務を全うするのは立派なことと思うが、別の警備員だったら、ジョブズは飛行機の中で手裏剣を投げていたかもしれない」と話した上で、次のように指摘する。

 「レバノンの政府関係者は、“トルコから正規の旅券を持ったゴーンさんが正規の手続きで入国を申請してきた。入国の申請時に問題がなかったので入国を認めた”と言っている。つまり、関空からダイレクトに行けば、“出国した履歴がない。どうやって日本を出たのか?”と言われかねない。ところがトルコを経由したために、トルコから正規に入ったと言えたということだ。また、弘中弁護士も裁判所も騙されたと思う。保釈の条件に国外の移動を禁止する条件と、旅券は弁護士事務所が預かるという条件があった。それまでゴーンさんは経営管理という在留資格を持ち、在留カードをもらっていたと思うが、解任されて資格が取り消しになったと思う。普通、入管は在留資格取り消しになった人間を収監し、強制送還の手続きに入るが、今回のケースはそこが怪しい。つまり裁判を受けさせるために、わざわざ特定活動という短期の資格を与えたのではないか。その場合、在留カードの代わりに旅券上にシールを6カ月ごとに貼り替えていく形を取る。そこでゴーンさんは、在留カードがなくなったことを理由に旅券をもらおうと思いつき、弁護士を通して、裁判所に申し立てたのだろう」。

 また、森まさこ法務大臣は6日、保釈人に対するGPS装着の可能性について「そういったことも議題の1つに入れながら様々な観点から検討を進めて参りたい」と話している。

 この問題について、元判事で法政大学法科大学院教授の水野智幸氏は「ハードルは高いと思う。生活が網羅的に分かってしまうし、人に知られたくない趣味まで分かってしまう。そういう情報をいかに使わないかということも必要だし、実際に運用するとなると誰が管理するのか。コストもかかるだろうし、色々な問題を詰めないといけない。やはり保釈をある程度認めて、刑事被告人であっても権利を認めて、裁判を戦うことが大事だと思う。保釈を認めない方向に行くのは間違いだと思う。全ての人にGPSをつけるのではなくで、保釈をぎりぎり悩む人にだけつけることを考えればいいと思う」との考えを示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
 

▶映像:ゴーン被告は何を語る? 暴露会見を予想

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