映画賞で何冠を獲得するかが注目される山口馬木也
2025年1月8日(水)16時10分 ジェイタメ
製作費わずか2600万円という低予算ながら、徐々に脚光を浴びた昨年公開の映画「侍タイムスリッパー(以下、侍タイ)」だが、主演を務めた俳優の山口馬木也が、並み居る俳優陣を押しのけ昨年末に発表された「第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」の主演男優賞を受賞した。
山口演じる幕末の会津藩士・高坂新左衛門が長州藩士を襲撃した夜、落雷によって現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい、「斬られ役」として生きていくという時代劇コメディー映画。
昨年8月17日に池袋シネマ・ロサのみにて一般公開がスタート。その後、徐々に話題になり、最終的には355館に拡大。興行収入は12月25日時点で8億1700万円を記録した。
同映画賞を主催する「日刊スポーツ」に掲載されたインタビューで山口は、そうそうたる歴代受賞者の名を目の当たりにして、「分不相応」と絞り出し、「こういう俳優になりたくて、いまだにやっている。そこに自分の名前が入るのがよく分からない」と胸中を明かしたという。
「最初の公開館も話題の広がり方も、18年公開の『カメラを止めるな!』と同じ動き。同作で主演を務めた濱津隆之はその後、多くの作品に出演することになったが、山口にも明るい未来が待っているはず。それよりも、まずは、昨年度の映画賞で何冠を獲得するのかに注目が集まっている」(映画業界関係者)
岡山出身の山口は、京都精華大学芸術学部洋画学科を卒業。居酒屋でバイトしていた中、関係者を通じて俳優の道に進み、25歳だった1998年、日中合作映画「戦場に咲く花」で役者デビュー。
2000年に蜷川幸雄演出の「三人姉妹」で初舞台を踏み、同年公開の映画「雨あがる」にて初めて時代劇を学んだ。
これまで学んできたものを全てぶつけて挑んだ作品でようやくブレークを果たした。