ゴールデン・グローブ賞セクハラ根絶スタートライン

1月9日(火)11時9分 日刊スポーツ


 ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏が長年にわたって女優やスタッフらに性的嫌がらせを行っていたことを発端に“セクハラ問題“に揺れた昨年のハリウッドを象徴するかのように、新年早々行われたゴールデン・グローブ賞授賞式は女優たちによるセクハラへの抗議の場となりました。7日にビバリーヒルズで開催された授賞式は、例年のような華やかなドレスに身を包んだ女優の姿はなく、アンジェリーナ・ジョリーニコール・キッドマンエマ・ワトソンら出席者のほとんどがセクハラへの抗議と被害者に連帯を示すために黒いドレス姿で登場。女優のみならず、俳優の多くも黒いスーツやシャツ、ネクタイを着用し、会場全体が黒一色に包まれるという異例の事態となりました。
 ハリウッドでは自分も性的暴行の被害者であることを告白する「ミー・トゥ(私も)」というムーブメントが広がっていますが、1日に新たに女優や映画界の女性スタッフらが立ち上げた「タイムズ・アップ(時間切れ)」と題されたセクハラを黙認する時代は終わりという意味のキャンペーンもスタート。農場や工場などで働く女性労働者のセクハラ被害に焦点を合わせた被害者支援のための基金集めも始まり、すでに1300万ドル以上が集まっています。300人もの女優や俳優がこの運動に賛同しており、授賞式ではヒュー・ジャックマンら多くの俳優たちもスローガンのロゴ入りピンバッチを付けて出席し、ハリウッドのみならず多くの業界にまん延するセクハラに「NO」を突き付けました。
 授賞式では司会のセス・マイヤーズが、開口一番で「今年は大麻がついに許され、セクハラは許されなくなりました」とセクハラ問題について言及。ワインスタイン氏のセクハラ報道以降、ケビン・スペイシーやダスティン・ホフマンら大物俳優たちの過去のセクハラ行為も次々と暴露される事態に陥ったことをネタに、「今日この場にいる男性候補の皆さんは、この3カ月で初めて自分の名前を呼ばれても恐れなくても大丈夫な日です」とジョークも飛ばし、会場を和ませる場面もありました。
 アフリカ系アメリカ人女性として初めて功労賞「セシル・B・デミル賞」を受賞したオプラ・ウィンフリーは、「あまりに長いこと女性たちは無視されてきた。自分たちを虐げる残酷なほど強力な男性たちの権力を前に勇気を出して真実を語っても信じてもらえなかった。でも、もう時間切れ。そんな時代は終わりです。新しい日がもうすぐ明けることを、今日これを見ている少女たち全員に知ってもらいたい。こよい、この場にいる女性たちと何人かの驚くべき才能を持つ男性たちのおかげです。もう二度と、誰も「私も」などと言わなくて済む時代に私たちを連れて行ってくれるリーダーとなるべく、はげしく戦い続けるたくさんの素晴らしい女性たちがいます」とスピーチし、会場からは大きな拍手が沸き起こり、スタンディングオベーションとなりました。
 ハリウッドでは今後も21日に行われる俳優組合(SAG)賞授賞式ではプレゼンテーターをすべて女性にする演出が企画されているほか、同賞初の司会には女優のクリスティン・ベルが抜てきされるなど女性が主役の授賞式が行われる見通しで、2018年は女性たちによる新しい時代の幕開けとなりそうです。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)

日刊スポーツ

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