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LUNA SEA、X JAPANのSUGIZOが原発、難民問題で勇気ある発言! 社会と乖離する音楽状況への警告も

LITERA1月10日(火)13時0分
画像:SUGIZO OFFICIAL WEBSITEより
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SUGIZO OFFICIAL WEBSITEより

「音楽に政治をもちこむな」


 今年の初夏、「FUJI ROCK FESTIVAL'16」に奥田愛基氏の出演がアナウンスされたことをきっかけにこのような言葉がネット上に飛び交ったのは記憶に新しい。


 原発問題や安保法制に関する問題など、どんどん暴走していく政府のやり方に対し、メディア上で主張を行う気骨あるミュージシャンにこんな言葉が浴びせかけられたわけだが、それでもそんな顔の見えない人からの攻撃に負けずメッセージを発信し続ける人は存在する。


 LUNA SEA、そして現在はX JAPANのメンバーでもあるSUGIZOもそのひとり。いわゆる「ビジュアル系」の全盛期を築きあげた第一人者で、現在でもドームクラスの集客を誇るミュージシャンである彼だが、実は社会的なトピックに関して一貫して発言し続け、それを自らの音楽にもフィードバックさせてきた。


 そんなSUGIZOが「ローリングストーン日本版」2017年1月号(セブン&アイ出版)でこんな発言をし、話題となっている。


「もっとも大きいのは原発、核の問題です。もう1つは難民問題。あとはもっと日本的なもので言うと選挙の投票率の悪さ。そういう世の中を放棄している人たちに対する憤りというのもある」


 周知の通り、現在、シリア北部のアレッポでアサド政権による攻撃が続き、人道危機にあることが問題となっている。安倍首相がプーチン大統領を故郷の温泉に招く約1週間前には、日本を除くG7の欧米6カ国がアサド政権とそれを支援するロシアに対して非難の共同声明を発表しているわけだが、それ以前に彼は今年3月、シリアからの難民が住むキャンプを訪れている。このときの体験をもとに彼は「The Voyage Home」という曲を書いているのだが、前掲「ローリングストーン日本版」では、その訪問で感じたことをこのように語っている。


「今年ヨルダンのシリア難民キャンプに訪れた体験から生まれた曲で。難民、人権の問題と圧政というのは繋がるものがあって、大多数の弱き人たちと世の中を牛耳っているような超富豪の間の格差が著しく巨大化していっている現状は、昔の圧政や貴族社会と何も変わらないと思うんです。虐げられて生きている、本来すべての人が持っているはずの人権もまともに与えてもらえず、認められずに生きている人たちの声が自分の中にすごく入ってきてしまう」


 彼はギタリストであってシンガーではないので、歌詞の内容で直接的に社会的なメッセージを訴えかける形式をとることはできないが(「NO MORE NUKES PLAY THE GUITAR」と題されたインスト曲を発表したりはしているものの)、その分、自ら苦しんでいる人たちのいる場所へ出向き、その様子をメディアを通じて発信することに尽力してきた。


 たとえば、東日本大震災の際には、地震発生後ほどなくして石巻に赴き、家屋に入り込んだヘドロ除去などのボランティア活動に参加している。「SPA!」(扶桑社)11年5月17日号で彼はこのように語っている。


「居ても立ってもいられなかった......そう思って現地に駆けつけた多くのボランティアと同じで、僕はたまたまミュージシャンだったにすぎない。ただ、前のめりの気持ちだけで現地に行くと、かえって迷惑になることがあるのも事実です。だから、受け入れる自治体とのパイプや、ノウハウを持つ団体を自分で探しました」


 しかし、彼にとってこれは別に特別なことではない。欧米にはノブレス・オブリージュという考えがあり、成功した芸能人はチャリティやボランティアの活動を通して社会貢献するのはごく自然なこと。コールドプレイが地球温暖化に関する活動をしていたり、U2がアフリカの貧困問題に取り組んでいるのはよく知られている。彼にとって自分の活動はこれと同じことなのだ。実際、前掲「SPA!」で彼はこのように語っている。


「欧米のアーティストは環境問題や政治に敏感なのは当然のことですし、本来、ロック・ミュージシャンとはそういう存在のはずです。その意味においては、アーティストがボランティアに行って、実際に働くことも特別なことではないと僕は思っています」


 エネルギー問題や戦争に関するSUGIZOの取り組みはその後も続いていく。一昨年には坂本龍一やBRAHMANらとともに反原発を訴えるイベントに参加しているし、また、太陽光発電など再生可能エネルギーに関するシンポジウムに参加したりと、直接音楽に関わらない場所でも積極的に参加してきた。


 また、今月リリースされたラッパー・Kダブシャインのアルバム『新日本人』に収録された「プラネットボム」(〈総理は軍事大国へと声高〉〈いつも政府は皇室を政治利用〉といった歌詞が歌われている)でギターソロを弾いているのも話題となった。


 ミュージシャンという発言力の大きい職業についているからこそ、彼は社会的な問題について積極的に語り、自分の音楽を聴く人たちに考えることを促す。「別冊カドカワ」(KADOKAWA)15年1月号ではこのようにも語っている。


「結局ミュージシャンも社会の中で生きているので、今の世の中の状況に影響されて当然ですよね。世界を見渡してみると戦乱の国が多く、日本だって大きな問題を幾つも抱えている。本音ではミュージシャンとして華やかな世界にいる図式に、罪の意識もありました。勿論音楽は人の心に寄り添える大切なもの。ただ間違いなく今の世界情勢は冷戦時のごとく不安定です。考えたくないですけど、もし集団的自衛権が悪いほうに暴走したら戦乱に巻き込まれる可能性も否定できないし、最悪の場合、日本が戦場になる可能性だってもうないとは言えない。そうなったら当然音楽なんてやってる場合じゃないですよね。戦争をする理由は一つだけではないですが、近年の多くの戦争の動機は、突き詰めれば一部の兵器産業や石油メジャーの経済活動の代償とも言えるじゃないですか。そのために弱き人々が犠牲になるという構図は、それは世の中で最も醜悪だし、一人の人間としてどうしても許してはいけないでしょう。そういったことを学んでしまうと、ただいい車に乗って綺麗なお姉さんを連れ回すだけの人生は送りたくなくなってしまうのは仕方ないですね。でも僕のように考えているミュージシャンは少なくないはずですよ」


 しかし、現在の日本で彼のような活動を行えているミュージシャンはそんなに多くはない。特に、「音楽に政治をもちこむな」などという、ポップミュージックの歴史を踏まえればバカげているとしか言いようのない言説でも、ある一定数の人々から支持を受けているような現状ではなおさらだ。そんな状況について彼はウェブサイト「club Zy.」のインタビューでこう不満を漏らす。


「特に、日本は酷い。社会的な認識と、表現の世界が、かけ離れすぎてる。俺の考えだと、音楽は当然ながら、あらゆるアートは社会のうねりと同時進行しているべき。そこから表現が生まれ、言葉が生まれ、音楽が生まれてきたんだよ。それが、日本は教育のせいなのか、社会の暗黙のルールなのか、思い切り乖離してしまっている。
(中略)
 とにかく良くも悪くも、世の中の出来事と表現活動はリンクしているべきものだと思っている。
 ところが、日本はあまりにも違う。もちろん音楽の純粋な楽しさや感動は大切なんだけど、その楽しさや感動を人々に供給する立場であるからこそ、人として社会と向き合わないといけないと思う」


 もちろん、ラブソングでも切実な歌はあるし、それがくだらないものというつまりはないが、あまりにもそればかりが跋扈し、社会的な問題を訴えかけるような歌は異形なものと見なすような風潮が蔓延し過ぎている。


 彼のこれからの活動には、そんな状況を脱するためのヒントが隠されているかもしれない。前掲「ローリングストーン日本版」で彼はこのように語っている。


「これは僕の世の中に対する警告なんですけど、わかりやすい言葉は敢えて入れていません。結局僕はジョン・レノンやボブ・ディランのようにプロテストソングを歌う役目ではないんですよね。10年前はそれをやりたかったけど、どう足掻いてもああいう言葉は僕の音楽の中では生まれないし、歌えない。じゃあ自分にできることは何かと考えたら、曲を作ること、演奏すること、サウンドを極めることだったんです。自分の精神性や社会に対するメッセージ、嘆きを音に転写できるはずだと」


 現状に対する怒りと嘆きを彼は音楽に変えていく。今後、SUGIZOはどんな音でそれらを表現していくのだろうか。
(新田 樹)


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