【アニメレビュー】スタイリィッッシュ! けど思ったより格好いい!? 時代劇アニメ『鬼平』1話目「血頭の丹兵衛」レビュー!!

1月12日(木)23時0分 おたぽる

TVアニメ『鬼平』公式サイトより

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 ついに放送が始まってしまった、池波正太郎の名作小説『鬼平犯科帳』(文藝春秋)を原作とした時代劇アニメ『鬼平』(テレビ東京系ほか)。

 アニメ化とともに発表された、月代も剃っていない総髪、高身長痩せ型の現代風イケメンに描かれた主人公・長谷川平蔵のビジュアルが、原作小説や過去、さまざまな形で映像化されてきた作品のファンたちから、一部反発を買っていたりもしただけに(記事参照)、ドキドキしながら1話目を見てみた。

「血頭の丹兵衛」率いる盗賊たちが非道な手口で盗みを繰り返していた。別件で捕らえていた囚人・粂八から「それは偽者だ。捕まえるのに協力させてほしい」と請われた平蔵は、太っ腹に申し出を受ける。島田宿(東海道沿い、現・静岡県島田市)に丹兵衛たちが潜伏しているとの情報をもとに粂八が島田へ潜入すると、そこには——といったストーリーが、1話目では展開された。

 良かったところを挙げていくと、なんと言っても殺陣シーン。かなりヌルヌル動くし迫力あるし、刀と刀がぶつかる音も硬質で格好いい。何より俯瞰のアングルもあったりするカメラワークもアニメならではだと思うし、ド深夜の放送時間だけあって、ちゃんと血も飛び交う。ここばかりは実写時代劇ドラマを上回っていたと断言してもよいと思う。

 深夜の放送枠といえば、冒頭の拷問シーンをきっちり描いていたのも好印象。『鬼平犯科帳』では、結構男女の痴情のもつれから事件につながるパターンも多いので、色っぽいシーンからも逃げずに描いて欲しいものだ。期待しています!

 また、OPEDから、気合を感じられたのもうれしいところ。OP曲「鬼平〜江戸を走る〜」の作曲・編曲、ED主題歌「そして・・生きなさい」の作曲・ストリングスアレンジ(歌唱:由紀さおり)、そして作中の音楽を務めたのは田中公平。数々のアニメ・映画・ドラマで活躍してきたベテランだけに、物語を引き締めてくれていた。

 一方で、気になるところも並べてみると……池波御大ご本人が、「平蔵は八代目幸四郎をイメージして書いた」とまで宣言し、TVドラマで平蔵役を演じた八代目松本幸四郎(初代 松本白鸚、松たか子の祖父)や、さいとうたかをが描いてきたマンガ版の平蔵とも、イメージが異なる平蔵のビジュアルにはちょっと違和感……というかやっぱり若すぎるし、細い。演じる堀内賢雄も、さすがに上手いけど柔らかめに演じているようだし。ただ、最初に発表されたビジュアルよりは骨太になっていたし、エピソードが重なれば、慣れてくるのかもしれないが。

 違和感といえば、その平蔵や彼の配下の同心たちに総髪=ちょんまげを結っていないのも、気になったところ。やっぱ女性ファンの獲得を考えるとマゲは結えないのだろうなと分かっちゃいるけど。

 あとこれは尺の問題でしょうがないんだろうし、後々のエピソードで触れるのかもしれないが、今回のエピソードも原作小説からは結構はしょっている。特に蓑火の喜之助は登場してほしかった、本格の盗賊で格好いいし、粂八のエピソードにもより深味も増すのに……。

 というわけで、面白かった、細かく気になるとこはあるけれど。歴史小説・池波好きとしては、これをきっかけに原作小説にハマる人が出ればうれしい——自分個人としても、そしてネットやSNS上を見ても1話目の感想をざっくりとまとめるとこんな感じになりそう。文藝春秋と時代劇専門チャンネルがモリモリCMを流しているあたり、製作委員会やその周辺もそういう期待をしているのだろうし。

 なお、さも今後も活躍しますよ、キーキャラクターですよ、という風情で登場した平蔵の養子・お順(声:千本木彩花)は、原作小説でもさいとうたかをのマンガ版でも大して活躍しないし、登場回数もそう多くない。アニメではどんなキャラとして描かれるのか、そして何より、「五鉄」をはじめとする飯シーンはいつ登場するのか。期待しながら待ちたい。
(文・馬場ゆうすけ)

おたぽる

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