リア充って、そういうことを考えてたのか! 理解の範疇を超えても、とりあえず“ふっくら”した『クズの本懐』第1話レビュー!

1月13日(金)23時0分 おたぽる

 フジテレビの「ノイタミナ」枠、今期は「月刊ビッグガンガン」(スクエアエニックス)で連載中の『クズの本懐』(横槍メンゴ)のアニメ化です。

 超絶かわゆいJK・花火(安済知佳)とイケメン高校生・麦(島崎信長)が、昼間っからチュッチュしているラブストーリー。背景には、まるで『秒速5センチメートル』みたいに桜の花びらが舞い散り……という感じの作品ですが、ターゲットは明らかに『秒速』とは異なります。

「さみしさ〜紛らすためなら〜、誰でもいいはずなのに〜♪」とは『秒速』のテーマソングともなっている山崎まさよしの名曲「One more time, One more chance」の一節ですが、花火と麦は「さみしさ紛らすため」なら「誰でもいいんです」とばかりブチュブチュしておるわけです。

 花火は、小さいころから家族ぐるみの付き合いがある、近所の“お兄ちゃん”こと鐘井鳴海(野島健児)に絶賛片思い中。一方の麦も、中学時代の家庭教師・皆川茜(豊崎愛生)に一途な思いを寄せています。

 そんな鳴海と茜が、2人の通う高校に教師として赴任してきたことから、物語はスタート。2人とも大好きな人と毎日会えることに一度は喜びますが、あろうことか鳴海と茜がいい感じに。大人同士が肩を並べて帰っていく様子などを眺めながら、花火と麦はやさぐれていくのでした。

 そうしてやさぐれるうちに、なんとなく意気投合してきた2人。『秒速』だったら、互いにいつの間にか惹かれあうようになったり、相手の幸せを願いながらも切ない思いに押しつぶされそうになったり、少し手を伸ばせば触れられる距離にいる相手の腕や肩にどうしても手が届かなかったりしながら、夕暮れの電車に乗ったりしそうなもんですが、鳴海と茜はお互いを“自分の好きな人”だと思うことにして、ちゅっちゅキスしたり、れろれろディープキスしたり、首筋ペロペロしたり、まあ要するにペッティングに耽るのです。

 なんということでしょう。

 そんなこと、あるのでしょうか。

 しかも、麦はおぱんつの上からとはいえ、おまんまんまで触っているのに、花火のケータイがバイブしたら途中でやめたりします。

 このへんで、完全に理解の範疇を超えました。

 2人は、契約を交わしたのだそうです。いわく「お互いのことを好きにならないこと」「本命との恋が成就したら関係を終わること」「つまり、気持ち以外は君のモノってこと」。そうして「かけがえのある恋人」になることを選んだのでした。

「遂げてみせるよ、クズの本懐──」

 花火がそうつぶやいて、第1話は終わりました。花火も麦も、この関係が決して健全だとか、あるべき姿だとは思っていないようです。「ひとりがさみしいなら、寄り添ったっていいじゃないか」ということだそうです。ペッティングはするけど、セックスはしないんだそうです。

 あー、そういうことか、そういうことだ。「リア充もツライよ」ってことなんだ。

 この2人は、学校中の誰もがうらやむ理想のカップルとして登場しました。ほっといても異性が寄ってくるし、勝手に好意を抱いてくれる。そういう人生を私たちはただ「うらやましい」「なんの苦労もない」「恵まれたヤツらだ」と思うだけだけど、そういう人たちにだっていろんな苦悩があって、自分のことを「クズ」だと思わざるを得ない状況が訪れるんだってことを、教えてくれる作品なのですね。そりゃ理解の範疇を超えるのも無理はないです。これを「勉強になるなー」ってなスタンスで見れば、けっこう楽しめそうな感じです。「つーことは、私らクズになる資格もないんかいな」と思うと死にたくなりますがー。

 とはいえ、まあそのへんのストーリーやテーマは別としても、エロシーンのこだわりはかなりのものです。

 最初に登場したキスシーンでも、麦が花火のくちびるをハムッといってますし、花火の太ももに汗が浮いていますし、離れた口と口の間は糸を引いています。麦の部屋のペッティングシーンでは、寝バックの体勢でシャツのボタンを外され、ブラの上からおっぱいもみもみされる花火が実に艶めかしいです。描写に気合入ってます。見ている側も、いつしかふっくらと気合が入ってきます。

 OPを見る限りではサブキャラとのレズシーンなんかも出てきそうですし、そのへんを楽しみに追いかけるのもいいかもしれません。何しろ横槍メンゴの描くかわゆい女のコを、かわゆいまま動かしてくれているし、準エロゲ的な声優さんの喘ぎ芝居もありそうですしね。

 あと、個人的には、花火がどーでもいい男子をフッた際に言った、以下のセリフが刺さりました。

「興味のない人から向けられる好意ほど、気持ちの悪いものってないでしょ」

 ずっと昔、好きになった女のコにすこぶる紳士的に告白したところ、涙を浮かべながら丁寧にお断りされたことがあったんです。あのときは「このコ、ボクなんかのために心を痛めながら、それでも真面目に向き合って考えてくれたんだな」とか寝ぼけたことを思ったものですが、単に泣くほど気持ち悪かったんだね! ぐは!
(文=新越谷ノリヲ)

おたぽる

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