71才落合恵子 同級生とは「年も忘れ、性別超えた関係」

1月13日(金)7時0分 NEWSポストセブン

シニアだからこその同窓会の楽しさとは?(写真/アフロ)

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 シニア層の間で同窓会に対する需要が高まっているという。同窓会の幹事を代行する『笑屋』の取締役・八木誠さんは「東日本大震災の翌年あたりから、徐々に同窓会の熱が上がり始めた」と指摘。同窓会に関する問い合わせも、毎年130%の割合で増えており、65才以上の同窓会が恒例行事になることも多いとのこと。


 毎年、旧友との時間を大切にしている人がいれば、同窓会に興味がないという人もいる。作家の伊集院静さん(66才)は『週刊文春』の連載「悩むが花」で、同窓会への参加を悩む女性から「先生は同窓会に行っていますか?」と質問が寄せられた際、「行かないナ」とばっさり。「何の為に同窓会するのか、わしはさっぱりわからんナ。毎日、忙しくて、何かを懐かしんどる発想が湧かんのだろうナ」と述べていた。


 だが、「おれ、いいや」と同窓会に参加しないと、それが今生の別れになることもある。増本義男さん(仮名・73才)は、「この年齢になると、徐々に会う頻度が増す」と話す。


「50代後半から60代までは、いわゆる“がん年齢”。1割の仲間がこの時期に亡くなりました。いちばん親しかった友人も、近いうちに会おうと思っているうちに、ゆっくり話す機会もないまま突然亡くなってしまいました。だからこそ、まだ共に生きている喜びをかみしめながら、昔話をしたいという気持ちが強いですね」


 数え年で70才を「古稀」というが、そこまで長生きしていることがまれだったからというのが語源だ。いつでも会えると思っていたら、一生会えなくなってしまうこともあるのがこの年代なのだ。


「昔に比べて会費は安くなりました。お酒もそんなに飲めないし、年金生活者ばかりだから、5000円以下が多いです。場所も寿司のチェーン店でランチコースとか、カラオケの個室。一度奮発して1万円で『なだ万』を予約したことがあったけれど、終わったあとに『今回は高かったわねえ』って不平不満が出てた(笑い)。だけど、文句を言いながらも『またみんなで集まれたね』と言い合えるのはうれしいことです。


 ただ、前の年までは連絡がついたのに、翌年、急に連絡が取れなくなった人もいます。その人の思い出話になって『今、どうしているんだろうね』と話す時はしんみりしちゃいます」(増本さん)


『大人の始末』などの著書がある作家の落合恵子さん(71才)が、最近同級生と話題にするのは、定年を迎え、自分たちの「始末」をどうつけるかということ。



「近況報告から始まり、最近までは家族の介護がテーマでした。だけど、そろそろ自分たちが介護される側になり、老いをどう生きるかが話題になっています。例えば、定年後にボランティアや、ずっと夢だった絵を学んで個展を開く人がいて“えっ、この人が?”っていう発見があります。みんな、とても生き生きしていますよ」


 まだ見ぬ未来に、身ひとつで羽ばたいていこうとしていたあの日。今はすべての荷が下り、再び身ひとつで最期に向かっていかに生きるかを考え、日々を送る。それはあの日と同じ、いやそれ以上に特別な色にきらめく時間だろう。人生の酸いも甘いも充分に経験したからこそ感じられる深い味わいで、だからクセになる。それを共有できる仲間がいるというのは、なんという幸せか!


「これまで必死で築いてきた肩書が全部なくなり、もともと何の肩書もなかった学生時代とはまた違った意味で、その人の生きる姿勢そのものを大好きだということができるようになって、互いを認められる関係性がもう一度生まれるんです。ここまでいろんな経験をしてきたのに、人に対して優しくなかったらつまらないですよね。何かを競っても仕方がないことを、私たちは充分学んできたと思うんです。かつての仲間といる瞬間は、年を忘れ、もはや性別も超えた関係です」(落合さん)


 増本さんも「残念ながらマドンナはどこにもいません」と苦笑いしながらも、性別を超えた関係を大切にしている。


「同級生には、感謝の気持ちがすごく大きくて、大切だからこそ、関係が壊れるようなことをしたくないんです。私たちの世代は、高度成長期を支え、働き、出世することを良しとする風潮がありました。今思えば、くだらないことに必死で、人の成功を素直に喜べない時期もありました。


 でも、すべてをやり終え、ようやく素直になれる時間がやってきたんです。卒業から55年の月日が流れれば、同級生の間に派閥はなく、あるのは同じ教室で学んだという共通項だけ。お互い必死に70年生きてきたことを認め合って、そして最期をいかに楽しむか。もうそれだけなんです」


※女性セブン2017年1月26日号

NEWSポストセブン

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