「12歳の文学賞」大賞の中2女子 次の作品は「体育の苦手な男の子」の話

1月14日(日)17時0分 文春オンライン




  工事現場で働く母と小学6年の女子・田中花実。父はいない。食卓にはスーパーの半額セールの惣菜やもやしの味噌汁。お金はないけれど、塾に行かない花実には時間がたっぷりある——。「12歳の文学賞」大賞受賞作に書下ろしを加えた連作集 『さよなら、田中さん』 (小学館)を昨年秋、14歳の誕生日に上梓した鈴木るりかさん。都内の私立中高一貫校に通う中学2年生だ。


「よく、自分のうちをモデルにしているのって聞かれますけど違います。お父さんがいる、と話すと驚かれます(笑)」


 遊園地に友達と一緒に行くお金を貯めるべく、花実が自販機の釣銭さがしに励む「Dランドは遠い」が、9歳の時に初めて書いた小説だ。


「その時本当に“釣銭さがし”が流行っていて(笑)」


 最終話(表題作)で視点人物がクラスメートの信也に変わる。裕福な家庭の男の子で、勉強はできないが心が優しい。彼の体験する絶望と悲しみが物語に清冽な深みを与えた。


 いま書いているのは「体育の苦手な男の子」のお話だ。


「オリンピックが近づき、体育に力を入れよう、という世の中の雰囲気ですが、肩身の狭い思いをしている子だっているんじゃないかと思って」


 きっと、悩んでいる子供の、いや大人も含めての、救済の物語になるのだろう。




(「週刊文春」編集部)

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