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今年で4回目! 「このマンガがすごい!」にランクインしなかったけどすごい! 2017

ねとらぼ1月14日(土)19時0分
画像:第1位「ニュクスの角灯」(高浜寛)
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第1位「ニュクスの角灯」(高浜寛)
 こんにちは。虚構新聞の社主UKです。今年で4回目を迎えた特別企画「『このマンガがすごい!』にランクインしなかったけどすごい!2017」。「このマンガがすごい!2017」(宝島社)<オトコ編><オンナ編>計100作品にランクインしなかったマンガの中から、「これも読んでほしい」と思った社主おすすめの10作品をご紹介します。

● 「このマンガがすごい!」にランクインしなかったけどすごい! 2015 結果

【第1位】「ニュクスの角灯」(高浜寛)
【第2位】「モアザンワーズ」(絵津鼓)
【第3位】「ラストゲーム」(天乃忍)
【第4位】「嵐ノ花 叢ノ歌」(東冬)
【第5位】「おかか」(まつだこうた)
【第6位】「千と万」(関谷あさみ)
【第7位】「黒」(ソウマトウ)
【第8位】「イキガミ様」(TAGRO)
【第9位】「スクール・アーキテクト」(器械)
【第10位】「今日のノルマさん」(ふかさくえみ)

●第1位「ニュクスの角灯」(高浜寛)

 今年の第1位は高浜寛先生の「ニュクスの角灯」(〜2巻、以下続刊/リイド社)です。
 失礼ながらタイトルを知らないまま、そのレトロモダンな雰囲気に惹かれて表紙買いしたのですが、これは本当に素敵な作品でした。こういう思わぬ出会いがあるから、マンガを買うのがやめられない。
 1878年(明治11年)、西洋文化が恐ろしい勢いで日本に流れ込んでくる文明開化真っただ中の長崎が舞台。西南戦争で両親を亡くした少女・美世が奉公先として鍛冶屋町の道具屋「蛮」を訪ねるところから物語は始まります。ものに触れるとその過去や未来の持ち主が見える美世の神通力に興味を抱いた「蛮」の店主・百年(ももとし)は、彼女を売り子として雇うことに。
 江戸時代から出島を通じて西洋に近かった長崎を舞台に、引っ込み思案な美世と、気さくだけれど何ともつかみどころのない百年たちが繰り広げる人間ドラマを見ていると、封建時代と新時代が混在するハイカラ前夜な明治初期の生活感と空気がリアルに伝わってきます。文明開化とは、例えるなら糸電話で生活していた世界に、いきなりiPhoneが持ち込まれたようなもので、百年が取り寄せた蓄音機やミシン、幻灯機越しに見たパリ万博の様子は、当時の日本人にとってただただ驚くしかなかったことでしょう。
 さて、本作のリアリティを支えているのは、高浜先生の「もの」に対する並々ならぬこだわりです。毎回最後に、作中に出てきたキーアイテムを作者本人が解説するイラストコラムが入っているのですが、たったひとつのものにこれほど深い背景があるのかといつも感心させられます。今でもコンビニに置いてある炭酸飲料「シュウェップス」がこの時代すでに飲まれていたこと、かつて日本茶と言えば静岡ではなく長崎だったことなど、世の中知らないことはいくらでもあるな、と。
 人見知りが激しく、最初は戸惑うばかりだった美世が、物語の筋を追うにつれ明るくなっていったのは、自分が周りから認めてもらえたことだけでなく、人類の進歩と明るい未来が舶来品を通じて見えたこともあるかもしれません。それゆえ、この物語が「世界が一番素敵だった頃」の回想話として、米軍の空襲におびえる1944年熊本大空襲の防空壕の中から語られる構成になっているのは、「科学の進歩」という言葉を素直に受け取れなくなってしまった現代(いま)のわれわれにとっても、また何ともノスタルジックな切なさを感じさせもするのです。

●第2位「モアザンワーズ」(絵津鼓)

 第2位は絵津鼓先生の「モアザンワーズ」(全2巻/幻冬舎)。男・男・女で男同士がくっつく少し変わった三角関係の恋愛物語です。
 言動が無邪気で子どもっぽく、それでいてナチュラルに人の気持ちを察することができる槙雄(マッキー)と、男に全く興味が持てない美枝子は中学以来の仲良し同級生。お互いを異性として意識しなくていい心地よさから、同じ高校に進学し、同じ居酒屋でバイトを始めた2人はそこで大学生・永慈と出会います。最初は仲の良い3人組として遊ぶ彼らでしたが、ゲイだった永慈は次第に槙雄に惹かれ始めます。ついに告白し、晴れて付き合うことになった槙雄と永慈。
 誰かを好きになったことがない、もっと言うと自分が「女」でいる意味すら感じない美枝子は、今まで通りの距離感で2人の幸せを見守ろうとしますが、永慈の父が交際に反対し続けることもあり、長く続いたその関係に亀裂が生じ始めます。次第に曇り始める2人の将来を目の当たりにした美枝子は槙雄と永慈に「ある提案」をするのですが……。
 美枝子の視点から描かれる本作。槙雄と永慈が交際を始めた中盤以降、「何だかんだで最後は収まるところに収まるんでしょ」と甘く見ていたら、その想像を大きく突っ切っていった終盤に度肝を抜かれました。3人がお互いにお互いを思いやり、みんなが幸せになれるよう願って動いたはずなのに、どうしてこんなに切なさの残る結末なってしまったのか——。しかもこのストーリー、誰かが間違ったというわけでもないのです。
 「正しくなくても おかしくても でも本当は どうしたらいいのか分からない」
 物語後半、自分の決断について語る美枝子の独白は、まさに読み手の気持ちそのもの。そう、本当に正しい答えは美枝子にも読者にも「分からない」のです。作者の絵津鼓先生ご本人が、あとがきで本作を評して「変な話」と言い切っておられますが、だからこそ何度読んでも抜けないとげのように心に刺さる良作になったのでしょう。

●第3位「ラストゲーム」(天乃忍)

 第3位は天乃忍先生のラブコメ「ラストゲーム」(全11巻/白泉社)。今回紹介する10作品の中ではご存知の方が一番多い作品ではないでしょうか。昨年堂々の大団円を迎えました。
 「社長の息子で顔も頭も良くて女にも不自由したことない勝ち組」柳尚人は、小学校5年生のとき、突如現れた転校生・九条美琴にテストだけでなく運動でも完敗。最後の手段・社長の息子アピールにも「あなたのお父さんがすごいんであってあなた自身がすごいわけじゃない」とド正論でとどめを刺されます。悔しさから「九条を自分に惚れさせた後、振ってやる」と誓う柳。計画を成功させるため中高大と九条と同じ進路を歩みます。
 中学校でも高校でも大学でも九条「以外」にはモテる柳。けれど基本無表情、特に恋愛沙汰に関してはわざとやってるんじゃないかと言いたくなるほど鈍感な「鉄の女」こと九条には全く気持ちが通じず、「大事な友達」のまま10年(!)が過ぎていきました。
 「九条に気持ちを自覚させられたらオレの勝ち」。こうして柳と九条のラストゲームが始まります。
 それにしても、惚れさせた九条を振ることが目的だったはずが、いつの間にかベタ惚れ、しかも10年も一緒にいて柳の想いに気付かないみこっちゃん(※九条)のどうかしてるっぷりがすごい作品でした。将棋をしようとしてるのに、オセロのコマを出してくるような噛み合わなさから来る、2人のじれったい掛け合いがおもしろく、「人を好きになる」ということが自覚できない、でもよく見ると牛の歩みのように少しずつ九条の中に恋心が芽生えてゆくさまを微笑ましく読ませてもらいました。「鉄の女」ではなくなった中盤以降、恋心に目覚めて少女に退行していくかのような変わりっぷりも見どころ。
 これほどハイスペックなのに、九条にだけは変わらずピュアだった柳も微笑ましかったけれど、とにかくヒロイン・九条の天然記念物的存在感にずっとニヤニヤさせられるラブコメでした。

●第4位「嵐ノ花 叢ノ歌」(東冬)

 第4位は東冬先生の歴史大河浪漫「嵐ノ花 叢ノ歌」(〜6巻、以下続刊/徳間書店)です。
 今回「ニュクスの角灯」と本作だけはまだ連載中の作品です。紹介の機を常々うかがっていた作品なのですが、第1巻の発売が2009年、以降年に1冊出るかどうかの刊行ペースで、紹介する前に死んだらこの世に未練を残して地縛霊になりそうなので、とうとうしびれを切らしました。
 作品の舞台は日中戦争から第二次世界大戦へと戦火が拡大していく1939年・ハルピン。記憶を失った少年・朱天と、古代中国の神・神農の血を引く少女・真珠血(ジョンジュベル)の出会いをきっかけに、日独の思惑、さらには人類の未来までをも射程に入れた「歴史大河浪漫」の名にふさわしい非常に壮大な作品です。
 本作の特徴は、とにかく背景やセリフの端々にこれでもかと詰め込まれた圧倒的な情報量。歴史は言うまでもなく、錬金術、宗教、神話、民俗学などなど異端・オカルトの色彩が強い分野の知識をあちこちから引っ張って来る作品で、例えば「蛇」という一語だけで失楽園からウロボロスから、はたまたDNAの二重らせんまであれこれ妄想がやまない人にとって打ってつけ。これまで自分が蓄えてきた知識を試される、取っ散らかっていた脳内の断片知識が統合されていくめまいのような「脳みそかき回され感」は、普通のマンガではなかなか味わえません。
 登場人物や専門用語の多さから、一度流し読んだ程度では全体が把握できないやや上級者向け、ともすると不親切と言われかねないタイプのマンガではありますが、それを理解していく過程で得られるものは非常に多いです。とはいえ、最初に書いたように刊行ペースがゆっくりしているのと、衒学(げんがく)的ながら物語のベースには朱天と真珠血のボーイ・ミーツ・ガールというストーリーとしての分かりやすさがあるので、それを頼りに味わいながら読んでいくと楽しめるのではないでしょうか。
 なお最新刊では、物語における謎のキーワードだった機械仕掛けの神「デウス・エクス・マキナ」の正体も判明。いよいよクライマックスです。

●第5位「おかか」(まつだこうた)

 第5位はまつだこうた先生の「おかか」(全2巻/講談社)。昭和風情あふれる下町に暮らすやんちゃなネコ耳小学生・おかかが起こす夏休みのあれこれを描いた1話完結型コメディです。
 ある時は相棒のカブトムシ「爽快脱糞丸」を引っさげ甲虫決闘(デュエル)に励み、またある時は、自転車に乗って追いかけてくるアロハを着た老人「アロハじじい」と対峙し、そしてまたある時は夏休み工作でやらかしてしまう——。そんな子ども時代のノスタルジックな夏休みあるあるをギャグテイストで描いた純粋な娯楽作品。
 色気より食い気、金があったらおもちゃと駄菓子な思春期突入前のクソガキたちがギラギラと発散してくる、あのあり余るほどの純粋エネルギーとテンションがコマとセリフの端々から伝わってくるのですが、おもしろいのはこの種のマンガにありがちな「子どもの頃はよかったなあ」「夏休み楽しかったよなあ」というしみじみとした感傷的気分が全くないこと(※褒めてます)。ハイテンションの子どもたちが全力で夏休みをバカバカしく満喫しているのを見ると、「こいつら本当にバカだな!」とニヤニヤするばかりです。
 ただ、本作にはバカ以外にもう1点見どころがあります。それは、おかかと大人が交流する回。一緒に住んでいるよしのから「そとっつらが良いのは大人のマナー」と聞かされて、それまで優しく見えた近所のおじさん・おばさんが急に信じられなくなったり(第15話)、年金も納めていないダメ大人の沢村から「せいぜいその労働意欲を大人まで維持することだね」と若い芽を摘むような話を聞かされたり(第17話)、どちらかと言うと大人のわれわれの方が身につまされるようなエピソードが時々スパイスのように挿入されているところ。
 いつか終わってしまう夏休みとは言え、主人公のおかか以外にも愛すべきキャラが多く、2巻で終わってしまうには実に惜しい作品でした。「2学期編」とかやってもらってもいいですよ?

●第6位「千と万」(関谷あさみ)

 第6位は関谷あさみ先生の「千と万」(全3巻/双葉社)です。
 「よつばと!」「甘々と稲妻」など、近年男一人の子育てものがマンガ界のちょっとしたトレンドになっているようですが、中学1年生の一人娘・詩万と父・千広の父娘関係を描く本作はこれまで読んだこのジャンル作品の中では最もリアリティが感じられました。
 娘に生理が始まった話を第1話に持ってきたというだけで、一筋縄ではいかないことが分かってもらえるでしょう。年頃の娘なのだから、当然父親はウザがられるし、男親ゆえのデリカシーのなさが娘をいらだたせることもある。詩万はすごく可愛いけれど、だからといって、ただ愛でて楽しむ作品でもありません。
 ピザの電話注文にドギマギしたり、マニキュアに憧れたりするところなど、詩万にはまだまだ中学1年生らしい幼さを感じますが、千広が娘のことを勝手にブログに書いていたことが本人にバレるエピソード(第8話)では、大人顔負けの大人っぽさを見せていて、世の大人は彼女の気遣いをもうちょっと見習うべきだと思いました。いや、本当に見習うべき。
 社主と同じ30代でこのお年頃の娘がいる方はまだ少ないでしょうが、来るべき「その時」に向けて、本作を読んで気持ちの準備をしておいた方が良いかもしれません。

●第7位「黒」(ソウマトウ)

 第7位はマンガ制作ユニット・ソウマトウのダークファンタジー「黒」(全3巻/集英社)です。
 黒髪の少女ココと黒猫クロは、いつもじゃれ合う大の仲良し。町の外れの大きな屋敷に1人と1匹だけで住んでいます。物語はそんなココとクロ、そして町に住むお友達や家庭教師のブレンダ先生たちを交えた心温まる日常……ではありませんでした。
 まず愛猫の黒猫クロが普通ではない。口の形がいびつだし、その目があるべき場所にも目が付いていないときもあれば、体全体に無数の目が浮かび上がることもある。しかもなぜかココには見えていないけれど、実は屋敷の周りには黒い影のような化物がいつもうようよしている。そしてココの友達もブレンダ先生も、そのことを知っているのに彼女にはそれを隠して明るく接している。これほど異常に囲まれているのに、ココだけがその真実も知らずメルヘンな日常を生きている描写の不穏さと、それが転じて時にはコメディにすら見えるシュールな構成がすばらしいです。
 このままシュールなダークメルヘンとして進むかと思いきや、とある出来事をきっかけに屋敷の中に閉じこもって人を寄せ付けなくなり、町の人たちと距離を取りはじめるココ。さらに彼女の体にも大きな変化が現れはじめます。
 そもそもなぜココは自分だけで住むには大きすぎる屋敷に一人ぼっちで住んでいるのか? 人を襲う黒い化物、そしてそれとよく似たクロの正体とは? 全ての謎が明らかになる最終巻は、それまでの予想を上回る、そして文句のつけようがない素敵な結末でした。それと普通の単行本と同じ価格なのに、本編部分を全てフルカラーで収録していることも付け加えておきます。もっとこういう本が増えてほしいですね。

●第8位「イキガミ様」(TAGRO)

 第8位はTAGRO先生の「イキガミ様」(太田出版)。海辺の町「海野辺」に暮らす人たちと、土地神として太古から生きている「生き神」様の日常を描いた物語です。
 町のあちこちに出没する海野辺の生き神様は、一見ただのオッサン(しかもエロい)だけど、れっきとした本物の神様。町民からは当然のように慕われてはいるけれど、かと言って敬ったから何か直接ご利益があるわけでもない、町の生活に当たり前に溶け込んだ存在でもあります。
 東京で夢破れ、海野辺に帰ってきたアラサー・英恵(はなえ)が見たのは、郊外型ショッピングセンターのある隣町と合併してどこにでもある田舎に変わってしまった海野辺と、また一方で子供の頃に見たのと同じままな生き神様の姿を通して見える変わらない海野辺。時の移ろいを肯定的でも否定的でもなく淡々と受け入れる心境は、ある程度挫折を経ないとなかなか実感できないかもしれません。
 「どうしようもない事は誰にだって起きるよ」「でもなんとなく無理のない方向というかね あるんだよ 生きやすい道筋というのが」
 作者のTAGRO先生は名作四畳半SF「宇宙賃貸サルガッ荘」から最新作「別式」に至るエンタメ系作品と、「マフィアとルアー」から連なるフォークソング的・私小説的作品の両輪で、もう20年近く活躍されているベテラン作家さん。生き神や死に神といった不思議なキャラを登場させながら、一方で成長、孤独、挫折といった人生の中で起こる出来事に対するメッセージ性を込めた本作は、今何か人生につまづいて悩んでいる人にお勧めしたい1冊です。ポジティブに、生きる勇気が湧いてくるところまでは行かないかもしれませんが、きっとその沈んだ心をプラスマイナスゼロのフラットに戻してくれることでしょう。

●第9位「スクール・アーキテクト」(器械)

 第9位は器械先生の「スクール・アーキテクト」(全2巻/芳文社)。普段連載ではあまり取り上げない4コマ作品です。
 かわいい少女たちが登場する「日常系萌え4コマ」は目の保養という意味では、それはそれとしての魅力がありますが、個性的な女子中学生たちが多く登場する本作は、ストーリーにおいても物語の構成においても、そこらの4コママンガでは味わえない体験にあふれています。少なくとも3回は驚かされるし、読み終えて謎が解けると再読したくなる。
 ちょっと妄想が激しかったり、ちょっと百合っ気が強かったり、そんな女の子たちが突然、時間の流れが異なるワンダーランドに迷い込む物語……と言うと、「いや、そういうマンガって割とあるんじゃないの?」とツッコミが入りそうですが、そういうマンガ好きな人ほど本作の仕掛けに騙されます。
 1つだけ挙げておくと、本作、1巻と2巻で登場人物が総入れ替えです。1巻で「ん? このままでよい、の、かな……?」と引っ張っておきながら、続く2巻では全く違う中学生たちの物語がしれっと始まる。両巻がどのようにつながるのかというストーリーもさることながら、「4コママンガ」という表現の枠組みまでも巻き込みながら解体・再構築されていく壮大なクライマックスは必見。いろんな読み方ができそうな「非日常がお望みなら よそでやれよッ!」というセリフも秀逸でした。

●第10位「今日のノルマさん」(ふかさくえみ)

 最後を飾る第10位はふかさくえみ先生の4コママンガ「今日のノルマさん」(全2巻/竹書房)です。
 主人公の「ノルマさん」こと星野ルマ子は、「ネコをなでる」「一人でご飯を炊く」など自分で決めた日々のノルマ達成を目指す中学2年生。「ノルマ」と呼ぶにはやけに低いハードルですが、それには深いわけがあるのです。
 実はお嬢様でもあるノルマさん、父親の過保護な教育方針のため、これまでほとんど外出が許されず、学校にも通えなかった文字通りの箱入り娘でした。「毛根に負担がかかる」という理由で髪を結うことさえ禁止されていたと言えば、それがどれほど厳しいものか分かってもらえることでしょう。
 ようやく家を出て学校に通うことを許された彼女のささやかなノルマ達成は、その成長のあかし。ノルマさんを優しく支えてくれる親友のゆーちゃんや、蝶番ベランジェールさん(※本名です)たち友達4人と共に過ごす学校生活や充実した夏休みという初めてづくしの経験をを通して、彼女が一歩一歩成長していく様子を眺めていると、まるでわが子を見守っているかのような温かい気持ちになります。昨日のノルマさんより今日のノルマさん、そして今日のノルマさんより明日のノルマさんのほうができることが増えていくのです。
 柔らかで可愛らしい画風と温かいストーリーだけでなく、彼女はこれほどまで過保護に育てられた理由から、一見こじつけのようにも見える「ルマ子」という名前の由来、作中の小道具に至るまで、設定が細かく作りこんであるところもすごいと思いました。

●最後に

 というわけで、ここまで駆け足で昨年おすすめの10作品を紹介しました。今回は男性/女性向けだけでなく、シリアスからギャグ、ストーリーから4コマまで幅広く選んだので、どれか1つは興味を持ってもらえる作品があるのではないかなと自負しています。
 この数年、マンガアプリやウェブマンガ発の作品が増えたこともあり、発売される新刊も増える一方。下手すると溺れてしまいそうなマンガの海に飛び出すとき、この連載が自分に合った「私のための1冊」を引き当てるお手伝いになれれば幸いです。
 今年も「まだあまり知られていないけれど実はめちゃおもしろい!」なマンガをたくさん紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア